第2話

朝7時アラームの音で目が覚めた。すると部屋の角にいた僕の代わりはリビングに向かって動き出した。普通に過ごせているみたいだ。僕は家族から挨拶すらされない。本当に見えていないみたいだ。8時までに身支度を済ませよう。いつものバッグに最低限の荷物を詰めコンビニに向かった。そこに奴はいた。やはり昨晩は夢では無かったようだ。「来てくれたんだね。これからどうしようか」「まず駅に向かえばいいと思う。バスに乗って行こう」。2人?でバス停まで歩き出したがいいものの会話が無い。コンビニからこいつは一言も発さずに黙々と歩いている。だんだん不気味に思えてきた。こいつはなんなんだ?妖怪や幽霊の類なのか?ならばなぜ仕事と言って僕を誘い出したのか?考え出したら聞きたいことが山ほど出てきた。だがなんだか怖くて話しかけれずじまいだった。バス停に着くと丁度バスが来た所だが出勤、通学時間と被ってしまい、もうバスには人は入れそうに無い。「次のバス乗ろうか」と僕が言うと「待って」と言われた。アタリがそっとバスに触れる。「早く乗ろう」と言われた。言われるがままにバスに乗るとバスの中ががらんとしていた。僕が首を傾げていると「座らないと危ないよ」と言われ慌てて隣に座った。バスの中は誰もおらずまるで大晦日の昼間のようだった。「なんでこんなことができたの?」深い沈黙の池に小石を投げる。「君にやったものと同じようなものだよ。そんな特別なものじゃあない」...会話が終わってしまった。僕が投げた池への小石は波を立てられなかったようだ。隣にいるアタリの横顔を眺めてみる。よく見るとアタリを構成しているぐるぐるは少しずつ動いているように見える。ジッと見つめているとだんだんと引き込まれて行く。「もう着いたんじゃない?」その言葉で現実に戻された。バスを降り駅前に着いた。駅前はいつも通りでいつも通りじゃ無いのは僕だけだった。

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輪廓 @7a2irI33

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