ろくでなし
木本康秀は卑しい少年だった。
母親は康秀が生まれてすぐに他界。家は貧しく親父は酒飲みのロクデナシという事を知ったうえでも、人の家のものを平気でくすねる泥棒野郎なんて決して許される存在ではない。
僕も拓斗も幹久も皆やられてる。
呼んでもないのに他の友達と紛れて家に上がり込み、おもちゃやカードやゲーム、気になったものを康秀は軽々と盗んでいく。
「は? とってねーし」
どう考えても犯人は康秀なのに本人を問い詰めるとしらを切られる。しかし先生や大人はあてにならない。康秀も暴れると手を付けられないが、それ以上にあのロクデナシの親父は大人達にとってそれなりの脅威であるようだった。
結局康秀は自分勝手に動き回るばかり。もちろん誰も康秀の事なんか好きじゃないが、当の康秀はそんな事など気にもしない。目が合ってこちらが顔を顰めても平気で笑顔で近付いてくる無神経な奴だ。
「なぁ、ちょっと康秀懲らしめねえか?」
だから拓斗の誘いに僕達はとりあえずのった。
イワイオニの事はよく分からないが、かくれんぼで一人ほったらかしにされる康秀の姿は想像するだけで愉快で痛快だった。康秀の親父は怖いが、全員が口裏を合わせて見つけられなかったと説明すれば大丈夫だと言われ僕達は納得した。
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