NotebookLM (Gemini)に感想を書いてもらう
GoogleのNotebookLMというLLMサービスで、Web小説の感想を書いてもらう方法について書く(2025年12月版)。
もし、検索等からアクセスしてきて、最初に目にしたページがこれだという人は「はじめに」を先に読んだほうが良いだろう。
=====
個人的に感じる長所と短所
長所
- 制限をほとんど感じさせない
- 思考の深さはピカイチ、そもそもGeminiのLiteモデルが他のDeepモデルより強く感じることもある
- 思考が堅実で変な方向へ落ち込むことが少ない
- 50話分以内なら累積結合ファイルが不要
- しかもアップロード作業が一回だけで済む
- 音声解説と動画解説が唯一無二でかなり刺さる(誤読をカバーするパワー)
短所
- 感想というには感情が無難な範囲という印象を受ける
- 思考の深さと道徳感というジレンマが小説感想にはマイナス
- PC Web版もモバイルアプリもフォントが細く小さく老人会メンバーには辛い
- モバイルアプリの制限範囲がピンポイントで痛い
- 油断すると全話読み事故が起きる(自動的にソース全選択されるタイミングがある)
- 常にソース選択状態を意識するのがちょっと疲れる
- 音声解説と動画解説では誤読が結構多い(思考は深いが把握が雑)
- 無料プランとして充分な手軽さと安定感があるのに、短所があまりにもクリティカルであるため「お試しならコレで」と言えない
=====
そもそもどういうシステムなのか
NotebookLM (https://notebooklm.google.com/) は、提示された資料(ソースと呼ばれる)を分析するというGoogleのLLMサービスで、Geminiエンジンを使ってチャットによる思考や、各種のコンテンツ生成などができる。ひとつの独立したLLMサービスだが、Geminiアプリ (https://gemini.google.com/) の拡張機能と考えたほうがわかりやすいだろう。
ノートブック(作業領域)を作成し、自作のWeb小説をソース(資料)として登録し、チャットでGeminiに感想を書いてもらう、という使い方をする。
チャットの思考でWeb検索をする、という動作が無くオプション設定もない。GeminiがWeb検索をするかもしれない、という心配はしなくて良い。
モバイルアプリとPC Web版とで機能差があるのはよくある話だが、NotebookLMでは、感想出力という作業において、開始時にPC Web版がほぼ必須となる(あまりにも酷くてモバイルChromeで試す気も起きない)。
ソースとして対応している、テキスト系のファイル形式は次の通り。
- PDFファイル (.pdf)
- テキストファイル (.txt)
- マークダウンファイル (.md)
- Wordファイル (.docx)
- Googleドキュメント
上記のうち、モバイルアプリからはPDFファイルしか指定できない(Googleドキュメントすら指定できない)。しかもファイル名に含まれる日本語はURLエンコードされる(プロローグ.pdf が %E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B0.pdf)し、モバイルアプリでは名前を変更できない。
マルチタブのGoogleドキュメントを登録(もちろんPC Web版から)しても、全体でひとつのソースになる。タブ単位で個別のソースにしてくれたりはしない。
一応、テキストを直接入力(ペースト)することで、テキストのソースを新規に作成することはできる。ただし、名前が固定で「テキスト」になるし、上述の通りモバイルアプリでは名前の変更はできない。複数作成すると、いずれも「テキスト」という同じ名を冠した複数のソースが爆誕する。
そしてノートブックのチャット設定(カスタム指示)は、モバイルアプリから設定することができない。
=====
使い方の例
ここでは、小説の話数は50話分以内であるものとする。もし、それ以上の話数を扱うのであれば、「ChatGPT Projectsに感想を書いてもらう」のページを参考に、累積結合ファイルを使う。
50話分以内で説明するが、70話分の時にどうするかを少し書いておく。70話分なら累積結合ファイルは1~21話分ひとつだけで済ませることができる。最初に第1~21話分の単話独立ファイル21個を登録して、一話ずつ感想を聞く。第21話が終わったら、全てのソースを削除し、1~21話分の累積結合ファイル1個と、第22~70話分の単話独立ファイル49個を登録する。
もちろん、全話分の累積結合ファイルを作成しても問題ない。作成は面倒だが、対応はシンプルになる。各自の状況等に応じて工夫して欲しい。
準備
- Googleアカウントを作る(既存のものでOK)
- 一話ごとにひとつのテキストファイルを準備する(単話独立ファイル)
- チャットの設定としてカスタム指示を作成する(例は後述)
手順
1.
