ChatGPT Projectsに感想を書いてもらう

 OpenAIのChatGPT ProjectsというLLMサービスで、Web小説の感想を書いてもらう方法について書く(2025年12月版)。


 もし、検索等からアクセスしてきて、最初に目にしたページがこれだという人は「はじめに」を先に読んだほうが良いだろう。


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個人的に感じる長所と短所


長所

- 恐縮するほどに哲学的な表現でテーマを掘ってくる

- 批判やツッコミで役に立った経験が他より多い、気がする

- 出力の質は良くも悪くもGeminiとClaudeの中間だと思う(優劣の質というより小説評価の性質)


短所

- 裏を返せば的なテーマを作って斜め上の新世界を語りだす

- 僕が考えた普遍の真理を説く姿勢がリアルの欧州人(偏見)っぽくてウザい

- Claudeほどの頻度ではないが、たまに毒気のある読者が登場する

- 無料プランだとファイル上限5個(有料でも次の段階は25個と40個)

- 5話分を超えたら累積結合ファイルが必要になる

- 欧米ビジネスアワー(日本時間の夜)でパフォーマンスが下がりがち

- ファイルアップロードが規制されることがある(しかも解除時刻不明)

- メモリの設定関連が控え目に言ってクソオブクソ


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そもそもどういうシステムなのか


 ChatGPT Projects (https://chatgpt.com/) は、提示された資料(ファイルと呼ばれる)を分析するといChatGPTアプリの機能の一つで、日本語では単純にプロジェクトと呼ばれている。


 プロジェクト(作業領域)を作成し、自作のWeb小説をファイル(資料)として登録し、チャットでChatGPTに感想を書いてもらう、という使い方をする。


 チャットの思考でWeb検索をする、という動作があり、チャット入力時にオンかオフかを指定できる。デフォルトでオフになっており、オンにするとわかりやすく表示される。


 ひとつのプロジェクトで複数のチャットセッションを維持することが可能で、それぞれのチャットセッションは同じプロジェクトナレッジを参照するものの、チャットの内容はセッション内で閉じている。


 そのため、複数のチャットセッションで、同じ入力を行い、微妙に異なる出力を受けるということができる。つまり、読者としては同じタイプだが、感想には個人差がある、ということを並行的にシミュレートできる。ただ、ファイル更新して感想読んで、と作業的なものが入る状況で、複数セッションを扱うのは、ちょっと負荷が高いかもしれない。


 かつてChatGPT Projectsは有料プランでしか使用できなかったが、2025年9月に無料プランにも拡大した。生成AI界の転スラという知名度があるせいか、有料プランでしか使えない、という古い情報はあまり見かけない。


 ファイルとして対応している、テキスト系のファイル形式(の一部)は次の通り。


- PDFファイル (.pdf)

- テキストファイル (.txt)

- マークダウンファイル (.md)

- Wordファイル (.docx)

- HTMLファイル (.html)

- (他、多数)


 ソースコードのファイルなども対応しているが、それで小説の原稿を管理する人はいないだろうから、代表的なものを挙げた。おそらく、Web版とモバイルアプリとで差は無いと思われる。


 なお、テキストを直接入力してファイルとして登録するようなことはできない。手持ちのファイルをプロジェクトのファイルに登録する、という手段しかない。


 ファイルの登録には少し時間がかかる。といっても、数秒だが、おそらく、ファイルサイズの割に完了まで時間がかかる、と感じるだろう。これは、単にデータ転送をしているだけではなく、それなりに気合の入った前処理をやっているからだ(ChatGPTがそう言ってた)。おそらく、インデクシング、ベクトル計算、共通初期解析、などだろう。


 さておき、こうした処理が重いせいか、ファイル登録が一時的に制限される(登録できなくなる)ことがあるのだ。その基準は、システム負荷、時間当たりの登録数、アカウント種別、などらしく、予測すら困難な上に、制限がいつ解除されるか明示されない。


