第3話エリート様の「完璧な」挑戦状
放課後。夕日に染まる練習場には、約束通りリゼットがいた。だが、そこにはもう一人、招かれざる客がいた。
学年次席の貴族、カイゼル・フォン・グラマード。
金髪を完璧にセットし、豪華な刺繍が入った特注の杖を携えた彼は、取り巻きを連れて鼻で笑っていた。
「おやおや。リゼット様ともあろう方が、こんなドブネズミのような男と密会ですか。ヴァレンタイン家の家名が泣きますよ」
「なんですって、カイゼル。失礼ね。彼は……その、私の研究対象よ」
リゼットが顔を赤くして言い返すが、カイゼルの蔑んだ視線は俺へ向く。
「ハルト。貴様、リゼット様にどんな汚らわしい術をかけた? 無能の分際で彼女の隣に立つなど、この僕が許さん」
「別に俺は、リゼットに無理やり連れてこられただけなんだけどな」
俺が肩をすくめると、カイゼルは激昂した。
「貴様、呼び捨てだと!? ……いいだろう。身の程を教えてやる。決闘(デュエル)だ。負けた方がこの学園を去る。どうだ、恐怖で腰を抜かすか?」
カイゼルが杖を構える。その頭上には、巨大なルビが表示された。
『(※僕の鉄壁の防御を前に、無様に泣き叫ぶがいい。リゼット様の前で僕の強さを見せつければ、彼女も僕に跪くはずだ)』
「……悪いけど、学園を辞める気はないんでね。受けてやるよ」
俺の一言に、周囲にいたギャラリーから「ハルト、自殺志願か!?」と声が上がる。
リゼットだけが、不安そうに俺の袖を引いた。
「……ハルト、無理しないで。あいつは嫌な奴だけど、防御魔法に関しては学年トップなんだから」
「大丈夫だ。あいつの魔法、説明書がついてるから」
「はあ? 何を言ってるのよ」
俺は一歩、前に出た。
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