第2話 グレた勇者御一行とご対面

 ってなわけで。

 私は、今なぜ。

 バッファローみたいな、モンスターに追われているのでしょうか。

 

 「もぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 「プリーズ、ストップ!!!!」


 ここで。

 私は、一つ気づきました。

 気づいてしまったのですよ。

 目の前が−−。

 断崖絶壁であると言うことに。


 「ぎゃああああ!!崖ェェェ!?!?」

 追い詰められた。

 まずい。

 バッファローモンスターは、逃さないゾッ!みたいな顔をしている。


 逃がそうぜ!?そこは!!

 「はぁぁぁぁ…死にたくねー…」

 じりっじりっと、バッファローモンスターは、距離を詰めてくる。

 なるほど。

 逃す気は、ないんですか。


 「あー…もー…ヤダァ…。」

 これは。

 仕方がないのだろう。

 ウン。

 −−お母さん、ごめんなはい。

 私、ヤンキー卒業できない。

 いや、半分卒業、かな?

 

 「てめぇ…」

 泣きたかったが、恐怖よりも怒りが勝っていた。

 圧倒的に。

 私は、怒りで声を振るわせた。

 うざったい。

 こちとら、謎の神に異世界に放り出されたってのに。


 お宅は、そんなことも知らずにこちらを追い詰めてくるのですか。

 はぁぁ。

 心の中とは、言えため息が出てくる。


 「てめぇ、ふざけんなよ」

 キッッと私はバッファローモンスターを、睨みつけた。

 バッファローモンスター。

 獲物がガン飛ばしてくるとは思わなかったのか。

 ビクッと体を大きく震わせた。

 −−いいぞ。ビビれ。

 私は、圧を出した。

 逃がせ!という圧を。

 バッファロー。

 さっきまでの余裕は、どこへ行ったのか。

 冷や汗がめちゃめちゃに出ている。

 −−なんだ、たいしたことない。

 いけらぁ!!

 

 私はもっと、圧を出した。

 ビビる、バッファロー。

 泣き出しそうな顔をしたと思ったら。


 逃げた、バッファロー。

 逃げ足だけは早かったバッファロー。

 ヒュウっと、風が吹いた。


 −−チョロっ。

 その時。

 頭の中で、声が響いた。

 神様だ。

 『早く。ホラ、勇者パーティーのところへ行きなさい。…転移魔法展開したげるから。』

 

 私は、思った。

 ツンデレか!と。

 私は、瞬間移動するみたいに、勇者パーティーがいるところへ、向かった。


 ああ。

 やはり持つべきものは、神様だ。

 るんるん気分で、行こうではないか!


 「……ガラ…悪い…」

 私は、立ち尽くした。

 本当にここに、勇者一行が…といったカンジだ。


 私が来たのは。

 チンピラや、盗賊がいっぱいいるような街。

 の、中心にあるパブだ。


 中からは、昼間なのに騒ぎ声が聞こえてくる。

 −−うるせぇー。

 …私は、今更ながら。

 気づいた。

 そーいや、死んだ時って帰ってた途中だったよね?と。

 うんうん。

 途中だった。


 で、芝高は制服だよね?と。

 ウンウン、制服でした。


 …しまったぁぁぁぁ!!!!

 制服じゃん!!

 ブレザーじゃんっ、黒靴下じゃん!

 極め付けは−−。

 スカート。

 しかも、ミニスカ。


 立ち尽くす私。

 動かない私。

 『どうしたの?処刑人のキヨ。』

 急かす、神様。

 

 −−ああ。わかった、納得だわ。

 だからさっきから、ヤケに視線を感じるわけだ。

 ウンウン。

 ミニスカだもんね?ウン。

 「見てんじゃないですよ!!」

 くわっ!と声を出した。


 ビビるチンピラども。

 が、それも一瞬。


 ワラワラと集まってきやがった。

 「へーっ、姉ちゃんおもしれー」

 「面白い服着てんなっ!」

 「下手なミセの奴らよりも、エロいんだけど」


 私は、感激した。

 言葉わかる!

 すげえっ!と。

 

 これも、異世界あるあるだ。

 神様の力だろう。

 感激していた私を、チンピラどもは見た。


 ニヤニヤにやけている。

 …ま、まさか。

 「…あ、あの…なんですか?」

 まさかこいつら。

 私を、襲う気か!


 こわばる。

 やめろ。

 初めてだってまだなんだよ、こちとらぁ!!

 「テメェら!!ふざけんじゃねえ!!」


 視線が、キモい。

 やばい。

 いつもだったら、ここで殴ってKOだ。


 つーか、殴りたい。

 だが。

 殴ると。

 ここで、殴ってしまうと。

 −−死ぬ前の私が、全部無駄になる。


 キッ!と私は睨んだ。

 この人睨みで、大抵のやつはイチコロだった。

 だが。

 もっと、目の前にいる奴らは、口角を上げた。

 ぶん殴ろうとした、その時。

 

 「何、やってんだよ」

 金髪の。

 剣を携えた。

 

 いかにも、勇者…。ゆう…しゃ?

 勇者というよりかは、盗賊みたいな格好をしたガラの悪い男が。

 そして、その柄の悪い仲間が。

 いた。

 

 ってか、1人女子だしぃ!!!

 ガラ悪いけどね!!

 なんか、竹刀っぽいの持ってるけどね。

 

 髪サイドテールにして。

 紫のメッシュみたいなやつ入れてて!


 チンピラフォース(仮称)のリーダーが。

 再び言った。

 「俺らさぁ。そーゆー、弱いやついじめみてーな、ノリ苦手なわけ。やめろや」

 ガンを飛ばすリーダーチンピラ。

 

 他のモブチンピラとは、格が違うらしい。

 私を襲おうとしていた奴らは。

 小さくなって、逃げていった。


 へぇ。

 異世界にも、いい奴っているんだな。

 と、感心している時だった。


 神様の声が頭の中に、響いた。

 『処刑人のキヨ。この4人が、あなたに更生してほしい、勇者パーティー。』

 

 …はい?

 今、なんと。

 『正確には。勇者パーティー二代目。』


 勇者パーティー…?

 このめっちゃガラ悪い奴らが?

 …マジですかい?


 私は、思った。

 こいつらと、付き合わなきゃいけないの?と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る