第39話
長い長い旅路の果て、骨たちは洞窟の入り口に辿り着いた。
2年という歳月――途方もない距離と険しい地形を越え、ようやくだ。
「……ここだ……」
鎧を着た骨たちは、震える手で扉を押し開ける。
その先には、かすかな光の反射。
そして――遠くで、洞窟奥で魔王が検査を終えようとしていた。
魔王の赤黒い瞳が骨たちを捉え、瞬間に洞窟全体の空気が引き締まる。
「……お前たちか」
低く響く声に、骨たちは身を強く引き締める。
「はい……リリア様の状況を……!」
焦りと使命感が声に滲む。
魔王の眉が険しく寄る。
「……さらわれた……だと……」
洞窟の奥で、魔王の怒りが静かに、しかし確実に燃え始めた。
骨たちは状況を説明する。
「魔力封印され、王国に拘束され……長期間の労働や屈辱を受けています」
魔王の瞳が光り、奥底から怒りが迸る。
「……その計画を立てたのは誰だ……!」
言葉の一つひとつに重みがあり、洞窟内の岩が微かに震えるほどの威圧感だった。
骨たちは立ち尽くすしかない。
魔王は一歩、また一歩と洞窟の奥に進む。
「……リリア……何をされた……」
無言のうちに、魔王はリリアのことを思うだけで心が締め付けられる。
その視線の先には、2年間の屈辱に耐えてきた少女の影――まだ見えないが、骨たちが伝える声で状況を理解する。
「……よくぞ耐えたな、リリア」
魔王の声は低く震え、怒りだけでなく、深い溺愛と安堵が混ざる。
骨たちも、その視線の奥にある愛情に圧倒される。
洞窟の奥深くで、魔王と骨たちが手を取り合い、リリアを救う準備を始めた。
王国側がどれほど慢心していたか――この瞬間、すでに破滅の序曲が始まっている。
夜の洞窟に、重く、しかし確かな決意が満ちる。
魔王の怒りの炎は、これから王国側を徹底的に破滅させるために燃え広がろうとしていた。
そして、2年間耐えてきたリリアの小さな心の光も、今、救いの光として膨らみ始める――
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