第30話 駿河湾海戦・柴田勝家元帥VS今川水軍


​1548年 1月上旬


元旦の美食の余韻も束の間、柴田勝家は再び「戦の顔」へと戻っていた。


遠江の拠点高天神城から大井川を渡り東へと移動、焼津の花沢城を迫撃砲で攻め落とし、ついに今川義元の本拠・駿府まで3km弱、安倍川西岸へ布陣した。


佐久間信盛

「柴田閣下!高天神城から約40km。大井川を渡り終え、この安倍川が最後の防衛線!ここを越えれば今川は終わりですね。」


半介はんすけ(佐久間)、川など越える必要は無いぞ。今川館まで僅か3kmだ。移動式小型キャノン砲の射程距離5km、渡河するのは壊滅後で良い。」


「ではこの地に布陣して圧力をかけると?」


「圧力?駿河湾沖合いに浮かぶ蒸気戦艦「尾張丸」3隻が見えるであろう?あの巨大な黒い影が、今川への最大の脅威だ。。。そうかお前はまだ艦砲射撃を見た事が無かったな?」


「はい、まさかあの距離から届くと?」


「ふっwまあ見ておれ。」


勝家は今川の駿河攻略に、蒸気戦艦「尾張丸」1隻と高速輸送戦艦(輸送船にキャノン砲2門搭載)9隻を含めた10隻からなる艦隊を構成。


その第1艦隊~第5艦隊、計50隻の大蒸気艦隊を駿河湾へ派遣した。


第1~第3(駿府今川館攻め)

安倍川河口沖


第4~第5(駿府蒲原城攻め)

富士川河口沖


現在30隻の戦艦が、真っ黒な煙を吐きながら駿府の目と鼻の先に陣取っている。


​『アイリス、新型キャノン砲の照準確認はどうだ?』


​『訓練の成果ね!皆バッチリよ勝家くん! 駿府の今川館……あの優雅な屋根をいつでも消し飛ばせるわ。心の声を聞く限り、向こうはパニック状態ね。』


​『ああ、太原雪斎を失った今川義元に何ができるか……全艦、威嚇射撃用意! 目標、今川館背後の突先山とっさきやま・山中! 現在人間はいない!放て!!』


​ドォォォォォンッッ!!!


​空を裂くような轟音と共に、巨大な榴弾10発が駿河の空を飛び、山肌を文字通り「消滅」させた。


駿府の町中に響き渡るその音は、今川家の終焉を告げる弔鐘ちょうしょうであった。


「どうした半介?口が開きっぱなしだぞw」


「あっ!元帥閣下…失礼しました…(大汗)あんな物を1分間に4~5発も撃てるのですか?」


「ああ……だがその必要も無さそうだ、あれを見ろ。」


半介こと佐久間信盛は、今川館から白い布切れが振られるのを確認。


「あれは昨夜通達した降伏のあかし・白旗。」


「山肌を消滅させる威力の砲撃が、自分の頭の上を通過したんだ!次は自分と駿府の町が消滅する番だと理解した…降伏の決断…今川の終焉だな。」


佐久間「こんな悪魔の様な兵器を作れる、あなた様はいったい何者なのですか(震える)」


「儂か?儂は柴田家嫡男・織田軍唯一の元帥、柴田権六勝家じゃw」


「。。。。。分かってます」


「佐久間信盛!柴田軍はこれより安倍川東岸へ渡る。輸送戦艦に乗り7千で今川館前に布陣!会談後、館を接収する。兵を指揮しろ!」


「はっ!速やかに移動致します!」



同時刻、勝家と無線で連絡を取り合っていた第4、第5艦隊。


駿府から30km東

北条家との国境に近い富士川河口の海上で、今川水軍と向き合っていた。


​「元帥閣下!今川の水軍が冨士川沖合に集結。その数、およそ100隻」


第4艦隊艦長の声に、勝家は口角をわずかに上げる。


​「100隻だと? 浮き木を並べたところで、この鋼の牙を止められると思っておるのか?安宅船は何隻だ?」


「はい!5隻おります。岡部の家紋入り旗を掲げている安宅が、今川水軍の旗艦かと!」


「うむ。主砲、照準を合わせろ。先ずは今川の旗艦を地獄へ送れ!」


​​「放てッ!!」


​ドォォォォォンッッ!!!


​凄まじい爆音と共に、尾張丸の主砲が火を吹いた。


発射された砲弾は、正確に今川水軍旗艦の安宅船中央を貫く。


着弾の瞬間、海面は巨大な柱となって舞い上がり、周囲の関船や小早は木の葉のように粉砕された。


​「な、なんだあのバケモノは……! 山が火を吹いたのか!?」


今川の兵たちが絶望の叫びを上げる。


​尾張丸2隻と高速輸送戦艦18隻は、黒い煙を吐き出しながら、逆風をものともせずに突き進む。


蒸気機関のピストンが心臓の鼓動のように激しく、そして正確に刻まれる。


「全艦!撃て!!」


ドォォォン!

ドォォォン!

ドォォォォォンッッ!!!



富士川河口沖合い…駿河の海は、静寂に包まれていた。


その静寂は100隻の今川水軍すべてが、木っ端微塵となり海底へ消え去ったからである…


「元帥閣下!沼津方面に、北条水軍と見られる小早が20隻ほど浮かんでおりますが?」


「手出し無用!次なる目標!蒲原城をこの世から消せ!」


「はい?占拠する予定では?」


「良い!あんな古くさい城など要らぬ。跡地に儂が新蒲原城を築城する。殿(信長)の許可は下りている。いいか派手に殺れ!北条の水軍、直ぐに逃げ出すであろうよw」


勝家の指示から30分後、駿河東端を守る今川の要塞・蒲原城は地図から消えた……


北条の小早は我先にと逃走!


勝家『泣きわめいているのか?北条水軍がパニックに陥っている、心の声が大量に聞こえる…安心しろ、いま北条を攻める気は無いぞw』


アイリス『今川義元が待っているわよ。早く引導を渡してあげて。』


『ラジャー!だ。。。。。』




この圧倒的な「技術の暴力」こそが、無駄な血を流さず、最短で泰平の世を創るための慈悲であると勝家は信じていた。


この戦は後の世に

【駿河湾海戦・柴田勝家元帥、今川水軍虐殺!】

と語り継がれる事となる……



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