第34話 武田信玄の奇襲・高天神城


1548年 4月


甲斐の虎・武田晴信は、常勝を誇る武田軍団2万の大軍を率い、駿府では無く柴田勝家の拠点・高天神城へと襲いかかった。


アイリス

​『へぇ~信玄公は敢えて山岳地帯を伝って、密かに大井川上流を越えて来たわね。その戦略に脱帽だわ…偵察ドローン八咫烏(ヤタガラス)で把握してないと苦戦するとこよ。』


柴田勝家

『遠江の心臓部・高天神城への隠密行軍……これぞ『動かざること山の如し』から転じた、雷鳴の如き奇襲か。」


『甲府から駿府(元・今川館)を狙うなら、富士川沿いに南下する河内路を使える。直線距離でも移動の容易さでも圧倒的に駿府の方が近いのにね。』


『高天神城を取れば俺が制圧した東海道の浜松・三河方面と駿河をできる。ましてや甲府からは大井川を越えた先の遠州地方だ。いきなりそんな大遠征はやらないと普通は読む……』


『実にお見事な奇襲よね。で?どうするの勝家くん。柴田軍主力の1万は駿河から動かさなかった。高天神城に4千と浜松に2千が全兵力。尾張へ援軍要請もしなかった…って事は壊滅させる気ね?』


『ああ、火力で徹底的に叩く。遠江は今、織田の直轄地。殿が駿河と共に防衛は、俺に全権を委任している。その地に攻めて来たこと後悔させてやろう。』



【武田信玄の狙い】



「良いか!駿府という「点」ではなく、東海道という「線」を断ち切るために、あえて遠方の高天神城を電撃戦で落とす!さすれば柴田軍も慌てて駿河から出てくるだろう。」


山本勘助

「織田の守護神・柴田勝家を誘い出し仕留める為にも速さが命!御屋形様、儂は城の西側へ回り浜松方面への逃走を阻止、と同時に援軍を牽制します。」


「うむ任せる。信繁(信玄・弟)お主は東側から包囲し、正面突破の騎馬軍団に対峙する織田の横腹を突け!」


「はっ!存分に、食い散らかしまする!」


「甘利虎泰、穴山信友、それぞれ2千の騎馬隊で先陣を務めよ!山県昌景!馬場信春!次鋒として止めを刺せ!」


「「はっ!お任せあれ!」」


「ふはははは!柴田権六勝家!儂は今川義元とは違うぞ(ニヤリ)」


だが信玄公が「勝った!」と確信して、2万の軍勢で高天神城に辿り着いた瞬間!


山本勘助「なっ!何だと?!」


そこには5重に増強されたコンクリート防御壁の後方に、余裕の笑みを浮かべた柴田勝家が待ち構えていた……


柴田勝家「ようこそw甲斐から山を越え、遠路はるばる御苦労である!」


甘利虎泰「何故だ!忍びの報告より壁が増えている……」


穴山信友「その後ろで構えているのは火縄銃か?」


武田信繁「火縄の煙が見当たらん…おそらく柴田銃と呼ばれている新型種子島だ……」



【柴田軍備え】

2千挺の柴田銃と500門の迫撃砲・切り札の長距離射程(5km)を誇る、移動式キャノン砲100門!火力重視の完璧な布陣である。


勝家は切り札である長距離射程のキャノン砲部隊に対し、いきなり砲撃の指示を出す。


「キャノン砲100門!、武田軍の後方補給部隊を壊滅させろ!

山へ追いやり、今夜食う飯も無く、敗走中に力が尽きて朽ち果てるか、落武者狩りの餌食だろう。」


ドォォォンッ! ドォォォンッ!


柴田軍のキャノン砲が4km後方に控える、武田軍の荷駄隊や兵糧を次々と爆炎に包む。


その精密な砲撃は轟音と共に食糧を奪い、武田軍の士気を根底から破壊していった。

「御屋形様!兵糧が!荷駄隊が!全滅です!!!」


武田軍の誇りが、未来の軍事力の前に粉砕されていく。


『いかん!このままでは総崩れになる……何とか阻止せねば(汗)』


「甘利!穴山!突撃だ!乱戦に持ち込めば大筒は撃てぬ!尾張の弱兵に、武田騎馬軍団の恐ろしさを見せてやれ!勘助!信繁!左右から突っ込め!」


​武田軍先鋒、甘利虎泰・穴山信友率いる騎馬隊4千が、城門へ向けて猛然と突撃を開始した。


甘利「押し通せぇ! 織田の小細工など、武田の気迫で踏み潰してくれるわ!」


穴山「行けーー防御壁の隙間を狙え!雪崩れ込めば奴らは撃てぬ!儂に続けーー」


その時

勝家の冷徹な号令が、拡声器によって戦場に響き渡る!


​「獲物がかかったぞ。柴田銃部隊、照準不要。面制圧しろ!奴らは織田の領土に軍事侵攻してきた。今川や松平とは違う、遠慮するな!連射だ!撃て!」


タタタン!タタタン!

タタタン!タタタン!


「ギャーー!」「ヒィィー!」


穴山信友は愛馬と共に連射してくる銃弾に蜂の巣にされる。その肉体は穴だらけとなった。

【穴山信友・戦死】


最前列の甘利の部隊も、人馬もろとも悲惨な状況となる。


​甘利「な、なぜ……間隔無しで撃てる……」

武田の猛将・甘利は、自身の手足が引きちぎられた激痛の中で

「御屋形様 逃げて下され」

【甘利虎泰・戦死】



穴山信友・甘利虎泰の先鋒部隊を、開戦と同時に壊滅させられた武田信玄。


4千の兵士と兵糧が硝煙に消えるのを見て、甲斐の虎のプライドはズタズタである。


『この儂が殺られるのか……』

信玄は初めて「死」より深い敗北の予感を知った。。。。。




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