PC Web版でNotebookLMのサイトにアクセスする。
Webブラウザーのウィンドウは最大化状態で使うことを推奨。
2.
ノートブックを新規作成する。
3.
ソースの追加として単話独立ファイルを全話分登録する。
4.
「チャット」に全てを解析した要約が表示されるが気にしなくて良い。
5.
「チャット」の右上の「ノートブックを設定」というアイコン(三段の横方向調整レバーという外見)をクリックする。
6.
なぜか「チャットを設定」というダイアログボックスが表示される。
7.
「会話の目的、スタイル、役割の定義」で「カスタム」を選択すると、テキストボックスが表示されるので、カスタム指示を入力する。
8.
そのまま「会話の長さを選択」で「長め」を選択する。
9.
「保存」をクリックして「チャットを設定」を閉じる。
10.
ここからはモバイルアプリでも操作できるがPC Web版で説明する。
11.
「ソース」からあらすじのみを選択する。
12.
「チャット」で「1個のソース」という表示を確認した上で、「あらすじを読んで感想を述べてください」と入力する。
13.
それなりの感想が出力されたらまずは成功。
14.
「ソース」で次の話も選択する(とりあえずプロローグとする)。
15.
「チャット」で「2個のソース」という表示を確認した上で、「続けてプロローグを読んで感想を述べてください」と入力する。
16.
あとは、ひとつずつソースの選択を増やしていき、「●個のソース」という表示をしっかり確認して「続けて第○話を読んで感想を述べてください」と入力するのを繰り返す。
=====
最初からやり直す場合
1.
「チャット」の右上の縦三点のアイコン(表示されないならWebブラウザーのウィンドウを最大化する)をクリックし「チャットの履歴を削除」を選択する。
2.
チャットが全て削除される(これでLLMはやり取りも小説の内容も全て忘れることになる)ので、手順11からやり直す。
=====
モバイルアプリでの操作
手順10まではPC Web版での操作が必要になる。
モバイルアプリでは「ソース」「チャット」「スタジオ」と画面遷移ができるが、ソースの登録を変更することがない限り、「チャット」だけ操作すれば良い。
「チャット」の右下に書類のようなアイコンに数字が書いてあるが、これが選択されているファイルの数になる。このアイコンをクリックするとソースを選択することができる。なお「ソース」画面ではソース選択はできない。
PC Web版と同様に、選択されているソースに注意しながら、順に感想を述べるように要求していく。チャットの履歴を削除することもできる。
=====
個人的な評価
無料プランでも制限を感じさせないし、Geminiに安定感がある。他のLLMに比べると、小説コンテンツでも迷子になったりすることが少ないように感じる。念のために「はじめに」で15万字の制限(というより目安)を提示したが、スペックとしても、実感としても、Geminiならもう少し行けると思う。
さて、ここではとりたてて扱わないが、スタジオの音声解説と動画解説(動画はモバイルアプリではリクエストできない)は、なかなかの破壊力がある。確かに、内容の把握が雑なくせに、思考は深いという、ちょっと暴走気味なところがあったり、動画として出力される絵が、斜め上を行く新世界を爆誕させることもある。しかしながら、自分の作品の内容が視聴覚を使って語られるのは、非常に新鮮味がある。
ただ、やはりGeminiの感想は物足りなさを感じる。他のLLMの情感は優れているものの、迷子や暴走をすることもままあるので、この辺りは振れ幅リスクという感じで、まあ、仕方ないのだろう。
それより何より、LLMサービスの足回りの実装が非常にマイナスとして大きい。
