勇者のパーティー全員グレた!〜死んだ私が教育係〜

神坂774

第1話 元ヤンが、異世界転生!?

 「…ゴメンナサイ、神様…?あのぉ、なんで私…。私…異世界に逝って勇者パーティーの教育係を…?」 


 私。

 清野喜代。

 どこにでも。

 どこにでもいる、ただの女子高生。


 −−の、はずだった。

 今、私はなんか異世界モノに出てくるみたいな宮殿にいるんですか?

 ナゼデスカ?


 しかも、目の前にいるのは神様と自分を名乗る−−グラマラスなお姉様が。

 はっ!笑

 絶対神様じゃないでしょ!笑

 金髪美女グラマラスお姉様のどこが神様なんですかぁっ!?

 

 神様が口を開いた。

 「それじゃあ。清野さん。あなたの今の現状を見ようか。」

 

 そう言うと、神様は魔法陣から液晶テレビみたいな映像が。

 そこには。


 交通事故の映像が。

 いや、違う。

 交通事故後の映像が。

 女の子が1人、倒れている。車が轢き逃げをしたのだろう。

 …アレ?

 あの遺体の子−−どっかで見たことある。

 三つ編みで、髪がいい感じに乱れていて−−。

 メガネをかけて−−。

 芝高の制服で−−。

 うん?

 あれあれ?あれれのれ?


 ピンときた。

 −−あ、あれ。

 私じゃんっっ!!!!


 「…わ、…私…死んでる…」

 自称神様は、ニコリと笑った。

 −−怖いよおっ!!おかあさぁぁぁん!!

 「そうね。死んでる。」

 声色も怖いよぉぉぉ!!!!


 神様が、口を開いた。

 −−なんだよっっ!!やんのか!?やるんですかぁー!?

 「あなた。元ヤンでしょ?」

 「ふぁい?」

 バッと口を防いだ。

 −−いけない、いけない。

 返事をするということは、認めちまうということ。 

 それだけは、避ける!!


 「かっこよくキメている中、悪いけど。」

 神様が口を開いた。

 うるせぇよ、グラマラス!!

 エロ野郎ぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 「…勇者パーティーさ。全員グレたの」

 「……え?」

 私は、ポカンとしてしまった。

 −−神様。ああ、神様。勇者ってグレるんですね。

 「えっっ!?グレたぁぁぁ!?!?」

 

 甲高い声を、出してしまいました。

 すみせんでした。

 「うるさい声出さないでもらえる?」

 「ごめんっちゃい」

 「貴方何?神舐めてる?」

 「ゴメンナサイ⭐︎」

 顔を見た。

 あ、やばい。怒ってる。

 地雷踏むのやめぴっ!


 「あなたに、お願いがあるの。元ヤンの…いや。かつてそちらの世界で、伝説の不良『処刑人のキヨ』と呼ばれたあなたに。」

 急に、シリアスな顔をした神様。

 まぁっ!

 神様貴方、そんな顔もできるのね。

 意外ッッ!!

 −−ってか、さっき。

 『処刑人のキヨ』って言った…?

 

 私は、神様を見た。

 信じられないようなものを見る目で、私は神様を見た。

 

 ニコッと神様は笑った。

 やめて!!

 笑わないで!!あんた、ホラーに片足突っ込んでっから!!

 やばいからぁ!!


 冷や汗が、流れた気がする。


 というか、今私がやるべきことは驚くことじゃない。

 …たぶん。

 そう。

 

 この怪しい空間から、逃げること。

 絶対、ドッキリだ。

 −−うん!絶対そう!!


 私は、クルッと右にターンを決めた。

 華麗に決めてやった。

 逃げよう。

 うん、それがいい!

 

 ダッとかけようとした。

 が。

 神様が。

 「ダメだよ、逃げたら。逃げたら、貴方生き返れなくなっちゃう」


 −−はい?

 え、なんて…?


 振り返った。

 「グレた勇者パーティー。4人全員更生させたら、貴方。生き返らせたげる。」

 

 「ふざけないでください!!!」

 「あら、本性表したわね」

 

 私は思い切って、胸ぐらを掴もうとした。

 掴みそうになってしまった。

 が、やめた。


 ここで掴んでしまったら。

 やめた意味がない。

 不良をやめて。

 みんなに馴染むように頑張った努力が無駄になる。

 「…胸ぐらを掴まないの。へぇ」

 薄ら笑いを浮かべる神様。

 

 くっそ!ムカつく。

 キッと睨んでやる。

 だが、神様は動じない。さすが神様!

 −−といったカンジだ。


 「グレた勇者パーティーを、更生させて。」

 神様は真っ直ぐにこっちを見た。

 「…。」

 黙り込む私。

 「4人全員更生させたら、私が貴方を元に戻したげる。」

 その声のトーンが、少しだけ下がった。

 「勇者を更生させて。…そして、魔王を…。魔王を倒して。」


 それは、懇願のように聞こえた。

 ある意味一種の。


 私の体が分子のように、分解されていく。

 光に包まれていくのがわかる。

 そうして、私は。

 どうゆうわけか、異世界に転生することになった。


 たぶんこれは。

 神様のいたずらだ。

 目の前にいる−−金髪の神様の。


 それで。

 やっぱ更生させるとなれば、ステゴロかな?


※ ステゴロとは。

「得物(武器)を持たずに素手で行う喧嘩・殴り合い」という意味で用いられる俗な表現である。徒手空拳。素手喧嘩。

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