第3話  冒険者に遭遇した

 なんでこんなところにと言われても困る。神社で拝んでたら急に声が聞こえて、それからここへ来た。いや自分でもよくわかんないですけど。


「おまえ、ここら辺の者じゃないな…」


小柄な男の人がそう言った。背にはたしかクロスボウとかいう銃型の弓。腰には左右に短い剣を吊るしたおかしな格好だ。これってもしかしてファンタジー世界の冒険者ってやつかな?


「どうしたイグルー。突然走り出して」


 後ろから大きな体に鎧を身につけた男が近寄って来た。これもいかにも騎士っていう感じの冒険者だ。さらにうしろからふたりがやって来た。


「ちょっと仲間を置いてかないでよ。いったい何がいたの?」

「さっきイルゴットを見かけたが、そいつの食い残しでもあったか」


 きれいな白い修道服みたいなのを着た若い女の人が、見るからに剣士っていう格好の若い男とのそのそ歩いて来てそう言った。


「いや食い残しじゃないようだぜ」


 最初に声をかけてきた男が呆れたようにそう言った。


「あのー、あなたたちはなんですか?」


 一瞬、その人たちは戸惑った表情を浮かべた。そしてすぐに笑いだした。


「ギャッハッハ、こりゃ傑作だ。俺たち冒険者を見て、何ですかと聞きやがった。まったくどこから来た田舎もんだよ!」


 小柄な男がそう言ってまた笑った。そんなに笑わなくてもいいんじゃないかな。なんたってわたし異世界初心者なんですから。


「そう笑わんでやれ。見れば見慣れない服を着ている。おおかたどこか異国の地から来たんだろう。にしてもよく助かったな。あのイルゴットにつかまり、無事だとは信じられん」


 あのバカインコ、イルゴットって名前なのか。まあわたしも信じられないよ。


「俺たちは見ての通り冒険者だ。いま古い遺跡の探索を終えて帰って来たところだ」


 鎧の騎士がそう言った。うわ冒険者だって。そんなのが実在したのか。いや異世界だから実在してもおかしくはないか…。


「あなたはどこに行くの?見ればそんな軽装で。こんな危険なところにいつまでもいちゃダメよ」


白い修道服の女の人が優しくそう言ってくれた。なんかちょっと安心したよ。


「わたし道に迷ってしまって。いったいここはどこなんですか?」

「どこって…ここはクレージータウンのほど近くよ。あたしたちはそこの冒険者なの」


 クレージータウン?まさしくクレージーな世界にふさわしい名の町だわね。


「あの、できたらわたしを連れてっていただけないでしょうか?それとも、よそ者はダメとか…」

「べつによそ者がダメとかいう決まりはない。町で悪さを働かなければいい。いっしょに来るか?」


 剣士の男の人がそう言ってくれました。いやあ、冒険者なんて、まったく異世界なんだわね。

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