変化

「おはよう」


 教室に行くと拓斗と幹久がいた。声を掛けると二人が同じ方向を指差した。その先に視線を向けると当然のように康秀が席に座っていた。


“失敗だな”


 拓斗が声を出さずに口だけを動かして笑った。

 そりゃそうかと思いながら少しばかりがっかりした。内心康秀に天罰がくだってくれと思っていた。僕だって何枚かレアカードを康秀に取られているのだ。


 ーー気のせいかな。

 

 静かに座る康秀の背中を見る。

 なんだろう。康秀ってこんなに静かだったか?

 微かに胸の中がざわついた。なんとなく康秀から嫌なものを感じた。


 ーー気のせい、だよね。


 何も変わらない。いつもと同じ今日があって、明日が来る。

 そう信じようとした。でも無理だった。

 

 翌日に拓斗がトラックに轢かれぺちゃんこになって死んだ。

 その翌日に幹久が自身の団地の最上階から落ちてぐちゃぐちゃになって死んだ。


 何かが確実に起きている。拓斗も幹久も事故だと言われたが絶対に違うと思った。


 イワイオニだ。

 何が起きているのかは分からないが、全てはおそらくイワイオニのせいだ。

 そしておそらく、近いうちに僕も殺される。


 葬式で僕を見てにたっと笑った康秀の顔が何よりの答えだった。

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