第18話
⑥縁起のいい日と悪い日
この日は、
特別なことは起きなかった。
大きな和了もない。
派手な振り込みもない。
卓は回り、
点数は並び、
時間通りに精算された。
誰も怒らない。
誰も文句を言わない。
それでも、
帰り際に
同じ言葉が残る。
今日は、
縁起が悪かったな。
誰に向けた言葉でもない。
理由を求める声でもない。
ただ、
そう思っただけだ。
別の日には、
同じような内容で
同じように終わる。
その時は、
こう言う。
今日は、
縁起がよかった。
何が違ったのかは、
誰も言わない。
点数かもしれない。
席順かもしれない。
同卓した人かもしれない。
でも、
説明は必要ない。
この店では、
縁起という言葉が
それ以上の役割を
すでに果たしている。
理由を探さなくていい。
責任を置かなくていい。
そうやって、
一日が終わる。
縁起のいい日。
縁起の悪い日。
どちらも、
問題なく回った。
それで十分だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます