第4話リゼの魔力切れと隠れた支援
ゲートから現れた「文字化けした騎士」の剣が、聖の喉元に迫る。
「やめてえぇ!」
聖が悲鳴を上げ、健介が盾を構えて飛び込む。だが、騎士の剣は物理法則を無視して健介の盾を透過した。
「なっ、すり抜けた!?」
絶体絶命。カイトは瞬時にシステムを操作しようとしたが、ここで直接手を下せば、あまりに不自然だ。
「リゼさん、今です! 魔法を!」
カイトが叫びながら、リゼの背中を突き飛ばすフリをして、その肩に指を触れた。
「えっ、でも魔力がもう……」
リゼの魔力残量はほぼゼロ。しかし、カイトの指が触れた瞬間、彼女の視界にバグのような閃光が走った。
【システム・オーバーライド:リゼのMP回復定数を『定数』から『無限変数』へ変更】
「……っ!?」
リゼは全身を駆け巡る奔流のような魔力に目を見開いた。指先から溢れ出す青い光が、広場全体を照らす。
「これなら……いける! 氷結の獄(コキュートス)!」
本来、最高位の魔術師しか使えない極大魔法。それが、D級の少女の手から放たれた。廃村のすべてが凍てつき、文字化けした騎士もろとも空間が氷結する。
「はぁ、はぁ……今の、私……?」
騎士が砕け散る。リゼは自分の手を見つめ、震えていた。
「覚醒……。リゼさん、今の魔法、S級並みでしたよ!」
健介が興奮して肩を叩く。カイトは後ろで「いやあ、リゼさん隠れた天才だったんすね。お腹空いてたから火事場の馬鹿力かな?」と、適当な理由を並べ立てた。
「……そう、なのかな。お腹、確かに空いたわ」
リゼの疑惑は食欲に上書きされた。カイトは安堵の息を漏らす。だが、倒した騎士の残滓が、データの糸となってカイトの影に絡みついていたことに、彼はまだ気づいていなかった。
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