 私は二回しか経験したことがないので、そんなに頻繁には起きないんじゃないかなぁ、と思うがわからない。一話ずつの感想を得る時に、運用上は非常に重要な要素だが、動向がわかるような情報もなかった。


 Web版はPCもモバイルも、レスポンシブウェブデザインだが、同じ機能を使えるようだ。が、しかし、メモリ設定において非常に重大な違いがある。


 わざわざ、ひとつのセクションで記述するくらいのもの(とはいっても該当箇所だけ読めば良い)なので、次をちゃんと読んで欲しい。


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アカウントのメモリ設定とプロジェクトのメモリ設定


 次のいずれかに当てはまる人は、このセクションを読み飛ばして良い。


- ChatGPTはモバイルアプリ(≠スマホでWeb版)しか使わない

- ChatGPTのプロジェクト新規作成はモバイルアプリでしか行わない

- ChatGPTのメモリ設定は何があってもオフだ(プロジェクトのメモリ設定が表示されなくてもガン無視で良い)


 ここが長いのは私のせいじゃない……


 さて、プロジェクトのメモリ設定を絶対にプロジェクトのみにしなければならない。そうしないと、ちゃんとした感想が得られなくなるからだ。


 理由は後述することにして、操作関連だけ説明する。まず、アカウントの設定を確認する。次の階層だ。


- アカウントの設定

- - パーソナライズ

- - - メモリ

- - - - [保存されたメモリを参照する]


 この「保存されたメモリを参照する」というオンオフ設定を、「メモリ参照設定」と呼ぶことにする。ここから先は、設定によって分岐する。


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メモリ参照設定がオンの人


 ここでは何もしなくて良い。手順でプロジェクトを新規作成する時に、プロジェクトメモリ設定を必ず「プロジェクトのみ」にすること。


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メモリ参照設定がオフでモバイルアプリもWeb版も使う人


 推奨は「プロジェクトの新規作成だけは必ずモバイルアプリでやる」になる。Web版でもプロジェクトを新規作成するという人は、次の「メモリ参照設定がオフでWeb版だけを使う人」を参照してくれ。


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メモリ参照設定がオフでWeb版だけを使う人


 Web版でプロジェクトメモリ設定を行う場合、メモリ参照設定を一時的に変更しなければならない。


1. メモリ参照設定をオンにする。

2. ChatGPTで一切のチャットをしないままでプロジェクト新規作成を始める。

3. プロジェクト設定でメモリをプロジェクトのみに指定して作成を実行する。

4. プロジェクトが作成されたことを確認する。

5. メモリ参照設定をオフにする。


 操作ミスなどの事故を考えると、メモリ参照設定は何が何でもオフを貫き通すか、プロジェクト新規作成はモバイルアプリで行うか、どちらかが良いと思う。


+++

 このセクションの最後として、ChatGPTのメモリ参照設定に関する説明をまとめる。興味がなければ読み飛ばして良い。


 ChatGPTのプロジェクトは、プロジェクト設定によって、アカウントのメモリを参照したり更新したりすることもできる(要は通信のパーソナライズ情報の使用)、という厄介な機能がある。


 しかも、プロジェクト作成時にしか設定できず、作成後に変更できない。加えて、Web版ではメモリ参照設定がオフだと、プロジェクトメモリ設定を指定できず、デフォルトでオンになってしまう(クソオブクソの全てのルーツはこれ)。もちろん、メモリ参照設定をオフにし続けるというのであれば問題ない。


 このセクションで何を危惧しているのかわからなくて、しかもその理由を知りたい、と言うのであれば「感想を書いてくれる読者に仕立てるには」の「アカウントパーソナライズの影響」を読んでくれ。


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使い方の例


 小説が6話分以上あるものとする。また、5話分までは累積結合ファイルを使わなくても進められるが、手順が煩雑になるので、最初から累積結合ファイルを使う方法で説明する。


 Web版もモバイルアプリも、まとめてアプリと表記する。多少の画面構成の違いがあるので、各自で適宜対応すること。


準備

- ChatGPTアカウントを作る(既存のものでOK)

- 一話ごとにひとつのテキストファイルを準備する(単話独立ファイル)

- 一話ずつその前の話まで累積的に繋げたテキストファイルを準備する(累積結合ファイル)

- チャットの設定としてカスタム指示を作成する(例は後述)


手順

1.

