第42話
王国への怒りの仕事を終え、魔王は静かに城へと戻った。
骨たちがリリアを抱きしめ、安堵の笑みを交わす。
「お嬢様……よく耐えられましたね」
鎧を脱ぎ、骨の手に支えられたリリアは、魔王城の温かさを久しぶりに感じていた。
2年間で少し大きくなったリリアの姿は、小柄ながらも幼さを残す愛らしさが増していた。
肩より少し下で軽く揺れる薄茶色の髪は、骨たちが丁寧に整え、微かに輝きを帯びている。
ピンクがかった赤い瞳は、好奇心と天真爛漫さを残しつつ、どこか大人びた落ち着きを見せるようになった。
服装は依然として実用重視だが、骨たちの手で少しアレンジされ、可愛らしさと機能性を両立している。
「……お嬢様、お食事の時間です」
骨たちの声でリリアははっと目を覚ます。
「はーい、みんな、ありがとう!」
天真爛漫な声に、骨たちは思わずカタカタと笑う。
小さな笑顔が、魔王城全体に温かい空気を運んだ。
その後、修行や掃除、軽い魔法の練習も始める。
リリアはまだ無自覚でチートな力を持っているが、骨たちはその能力に驚きながらも、優しく見守る。
「お嬢様、その杖の振り方……ちょっと力が強すぎますよ」
「あはは、そう? でも面白いからいいや!」
無邪気に笑うリリアの姿に、骨たちは思わず「さすがお嬢様」と声をそろえる。
魔王も遠くから見守り、困り眉ながらも微笑む。
「…相変わらずだな……」
日常の中での小さな騒動も、リリアの成長でより和やかに見える。
食事中にこぼしたスープを魔法で片付けたり、ちょっとしたギャグで骨たちが慌てたり。
そんな些細な日常の一瞬一瞬が、リリアの笑顔と魔王の愛で満たされていく。
城は禍々しい外見ながらも、今は平和でほのぼのとした空気に包まれていた。
リリアは小さな手で魔王の袖を握る。
「お父様、今日も一緒にいる?」
魔王は困り眉を寄せつつ、力強く頷く。
「もちろんだ、ずっとだ」
骨たちの「お嬢様」との呼び方と、魔王の溺愛が、城全体を優しい空気で包み込む。
2年間の苦難を経た少女は、ようやく安全で幸せな日常に戻ったのだった。
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