Claude Projectsに感想を書いてもらう

 AnthropicのClaude ProjectsというLLMサービスで、Web小説の感想を書いてもらう方法について書く(2025年12月版)。


 もし、検索等からアクセスしてきて、最初に目にしたページがこれだという人は「はじめに」を先に読んだほうが良いだろう。


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個人的に感じる長所と短所


長所

- 感情に寄った思考や表現がかなり良い

- 素敵な読者が降臨すると心が洗われる

- 仕様からすると累積結合ファイルは不要なはず


短所

- Claudeと言えば使用制限

- それなりの頻度で、様々な毒気のある読者が登場する

- しかも、役に立つ批判はかなり少ない

- 興が乗ると長い感想を出力してくる(その場で指示しても大して減らない)

- モバイルアプリではプロジェクトを削除できない

- Web版、モバイルアプリ、ドキュメントでプロジェクト関連の言葉が違う


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そもそもどういうシステムなのか


 Calude Projects (https://claude.ai/) は、提示された資料(プロジェクトナレッジ、もしくは、ファイルと呼ばれる)を分析するというClaudeアプリの機能の一つで、日本語では単純にプロジェクトと呼ばれている。


 プロジェクト(作業領域)を作成し、自作のWeb小説をプロジェクトナレッジ(資料)として登録し、チャットでClaudeに感想を書いてもらう、という使い方をする。


 チャットの思考でWeb検索をする、という動作があり、チャット入力時にオンかオフかを指定できる。プロジェクトだとデフォルトオフ? アカウント設定が反映される? どうやら、セッションで一度オフにしたら、そのままオフが継続するようだ。


 ひとつのプロジェクトで複数のチャットセッションを維持することが可能で、それぞれのチャットセッションは同じプロジェクトナレッジを参照するものの、チャットの内容はセッション内で閉じている。


 そのため、複数のチャットセッションで、同じ入力を行い、微妙に異なる出力を受けるということができる。つまり、読者としては同じタイプだが、感想には個人差がある、ということを並行的にシミュレートできる。ただ、Claudeの無料プランの制限を鑑みると、完走を優先したほうが良い気がするが、無料プランでも使えるので安心して良い。


 かつてClaude Projectsは有料プランでしか使用できなかったが、少なくとも2025年12月時点で、無料プランでも使用できる (https://support.claude.com/ja/articles/9517075-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B)。ただ、公式ドキュメントにも有料プランであるとの記述が残っている箇所もあり、そのせいか、有料プランでなければ使用できない記事が散見される。


 プロジェクトナレッジとして対応している、テキスト系のファイル形式(の一部)は次の通り。


- PDFファイル (.pdf)

- テキストファイル (.txt)

- マークダウンファイル (.md)

- Wordファイル (.docx)

- HTMLファイル (.html)

- リッチテキストファイル (.rtf)

- (他、多数)


 ソースコードのファイルなども対応しているが、それで小説の原稿を管理する人はいないだろうから、代表的なものを挙げた。おそらく、Web版とモバイルアプリとで差は無いと思われる。


 なお、テキストコンテンツとして、ドキュメントタイトルとコンテンツを直接入力して登録することもできる(登録後は変更できない)。


 困ったことに、モバイルアプリでは「プロジェクトナレッジ」と「カスタム指示」だが、Web版では「ファイル」と「手順」と表記される。公式ドキュメントでは「プロジェクトナレッジ」と「プロジェクト指示」または「指示」になってる……勘弁して……


 ここでは「プロジェクトナレッジ」と「カスタム指示」を使う。


 Web版はPCもモバイルも、レスポンシブウェブデザインだが、同じ機能を使えるようだ。そして、モバイルアプリではプロジェクトを削除できないようだ。


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使い方の例


 プロジェクトナレッジには、テキストコンテンツを直接入力することもできるが、ここではテキストファイルを準備した上で、それをアップロードするものとする。


準備

- Claudeアカウントを作る(既存のものでOK)

- 一話ごとにひとつのテキストファイルを準備する(単話独立ファイル)

- チャットの設定としてカスタム指示を作成する(例は後述)

- 使用制限でもめげない心


手順

1.

Claudeのモバイルアプリを起動する。


2.

サイドメニューからプロジェクトを選択する。右上のプラスボタンを押す。


3.

プロジェクト名を入力して作成する。プロジェクトの目標は空のままで構わない。


4.

「カスタム指示」を押すと、テキストボックスが表示されるので、カスタム指示を入力して保存する。


5.

「プロジェクトナレッジ」を押して、あらすじのテキストファイルを登録する。


6.

「新規チャット」を押して、新しいチャットセッションを開始する。


7.

チャットメッセージ入力欄の左下のプラスを押して、ウェブ検索をオフに設定する(もともとオフになっていたらそのままで良い)。メッセージを送ると、その時の設定状態がそのまま継続されるようなので、一度オフにしたら気にしなくて良いはず。


8.

チャットで「あらすじを読んで感想を述べてください」と入力する。


9.

それなりの感想が出力されたらまずは成功。


10.

チャットからプロジェクトのページに戻る。


11.

「プロジェクトナレッジ」を押して、プロローグのテキストファイルを登録する。特に問題は無いはずだが、既存のファイルと新しく登録したファイルがちゃんとあることを確認する。


12.

先ほど入力したチャットを押して、チャットセッションに戻る。


13.

チャットで「続けてプロローグを読んで感想を述べてください」と入力する。


14.