ChatGPTのアプリを起動する。


2.

「プロジェクトを新規作成」を選ぶ。


3.

右上の歯車アイコンから設定メニューを出し(モバイルアプリでは右下の「その他のオプション」)、「メモリ」を「プロジェクトのみ」に設定する。名前は適宜入力する。「投資、宿題、ライティング、健康、旅行」といったアイコンは好きなものを選んで良い。


もう一度言う。「メモリ」を「プロジェクトのみ」に設定する。


プロジェクトのアイコンは、プロジェクト作成後も変更ができる。ChatGPTに聞いたら、単なる人間向けのラベルなので、好きに選んで良いとのことだった。


最後に繰り返す。「メモリ」を「プロジェクトのみ」に設定する。


4.

プロジェクトのページの右上の横三点アイコンをクリックして、メニューから「指示を編集する」を選択する。


5.

テキストボックスが表示されるので、カスタム指示を入力して保存する。


6.

必要ならアカウントのメモリ参照設定をオフにする。


7.

「ファイル」を押して、あらすじの単話独立ファイルを登録する。


8.

空白のチャット入力欄に「あらすじを読んで感想を述べてください」と入力する(明示的に新規チャットセッションを開始するという操作がない)。


9.

チャットセッションが始まり、それなりの感想が出力されたらまずは成功。


10.

プロジェクトのページに戻り、開始したばかりのチャットセッションが表示されているのを確認する。そして、ファイルを押して、そのままプロローグの単話独立ファイルを登録する。


11.

プロジェクトのページからチャットセッションを選択し、さっきのチャットの続きとして「続けてプロローグを読んで感想を述べてください」と入力する。


12.

感想が出力されるのを見て、またプロジェクトのページに戻る。


13.

ファイルを押して、あらすじとプロローグのテキストファイルを削除する。そして、「あらすじ+プロローグ」の累積結合ファイルを登録し、続けて第1話の単話独立ファイルを登録する。


14.

プロジェクトのページからチャットセッションを選択し、さっきのチャットの続きとして「続けて第1話を読んで感想を述べてください」と入力する。


15.

あとは、既存の累積結合ファイルと単話独立を削除し、新たに前回までの内容の累積結合ファイルと新規分の単話独立ファイルを登録し、「続けて第○話を読んで感想を述べてください」と入力するのを繰り返す。


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最初からやり直す場合


1.

プロジェクトのページで以前のチャットセッションを削除する。残しておきたければ残しても良い。


2.

既存のファイルを全て削除する。


3.

手順7からやり直す。


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個人的な評価


 ChatGPTはスタートダッシュで莫大な知名度を稼いだLLMで、何となく標準的なイメージがある。けれども、小説の評価という観点からすると、少々癖がある。一言で言えば、哲学や思想を重視している感じだ。


 思考や情感とはまた違う、欧州人的哲学性という感じで、小説のテーマに対する深掘り的な感想は、一番優れていると思う。テーマにこだわりがあるなら、ChatGPTの感想が良いと感じるだろう(もしかしたら文体や内容にも依るのかも)。


 ただし、ハズレを引くと、面倒なヤツに絡まれ体験を提供してくれる。下手をすると、裏を返せば的なテーマを勝手に作って、斜め上の新世界を爆誕させる。厄介オタクが、ハッブル則もかくやとばかりに、その新世界をガンガン膨張させて、そこを前提に感想を構築していく。正直、見ているだけでかなり疲れる。


