第6話 神社カフェ
通り魔が捕まって、ご近所の方達が
皆、怖くて家から出るのを控えていたそうだ。
「重音さんトコのガロウ君だったかな? ありがとうねぇ……!」とご近所のおばあさん。
「私、あの人に追いかけられたの! 怖かった! 捕まえてくれてありがとう御座います!」
中学生のお嬢さんが、母親と一緒に来てお礼を言って帰っていった。
私と餓狼の代わりに、祖母とタエコさんが対応してくれた。
「ここは私に任せなさい」と祖母は言ってくれたので甘えた。
餓狼が通り魔を捕まえたと祖母は皆に説明した。
餓狼は納得しなかったが、私はその方が助かる。
その通りだし、私の折り紙のことを話さないといけないのは困る。
「瑠璃ちゃん! カフェの開店準備、手伝ってくれる?」
歌利那さんが私を呼びに来た。
「あ、すみません! 今、行きます」
リビングから境内にある神社カフェへ行く。
一緒に歩きながら歌利那さんに予約状況を教えてもらう。
「今日はお食事のご予約のお客様、フリーで入られるお客様がいらっしゃいます」
評判のため予約のお客様以外に、飲み物とスイーツのセットのみフリーで来店してもらうことにした。
「はい。今日からフリーのお客様がいらっしゃいますね。
スイーツは昨日のうちに作っていますが、どのくらいフリーのお客様がいらっしゃるか……平日ですし」
歌利那さんと話をしているうちにカフェへ着いた。
「今日は様子見の日だから。どんな感じかな、ぐらいの気持ちでやればいいと思うよ」
そんなに心配しなくても大丈夫! と歌利那さんが言ってくれた。
「はい」
明るい歌利那さんの一言で、ちょっぴり緊張していたのがほぐれた。
神社カフェらしく赤と白色を基調のカラー。
テーブル席だけど木のぬくもりを感じたかったので、椅子とテーブルには木材を使用した。
大きな窓から太陽の日差しが入って、心地よい空間になっている。
色々な薄絹に手を加えて、日差しの眩しい時はカーテンにしたりした。
また和紙をランチョンマットにしたり、コースターと作ってみた。
なかなか好評だ。
お食事の予約してくださったお客様はゆっくりと食事をしてもらい、飲み物とおやつのセットのみのフリーのお客様は程よい時間を儲けさせていただいた。
予約のお客様とフリーのお客様は、薄絹のカーテンで区切っている。
今日のお食事は、季節の旬の物を取り入れたメニューになっている。
お食事にプラスして悩み相談を出来るプランも作った。
海外の教会で懺悔するような場所をイメージして、お互いに顔を知られないようにする【悩み事相談処】を作ってもらった。
神社カフェのオープン時、一日二件。
ただし。
「相談にのるだけで、解決はできません」と先に言ってある。
無責任かもしれないが、私は全知全能ではない。
お掃除をして開店準備をする。折り紙たちも働いてくれている。
『瑠璃様、全テーブルを拭き終わりました。次は何をいたしましょうか?』
ウサギの折り紙たちが全テーブルを拭いてくれたようだ。私は次の指示を言う。
「次はお客様にお出しする、お冷の用意をしてもらえるかな? レモンを入れてね」
『承知いたしました』
ウサギの折り紙だけど、長い耳やしっぽは残念だけどお客様が驚いてしまうので隠している。
よく私の指示に従ってくれている。
神社が開門し、まず神社で参拝してからカフェへお客様がいらっしゃってくださる。
「こんにちは」
お客様の挨拶から神社カフェが開店する。
「いらっしゃいませ!」
『いらっしゃいませ――!』
「ようこそお越しくださいました!」
フリーのお客様は十人ほど並んでいた。
飲み物とおやつのセットのみだけど、体にいい素材を使って作っている。
ナッツ類やドライフルーツ、ヨーグルトやさつま芋。
寒天、米粉で作ったお菓子など日替わりでお出ししている。
「美味しいわね! 来てよかった!」
そんな声が聞こえてくると嬉しい。
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