弐環
神様と話してから数日後。
私は年が明ける前と変わらぬ日常を送っていた。
私「ありがとうございましたー!」
お客を見送るとダンボールから陳列棚に品物を並べている先輩が口を開いた。
先輩「ねえ、この商品の在庫ってまだあるかな? ︎︎もう少し置けそうなんだよね」
私「裏探してみます!」
先輩「ありがとう〜!」
……
(あれ……補充場所にないな。もしかしたら倉庫のストック棚の方かも?)
「その並んだ箱の間を見ろ」
(間?)
「下だ」
(下……あった!)
(……って、神様? ︎︎ありがとうございます。でも私に会いたかった割に来るの遅かったですね)
神「君は本当に……」
(あ、そうだ。これ表にも出してこなきゃ。行ってきます)
……
あれから私は仕事帰りに神様に話しかけてみることにした。
(神様ー、近くにいます?)
神「いるぞ」
(よかった。神様テレパシーで話しかけてくるからどこにいるかわかんないんですよね)
神「君の力が弱いからな」
(じゃあその弱い私に合わせて姿を見せてくださいよ)
神「君が力を高めればいいだろう?」
(神様が私に会いに来たのに?)
神「その理屈でいくならば、私の姿を見たいのは君なのだから君が私に合わせるべきでは?」
(む……一理ありますね)
神「だろう?」
(でも……私が力をつけるより神様が私に見える姿になる方が早いですよね?)
神「それはそうだろうな」
(じゃあやっぱり神様が姿を見せてください。その方が私が力をつけるよりもずっと早く目を見て会話ができるじゃないですか)
私は言葉を区切ると勘で横を見上げて「ね?」とこてんと首を傾げた。
神「残念だが私はそちら側にはいない。君の斜め後ろにいるからな」
(あちゃー。それこそ残念、ですね?)
神「本当に君はよくもまあそんなスラスラと……はあ、仕方ない。今回は君に丸め込まれてあげよう。何せ私は懐が深いからな」
(さっすが神様、そうこなくっちゃ)
私が神様がいるであろう方向に向かってぐっと親指を立ててウィンクをすれば神様は小さくため息をつくのだった。
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