第4話 クレージーな町でした
わたしは5人の冒険者のパーティに連れられて、クレージータウンという町に着いた。町は大きな城塞に囲まれた、見渡す限りどこまでも広がる小麦畑の真ん中にあって、その門は大きな丸太がいくつも組み合わさったとても頑丈そうなものだった。
「うわああ…」
「どうだ、でかいだろ。まあ異国の田舎にゃこんなでかい門はないんだろうな。だがこんな門でも地竜が体当たりして来たら一発でバラバラだがな」
地竜って何ですか?そんな恐ろしいものがいるんですか?あのでかいインコに驚いているのに、まだそんなすごそうなやつがいるのかな?
「よせイグルー、恐がってんじゃないか。いいかお嬢さん。地竜なんてえのはめったに現れるものじゃない。それこそ大変動でも起きない限りはな」
騎士の鎧の人がそう言った。いやめったにって何?それってたまに現れるってこと?
「大変動?」
「ゼッカスが言ったのは大規模魔法変動のことだ。この世界は地軸と交差するように魔素軸が通ってる。だがそいつは地軸と違って不安定なんだ。それが100年に一回か二回、南北にブレやがるんだ。それが魔物を異常にし、人間の町を襲いだすんだ」
そう剣士の男の人が恐ろしい口調で言った。そんなのに遭遇したくないと心底思った。
「ねえ、お嬢ちゃんはなんていう名前?よかったら教えてくれないかな。あたしはマーミヤ。御覧の通り白魔導士よ」
「わ、わたしは高崎しのぶ。高校1年生です」
「めずらしい名前ね…」
「あ、呼びにくかったらシノブで結構です」
「シノブ、ね。こっちは剣士のルイジーヌ。見た目男の子みたいだけど、これでも立派な女の子よ」
きょう一番びっくりした。カッコいい男の人だと思ってたけど、なんと女の人なんだって!宝塚真っ青じゃん!
「おい、ギルドだぞ、もうすぐ。ヘラヘラしてるとまたギルドマスターに怒鳴られるぞ」
真面目な顔してルイジーヌさんがそう言った。ギルドってきっと冒険者ギルドのことなんだろう。それにしてもギルマスって怖そうだ。
「いい機会だからあなたも登録しておいたら?登録には保証人が要るけど、知り合ったのも何かの縁だし、わたしたちが保証人になるから」
「い、いいんですか?でもわたし冒険者なんて…」
「冒険者ったってピンキリよ。それこそ地竜討伐するスペシャルランクもいれば、薬草なんかを採取するマイナーランクもいる。あたしたちはみなミドルランクの中堅冒険者なの。そうかしこまる必要はないわ」
「そうなんですか…」
「じゃああたしたちは戦利品を鑑定してもらうから、あんたはあっちのカウンターで申請してね。あとでそっちに行くわ」
マーミヤさんが指さしてくれたのはちょうど入り口にあたるところにあったカウンターで、かわいらしい…えと…ケモノ耳をした女の子が立っていた。わたしはビクビクしながらそこに行き、お辞儀をした。
「なに?登録に来たの?あんたが?」
その獣人…かも知れない受付嬢がわたしをジロジロ見た。まあここに来るまでに町の人たちの服装を見て来たけど、やっぱりこの制服に似た服なんて一度も見なかった。つまりどう見てもわたしは外国人、あるいは異邦人なのだ。
「ええ、できれば…」
「登録するには保証人が要るわ。あんたいるの?」
「えーと、あそこの人たちがなってくれるって」
むこうのカウンターからゼッカスさんが手を振ってくれた。ちっ、とつまらなそうにその受付嬢は舌を鳴らし、乱暴にわたしに羊皮紙を手渡した。態度悪し。
「これに名前書いて。どうせ実績なんてないんでしょ?下の欄は空欄でいいわ」
「実績、ですか?」
「実績って言ったら実績よ。それによってランク分けすんだからね。要は魔物をやっつけた証拠とかありゃいいのよ」
「証拠…?」
そういやあのでかオウム…たしかイルゴットって言ったっけ。あいつの目玉ならいま持ってるけど…。
「そうだよ、証拠だ。ゴブリンの耳とか沼トカゲの心臓とかだよ」
「目玉ならあるんですけど…」
「目玉?何の」
「えと、これですけど…」
わたしは葉っぱに来るんであったイルゴットの目玉をカウンターに置いた。くるんだ葉っぱを取ると…うん、なかなかグロテスクだ。
「こ、これ…あんた…」
ギルドが大騒ぎになった。
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