第3話記憶のアンカー
カイは急いで、自身の記憶を装置に移植し始めた。
彼の記憶が、装置の光の粒子に吸収されていく。
子供の頃、雨上がりのアスファルトに反射した虹の鮮やかさ。
初めて論文が受理された日の手の震え。
亡くなった母が最後に焼いてくれた焦げたパンの匂い。
しかし、肝心な記憶だけが中々引き出せない。
それは、彼がこの研究を始めるきっかけになった、たった一枚の写真にまつわる記憶だった。
彼のデスクの引き出しには、一枚の写真が残されていた。
幼いころのカイと笑っている1人の少女が、青い空の下、満開の桜の木の下に立っている。
写真の裏には少女の筆跡で[私たちの永遠の季節]と書かれていた。
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