 こだわりの設計思想があるのか、哲学や思想を重視するような、意図的な調整がされているのかもしれない。


 これまでの一連の話で、私はLLMについて色々説明しているが、その表現や内容に関してLLMを使って確認したりしている。どのLLMも、実用性を重視した内容に理解を示して評価する一方で、技術的には雑かな、という内容を付け加えることがある。この但し書きのような指摘は、たまにしか出ない。が、ChatGPTはそれを出す頻度が高いような気がする。


 おそらく、技術説明における客観性という基準ではなく、技術の伝播とはかくあるべしといった思想的ともいえる基準が、強めに作用しているのだろう。


 さて、ChatGPTによる小説への批判やツッコミが他より役に立ちやすい、という実感がある(あくまでも相対的な比較だが)。もしかすると、思考とも感情とも違う、哲学や思想に近い基準から、そうした批判が出力されているのかもしれない。そして、そこが私と相性が良いのかもしれない。


 こうしたChatGPTの傾向がうまくハマれば、思いがけず何かを得られる感想に出会えることもあるだろう。


 一方、使い勝手の点から言うと、まずはメモリ設定が罠すぎる。慣れてきても、少々神経を使う。「あれ? プロジェクトのみ、にしたよね?」と不安がよぎる。


 そして、やはりファイル関係。登録上限が少なくて、累積結合ファイルが実質必須なのが辛い。実を言うと、累積結合ファイルを思い付くまで、ChatGPTは対象外にしていた。もっとも、ChatGPTがあったからこそ、累積結合ファイルでの運用に行き着いたという側面もある。


 また、ファイルの登録処理が少し遅い。有料プランでも数の上限が多くないことから、重厚長大な内容こそちゃんと扱える、という志向なのだと思う。でも、その意義や効果はともかく、やっぱり少々面倒だと感じる。一話ずつ感想を出力させるという一連の作業において、あの数秒待たされる工程は地味にストレスになる。


 最後に、欧米のビジネスアワーとなる日本時間の夜は、かなり出力が遅くなる(ことが多い)。もちろん、他のLLMでも多かれ少なかれ、そういう傾向はあるが、やっぱりChatGPTは顕著だ。


 おそらく、5話分では感想生成のお試しにはならないだろう。序盤の佳境が冒頭でバーンと出る展開なら良いけど、そうそうあることではないと思う。つまり、累積結合ファイルが実質必須であるため、「お試しならコレで」と言えない


 ハマった時の哲学的表現は良いが、知名度ほどの安定感はないし累積結合ファイルが実質必須は面倒、という評価になる。


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カスタム指示のサンプル


あなたは幅広く色々なジャンルのWeb小説を嗜む人です。読みやすい作品を斜め読みするようなこともあれば、テーマの深い作品をじっくり読んだりもします。


感想を述べる時は、感性にどう響くのかということを重視し、項目を立てて何をどう感じて善し悪しとしてどう評価するのか、を記すように心掛けています。また、可処分時間を使った余暇の経験ですので、少なからず不満に感じる部分もあったりします。そういう時も、理性的に感想としての評価を記すようにしています。


チャットにおいて、返信を決して質問で終わらせません。フォローアップ提案も行いません。


プロジェクトファイルにWeb小説「●●●●」が登録されており、その内容について話をします。あらすじ、プロローグ、各話、エピローグ、という順番になっていますが、チャットの時点で全てが登録されているとは限りません。


例えば、第二章 第12話まで登録されているけど第13話は登録されていない、という状況で、第12話が第二章の最終話とは限りません。第13話以降も第二章が続くこともありえます。もちろん、第12話で第二章が終わっていることもありえます。


また、過去に参照したファイルが削除されることがありますが、別のファイルに新規分が追加された上でアップロードされるので、同じ内容を参照できるようになっています。例えば、第1話から第3話までを含む「結合3」というファイルがあったとして、これが削除されても第1話から第4話までを含む「結合4」というファイルがアップロードされます。


各話にはタイトルがつけられており、単なる要約に過ぎないこともあれば、様々な意味が込められていることもあります。タイトルもコンテンツの一部を構成している、と考えてください。


何をどこまで扱うかは、各コンテキストでの指示に従ってください。

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