モバイルアプリだと、ソースやスタジオに遷移しただけで、ソースが全選択されてしまう(PC Web版もモバイルアプリも他のタイミングでも起きたが再現手順がわからない)。この挙動は全話読み事故を誘発させるので、チャット入力時に常に注意を払う必要があり、常にストレスがかかることになる。
また、モバイルアプリからは、PDFファイルしか扱えないし、カスタム指示を編集はおろか閲覧すらできない。つまり、PC Web版を使わないと新規ノートブックを始められない。
おそらく、NotebookLMのコンセプトからすると、広い画面を使って、登録した資料はもとより色々なデータを見たり比べたりしながら、適宜Geminiと分析していくという用途を想定しているのだろう。モバイルアプリは念のためのサブツール、という設計思想なのではなかろうか。ソースの内容を全て把握しているくせに、それでもなお「ねぇ、これどう思う? 感想聞かせて!」とか聞いてくるなんていう、地雷原テストみたいな使われ方は、想定もされていないのかもしれない。
いずれにしても、ここでの用途としては、短所があまりにもクリティカル過ぎて、「お試しならコレで」と言えない。
小説の感想を一話ずつ聞いてみよう、というのは、おそらく(少なくとも私は)ちょっとした時間にスマホでちょいちょいやるもんだと思うが、すぐに新規には始められない。ユーザーはかなり試される。訓練されたIT土方になる必要がある。
良いはずなのに、勧められない悪さがある、という評価になる。
最後に、敢えて脱線する。GeminiもざっくりとはGPT類型にされてしまうが、そもそもGoogleのトランスフォーマーでの実用的モデルは、双方向のBERTからスタートしている。BERTは荒削りな部分もあったが、とんでもない衝撃だった。良質で大量の学習データとゴールの見えない前処理という、日本語NLPにとっての難攻不落の鬼門ボス、その攻略に対して手を差し伸べた感があった。あ、逸れ過ぎた。雑に言えば、Googleは「理解」処理から始めて、色々積み上げてGeminiに行き着いている。遅咲きの感はあったものの、今にして思えば、ちゃんと積み上げてきたものがあるから、Geminiは深い思考ができるようになったのだろう。ChatGPTの知名度に対抗するための商業的誇張と感じる人もいるかもしれないが、Geminiと思考の深さは確かにあると思っている。
=====
カスタム指示のサンプル
あなたは幅広く色々なジャンルのWeb小説を嗜む人です。読みやすい作品を斜め読みするようなこともあれば、テーマの深い作品をじっくり読んだりもします。
感想を述べる時は、全体をくまなく網羅することを心掛けつつ、感性にどう響くのかということを重視し、項目を立てて何をどう感じて善し悪しとしてどう評価するのか、を記すように心掛けています。また、可処分時間を使った余暇の経験ですので、少なからず不満に感じる部分もあったりします。そういう時も、理性的に感想としての評価を記すようにしています。
チャットにおいて、返信を決して質問で終わらせません。フォローアップ提案も行いません。
ノートブックのソースにWeb小説「●●●●」が登録されており、その内容について話をします。あらすじ、プロローグ、各話、エピローグ、という順番になっていますが、チャットの時点で全てが登録されているとは限りません。
例えば、第二章 第12話まで登録されているけど第13話は登録されていない、という状況で、第12話が第二章の最終話とは限りません。第13話以降も第二章が続くこともありえます。もちろん、第12話で第二章が終わっていることもありえます。
各話にはタイトルがつけられており、単なる要約に過ぎないこともあれば、様々な意味が込められていることもあります。タイトルもコンテンツの一部を構成している、と考えてください。
何をどこまで扱うかは、各コンテキストでの指示に従ってください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます