可愛らしい鼻歌混じりの声が聞こえる。

朝日の光が、窓から突き刺さる。

 そっと目を開けると、

そこには見知らぬ五、六歳ほどの女の子がいた。

金色のふわふわした髪。

今にも透けそうな白い肌。

そして、笑顔がとても似合いそうな

可愛らしい顔の子。

「あら、起きたの?

あなた、うなされてたわよ」

 ガラスの器に水を入れた物を、

寝ているソファの近くまでもってくる女の子。

「薄暗い部屋で寝てたのよ。

カプセルのようなベッドで。」

そう言い、

ガラスの器をサイドテーブルに置き、

「まぁ、どうでもいいわね。

気分はどうかしら?」

と、

間髪を入れさせないと言いたげな質問。

戸惑いを隠せないまま、

「大丈夫。」

とボソッと呟く。

すると優しく、

「なら、いいのよ」

と太陽みたいな笑顔を向けてくる。

その笑顔のおかげか、

少し緊張感が緩和された時、

コンコンと戸をノックする音がした。 

 

その瞬間、

緊張感が張り詰めた。

女の子を何故だか

自分の後ろに隠し、

扉を睨みつける。

その時、

「入るよー」

という声がし、キィと音がした。

 

 扉の向こうから、三人の男が入ってきた。

そのうちの、

一番初めに入ってきた

細く、身長が高く、少し老けた男が、

「そんなに緊張しなくていいんだよ。

そうだ、自己紹介をしようか」

と、ニコニコと胡散臭い笑顔を振り撒いている。

 その胡散臭さに少し警戒していると、

その中で最も背の低く、

スタッズグローブをした男が、

 

「俺は、白雨凛だ。

別にお前とつるむ気すらねぇ。

俺の邪魔をするな。

それだけだ。」

 

と、言い捨てた。

 

 それを聞き、

少し眉間に皺を寄せた天月黒に対し、

「奴はまだ若いからのぉ。

許してあげておくれ、小童よ」

と微笑みかけた、

髪が長く、

コルセットグローブをした

花魁のような若い男性が言った。

 

「わしは尾崎伊織じゃ。

さっきのはまだ若いからな。」

 

 そう言い、

ニコっと天月黒に笑いかけ、

 

「許してあげておくれ

何か困ったことがあれば、

いつでも声をかけるとよい」

 

と、一束垂れた髪をゆっくり耳にかけ、

アレキサンドライトのピアスを揺らしながら

綺麗な笑顔を見せて言った。

 「そして最後は、私たち二人の紹介をしようか」

と、先程の胡散臭い笑顔とは違う不敵な顔をし、

 

「私は、森倫太郎。

sauda-ziの首領だ。

気軽に接してくれるといいよ」 


と。

 そして後ろに隠していた女の子に近づき、

女の子の左手をそっと取り

「そしてこの子はアリス。

可愛いでしょ?」

と自慢げな顔で紹介した。

「あ。

でも、この子のことには…」

と少し、

アリスに視線を送り

狂気じみた顔で

 

「あまり深く詮索しないでくれると助かるよ」 

 

といいアリスの髪をそっと撫で、

「君は失いたくないからね」

と言い、

すぐにまたあの胡散臭い笑顔に繕った。

 

「そうだ」

 

と大声で言い、

こちらを見て、

思いついたかのように、

「凛ちゃんと一緒に行動してもらおうか。

同じ年齢くらいだろうし、

安心でしょ?」

と言い少し不満そうな白雨凛の方に視線を向け

「それでいいかな。

凛ちゃん?」

と、

森倫太郎は、

拒否権のない問いを投げかけた。

 苦虫を噛み潰したような顔で、

 

「分かりましたよ。

この骸骨野郎と一緒に居ますよ」

 

と答え、

一度深いため息を付き、

ズカズカとこちらに近づいてきた。

「俺の邪魔をすんじゃねぇぞ」

と、手首をがっちり掴み、

耳元で囁いてきた白雨凛。

上から目線に

うんざりした様に、

「はぁ、

なんで私がここに所属すると決まってるのか

分からないが、

私の足を引っ張るなよ。

バンビくん」

そう言い返した天月黒は、

掴まれた手を振りほどき、

 

「私は天月黒。

 死ぬ時まではよろしく」

 

と言った。

その二人をどこか懐かしそうな目で見つめながら

「ようこそ。sauda-ziへ」

とボソッと言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る