第28話
魔王の日記ーーーーーーー
今日は、またリリアが中庭で遊んでいた。
紙の弟を宙に浮かべ、光をはじき、小石をふわりと跳ねさせる。
無邪気な笑顔を見ていると、ついこちらの緊張も解けそうになるが……いや、油断は禁物だ。
この子の力は規格外だからな。
骨たちは今日もカタカタと騒がしい。
「お嬢様……また植木鉢が飛んでいきます!」
「でも楽しそう……!」
彼らは全力で守ってくれるが、どうしても笑いが止まらないらしい。
正直、私も少しだけ微笑んでしまった。
リリアは今日、光の球を紙の弟の上に置いて遊んでいた。
「わーい、浮かんだ!」
小さな振動が中庭の植木鉢に届き、骨たちは慌てて押さえる。
「お嬢様……力を加減してください!」
「でも楽しそう……!」
……本当に、加減という概念が存在していないようだ。
ふと見れば、リリアは少し言葉遣いが落ち着いてきた。
以前より丁寧になったが、瞳の輝きは変わらず天真爛漫。
ああ、油断ならん。規格外の力を持ちながら、この無邪気さ……。
時折見せる笑顔に、思わず守りたくなる気持ちが湧く。
困ったものだ。
外界では勇者が撤退したらしい。
報告を聞いて、少しだけ安心した。
だが、これからも油断は禁物だ。
あの子の力を侮る者は、すぐに吹き飛ぶだろう。
……いや、実際に見た者は、もうすでに身をもって知っているかもしれんが。
今日は、リリアが「もっと遊ぼう!」と叫んで、紙や光が舞う中庭で跳ね回っていた。
骨たちは全力で支え、私は微かに防御結界を整える。
困り眉を浮かべつつも、どこか楽しげに見守っている。
……油断ならんが、やはり目を離せない。
リリアが成長していく様子を、今日も静かに見届けていた。
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