第49話
魔王城の東翼、光が差し込む書斎の窓辺で、13歳のリリアは小さな光の球を手のひらで回していた。
髪には青と銀の華やかな飾りが結わえられ、光を受けてちらちらと輝く。
肩より少し下まで伸びた薄茶色の髪は軽やかに揺れ、以前よりも大人びた雰囲気を醸し出していた。
「シオン、次はこの光の玉を防御陣形に応用してみよう」
声には子どもらしい天真爛漫さは残っているが、以前のような単純な無邪気さだけではなく、考えながら話す落ち着きも加わっている。
シオンは庭の石段に立ち、身長が伸びて大人びた体格になったが、見た目のあどけなさはそのまま残っている。
「……わかった。じゃあ、俺は陣形の構築を手伝う」
シオンは慎重に光の玉の動きを予測し、陣形の配置を考えている。
彼は魔法自体はまだ触れられないが、理論的に組み合わせることに取り組んでいた。
一方のリリアは、主に光と風の属性魔法を応用して防御陣形を作る練習。回復魔法も同時に組み込むことで、戦場でも即応できるように訓練している。
庭には小さな光の球が浮かび、風に揺れる葉のようにゆらゆらと動く。
「ふふ、いい感じに揺れてるね!」
リリアは微笑み、シオンに目線を向けた。
「シオンも手伝ってくれるともっと上手くいくよ」
「もちろんだ」
骨たちは少し離れたところから、カタカタと笑いながら見守る。
「お嬢様、今日も素晴らしい動きです」
「ありがとう、みんな!」
リリアは手の中で光の玉をくるくると回し、陣形の中心に置く。
シオンは身長が伸びた分、手元の陣形の微調整もスムーズになり、以前よりも頼もしくなった自分を感じる。
「ふふ、これで防御も回復も同時にできるね!」
リリアの笑顔に、胸がぎゅっとなるシオン。
朝の光と風、光の玉が揺れる庭、リリアの成長した姿、そしてシオンの大きくなった背。
魔王城の生活は、13歳になった二人にとって、尊く胸が締め付けられる日常で満ちていた。
庭の端で見ていた魔王は、シオンのことをよく思っていないが、シオンを追い出したらリリアが悲しむこともわかっていたのでなんやかんやずっと遊ぶのを許可している
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