winter twinkle-twinkle ――冬のキラキラ

沙華やや子

winter twinkle-twinkle ――冬のキラキラ

 1月。1年生もあと3カ月でおしまい。


 璃依名りいなは来月16になる。

 白いシフォンのシュシュで飾ったポニーテールを揺らしながら塾の帰り道。


「ハロー、お月様」


(バースデーに素敵な奇蹟、起こらないかな……。例えば、憧れの周大しゅうた君と両想いになれたり!)


 そんな事になったら、璃依名の地球は巨大なミラーボールのようにキラッキラだ。

 入学した時、一目惚れしたクラスメイトの周大はサッカー部のエース。背はそんなに高くなく、しなやかな筋肉質のイケメン。女子達の人気者だ。優しい彼、恋人がいないのが不思議。


 璃依名は文系で帰宅部。帰宅しなくちゃ、ママに行かされている塾が忙しい。


「あ!」


 あれに見えるは璃依名の想い人・周大だ。コンビニから1人出てきた。小さなレジ袋を下げている。


 璃依名は(お月様! お願い!)となぜか心に呟いた。


「ああ、わかった」


「え!」


 おじさんみたいな低い声がした。ちょい不気味。


 不思議な声にキョロキョロしていると(あ! 周大君が自転車で行っちゃう)


「周大君っ」


 璃依名は自分自身の大胆さに驚いた。

 好きでも、一言も口を聴いた事が無い彼の名を呼んだのだ。


「ン……。ああ! 璃依名ちゃん」


(え、あたしの下の名前知ってるんだ、周大君)


「こんばんは」


「うん、こんばんは。塾の帰り?」


「うん、そうなの」


「あ、何か買ったの? 周大君」


「うん。肉まん」


 ほっこりしたムードが二人に流れた。


「こいつをいつもある場所で食べるんだ……。あ、璃依名ちゃんも一緒に食べない?」


「うん!」


 コンビニに入り、璃依名が肉まんを買おうとすると「オレの顔、立てさせて」なんて言って、財布を出す周大。


「ありがとっ」


 自転車を押す周大の後ろをはにかみつつついて行く璃依名。


 茶色い木の葉が、葉っぱの殆ど無い木にしがみ付いている。


「着いたよ!」


「あ!」


 その光景を見た璃依名は何度も目をこすった。いつもの公園。地面がお星様だらけ。そう、漫画に出てくるような三角5つの海星みたいな形。それらが黄金こがねに輝きながら厚い層になっている。


「これは?! 凄い! 綺麗っ」


「オレからのプレゼント! 来月、璃依名ちゃんお誕生日でしょ」


「え! ええ!」


 ダブルの衝撃。目の前の神秘と、大好きな周大が自分の誕生日を知っている事と。


「璃依名ちゃん、オレの魔力、秘密にしといてね!」


(ま、魔力……)


 ハテナ。でも超ハッピー。


 そうして冷めない内に、二人は肉まんを食べたのよ。

 柔らかな星のクッションに埋もれてね!

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