泥と小さな手

兵団での訓練は、孤独と絶望の連続だった。私の雷は、また暴走した。仲間の盾を焼き、友を傷つけた。


「やっぱり、私は壊すことしかできない……!」


雨の中、私は泥まみれのガントレットを投げ捨てた。だが、その時。私の背中に、小さな温もりが触れた。保護施設から抜け出してきたレオが、私の泥だらけの手を握っていたのだ。


「おねえちゃん、あったかい。」


レオの無垢な言葉が、私の凍りついた心を溶かした。私の泥だらけの手が、レオの白い服を汚していく。でも、レオは離さなかった。

独りではエラーでも、この子のために立ち上がるなら、私は正解になれる。私は泥の中からガントレットを拾い上げ、再び右手に嵌めた。それは、絶望を乗り越え、自らの意志で「正義」を志願した瞬間だった。

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