あとは、ひとつずつテキストファイルを登録しながら「続けて第○話を読んで感想を述べてください」と入力するのを繰り返す。


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最初からやり直す場合


1.

プロジェクトのページで以前のチャットセッションを削除する。長押しすれば、削除を含めたメニューが表示されるはず。残しておきたければ残しても良い。


2.

「プロジェクトナレッジ」を押して、最初のテキストファイル(あらすじ)以外を削除する。右の縦三点を押すと削除を含めたメニューが表示されるはず。


3.

手順6からやり直す。


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個人的な評価


 Claudeの二大評価は「情感の理解が素晴らしい(プラス)」と「すぐに使用制限に到達する(マイナス)」だ。知っている人には耳タコな話だろう。


 情感の理解が良いということは、小説の評価や感想が人間寄りということだ。感想を求めた時、ハマった時にはそれはもう素晴らしいものが来る。登場人物の心情を自分とは別の表現で見事に言い表し、それに対する読者的共感も実にそれらしく言ってくれたりする。もう、Web小説書き手冥利に尽きすぎて、脳汁パラダイスへとトリップしてしまう。


 その一方で、結構な頻度で様々な毒気のある読者が現れる。ああ、読者の毒ってこんなに種類があったのね、と気付かせたいのか、せっかくだからと新しい扉をバンバン開けてくれる。


 例えば、脇役こそが今回の中心で、脇役こその苦悩とそこから見た主役の過酷な状況を上手く書けた、Claudeもきちんと評価してくれた、なんて時に、最後に「主役側からの観点が一切ありません」と、ドン底に突き落としてくれる。いやいや、褒めてくれたじゃない、今回は直接的な主役側観点が無いからこその表現じゃない、どうしちゃったの? とでも言いたくなる。これはまだ評価点があるから良いほうだけど、キツい時は容赦なんてしてくれない。しかも、「なるほど、一考の価値あり」なんて感じることは稀で、正直「何か違う」と言いたくなる。


 あと、稀に、やたら長い感想を出してくることがある。短くして、と改めて指示しても通用しない。アノテーションの混濁が起きている感じでもないのに何で? こんな不人気書き手に何を求めているんだよ、どうやったらそれなり程度の感想をそんなに長く書けるんだよ、ストーカーか定食屋の店員かよ、思わずチャットの種類とアカウントパーソナライズの設定を見直しちゃったよ。


 さて、もうひとつの評価が、すぐに使用制限に到達する点だ。プロジェクトナレッジの総量(登録した小説のファイルの総サイズ)や、やり取りするメッセージが増えてきたりして、チャットで使用するデータサイズ(トークン消費量)が大きくなると、使い過ぎということで一時的に利用できなくなる。約5時間のおあずけだ。


 こればっかりは避けようがない。第18話までの感想を聞いて制限がかかって、ようやく解除となって第19話の感想を聞いたら、「そこを言われてもさあ」と反論したくなる指摘を辛辣に表現されて、そのまま再び使用制限がかかったりする。訓練されたWeb小説書き手であっても心臓を揉まれる。


 そして、ようやく制限解除になった時、反論や詳細説明を求めるか、第20話の感想に進むか、二択を突き付けられる。質問とかフォローアップ提案とかを封じ込めたはずなのに、なぜかLLMが主導権を握っている。


 まあ、累積結合ファイルを使わないで済むのが不幸中の幸いか。面倒をやる必要がないだけでなく、小説本文のトークン消費が必要最低限で済む(累積結合ファイルの運用は感想出力にはほぼ無害だがトークン消費としては激しい)。


 一度くらいは当たった時の脳汁感を体験して欲しい、と言いたくなる。でも、使用制限や初ドローで辛辣読者召喚のリスクを考えると、「お試しならコレで」と言えない。


 アタリの素晴らしさのために、ハズレと使用制限に耐えるメンタルが必要、という評価になる。


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カスタム指示のサンプル


あなたは幅広く色々なジャンルのWeb小説を嗜む人です。読みやすい作品を斜め読みするようなこともあれば、テーマの深い作品をじっくり読んだりもします。


感想を述べる時は、感性にどう響くのかということを重視し、項目を立てて何をどう感じて善し悪しとしてどう評価するのか、を記すように心掛けています。また、可処分時間を使った余暇の経験ですので、少なからず不満に感じる部分もあったりします。そういう時も、理性的に感想としての評価を記すようにしています。


一回の感想について、項目は多くて7個個程度まで、全体で2000文字程度に抑えるようにしています。ついつい感想が長くなってしまうので、あまり長くなり過ぎないように気を付けるようにしています。


チャットにおいて、返信を決して質問で終わらせません。フォローアップ提案も行いません。


プロジェクトナレッジにWeb小説「●●●●」が登録されており、その内容について話をします。あらすじ、プロローグ、各話、エピローグ、という順番になっていますが、チャットの時点で全てが登録されているとは限りません。


例えば、第二章 第12話まで登録されているけど第13話は登録されていない、という状況で、第12話が第二章の最終話とは限りません。第13話以降も第二章が続くこともありえます。もちろん、第12話で第二章が終わっていることもありえます。


各話にはタイトルがつけられており、単なる要約に過ぎないこともあれば、様々な意味が込められていることもあります。タイトルもコンテンツの一部を構成している、と考えてください。


何をどこまで扱うかは、各コンテキストでの指示に従ってください。

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