第4話 作戦会議
最終目標は決まった。
問題はその手段だ。
「どうやったら、我々が平和的に協力して解決した、と言えると思う?
ここは明確にしておかないと、国王一派やアルベスタ教を排除できても中途半端になりそうなんだが…」
全員顰めっ面になって頭を抱える。
「あ!そうだ!良いことを思いついたわ!」
「アリス、何を思いついたの?」
「私たちと魔王が結婚すれば良いのよ!政略結婚としても成立するわ。おまけに全部解決した後に、あの国の貴族が私たちを妻にするとかで政争のネタにされるのも回避できるじゃない!」
お、それは俺としてはアリだな。こんな美少女二人が妻になるなら、それはそれで非常に嬉しい。
「待って!気持ちはわかるけど、国教になってるアルベスタ教の信者が人族以外を人として認めるか、という根本的な問題があると思うんだけど?
後は、今までの魔王のやってきたことを無かったことにはできないでしょ。正直、この人も今会ったばかりで信用できないもの。顔も隠してるし。」
そりゃそうだ。顔を隠してるのは、まだこの後に王国内に潜入したりする可能性を考えてのことだ。俺の顔を勇者も聖女も知らない方が良いと思う。腹芸できるほどの腹黒さは持ってないというのはわかるからな。
少し考えて、提案することにした。
「じゃあ、条件を付けて一騎打ち…いや、そっちは二人での決闘という形にしましょうかね。場所は魔王城で。ほら、国境近くにあるあそこですよ。
ワタシが勝てば、国王とアルベスタ教の教皇に『人族至上主義をやめてもらう』と要求する。女神は全ての種族のことを考えているので、アルベスタ教の教義が間違ってるのを認めさせる形になる。
二人が勝てば、そのままワタシを殺してくれれば良い。魔王討伐したと言えるだろう。
勝利の条件は相手が負けを認めるか気絶したりして戦闘不能になったら、というのはどうかな?
ああ、護衛として付いてくる奴らは当然お断りだ。もし付いてきたりするようなら『王国からの宣戦布告と見做す』というのも決めておこう。なにせ、こちらからはワタシ一人だけになるからね。」
「でも、仮に魔王が勝っても国王も教皇も認めない可能性があると思うんですよね…」
「そこで君たち二人の出番じゃないか?
ワタシに与えられた使命、君たちに与えられた使命を公開するんだよ。女神から与えられた使命は、人族に限ったものではなく、全ての種族に対してのものだ、とね。
まぁ、それでも認めないようなら、王国貴族や教皇の悪事に関する情報も公開してやれば良いかな。証拠は揃えてあるし。そうなると最初の条件を呑んでいた方が良かった、と後悔する事になるとは思うけど、その時には後の祭りになってるけどね。」
「それは良いですね。それなら負けても無事に帰れそうです。」
アリスがホッとした様子で言う。
「なんで帰る必要があるんだ?負けたら、別に帰らなくても良いと思うのだが?」
「「え?」」
「女神から与えられた使命をよく思い出してご覧。国境に位置する魔王城で活動した方が実現しやすいと思うのだが、違うのかな?」
二人ともハッと気付いて表情が明るくなる。
「そうか!決闘する時点で王国に対する義務は果たせた事になるんだね。『王太子に嫁げ』なんてのは、使命とは無関係なんだから『女神から与えられた使命を果たしている』と言えば、王国に帰らなくても良いのか!
なんだ、ボクたちは勝っても負けても、使命は果たせるし、あのクソ王子と結婚する必要もないんだ。」
二人の表情が明るくなる。
「そう言う事だ。ワタシは魔王ノームと言う。ノームと呼んでくれ。
主に諜報系を得意としている関係で、今はまだ顔を隠させてもらっている。魔王城ではこの仮面は外させてもらうがな。よろしく頼むよ。」
「わかった。ボクは勇者カオル。こっちは聖女のアリス。
二人とも孤児院で育った同い年なんだ。よろしくね。」
「私もよろしくお願いします。」
やっと自己紹介ができたな。
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