第六章

ブリブリバンの脅威は去った。だが、隕石がぶつかった時の衝撃は激しかったため、アンマンパンは元に戻った。元号は「コバエ」になり、イオニアス・ブリブリブスはコバエ天皇を名乗った。さて、イオニアス・ブリブリブスは死ね天皇とシロアリ天皇とアントニウス・ティラノサウルスとゴミグラタンの国葬を行うことにした。国葬が中盤辺りに差し掛かった時、お経を唱えていた僧侶が「あ」と言って遺影にコーヒーをこぼしてしまった。遺影のインクは溶け、原型をとどめていない。僧侶もまとめて火葬されることになった。イオニアス・ブリブリブスは国内でのコーヒーの存在を禁止した。

そのころ日本では民主主義復活を求める声が大きくなり、国連軍も民主化を条件に復興支援をすると伝えて一時撤退した。各地では政治団体が組体操をしてビチョビチョマンになり、抗争を繰り広げるようになった。このような事態の中、イオニアス・ブリブリブス(コバエ天皇)は「民主主義対策会議」を開いた。出席したのは私たち二人と側近の風林火山とゲロゲロドン・ブッコロスンティヌスだけであった。イオニアス・ブリブリブスは私たち二人に彼がいかに素晴らしいかというテレビ放送での宣伝の指揮権を与えた。その後しばらくして、イオニアス・ブリブリブスは宣伝はどうなったかと気になって風林火山と共にテレビを見た。

国営放送局では天気予報をやっていた。「私」らしき人物が「明日の天気は東京がブリブリバン、埼玉がイオニアスです。」と言った。風林火山はイオニアス・ブリブリブスの機嫌が悪くなるのを全身で感じ、すぐにチャンネルを変えた。子供向け番組「戦え!ニクマンジーZ!」がやっていた。ニクマンジーZが空を飛んで空中分解したシーンの後、CMが流れた。ゲロゲロドン・ブッコロスンティヌスらしき人物が「今!イオニアスが安い!税込みでたったの3999円!」と叫んでいた。チャンネルを変えた。バラエティー番組「ドクショの薦め!」で警官らしき人物が「今日はこのイオニアス・ブリブリブス陛下執筆の『強盗上等』を紹介します。この本はですね、ムシャムシャムシャ、ごくん。うん、スパイスが効いていて非常に…」チャンネルを変えた。別のアニメがやっていた。(風林火山に酷似している)勇者イオニアス「くらえ!イオニアス!必殺のイオニアス・イオニアス=イオニアスだ!」(イオニアスに酷似している)魔王イオニアス「イィーオォーニィーアァァースゥゥゥー!」といって吹き飛ばされ、民家のガラスを突き破った。風林火山はいつの間にかいなくなっていた。彼は制作にかかわったもの全員を指名手配した。当然だが、私たちも含まれていた。

警官は中断された思い出作りの続きのため再びデパートに行った。ブリブリバンの脅威は去ったとはいえ、新しい争いが起こり、いつ死ぬかわからないからだ。(それに指名手配もされている。)今回は私も一緒だった。早速映画館に行った。放映されていたのは「イタリアパンVSアフリカパン」、「自衛隊は憲法違反なのか」、「大日本帝国版核兵器~その名は竹槍」、「劇場版:戦え!ニクマンジーZ!」、「シン・イオニアス・イオニアス=イオニアス」だった。私たちは「自衛隊は憲法違反なのか」を見ることにした。映画の最後、裁判官が判決を下す。「銃はモデルガンであり、戦車はラジコンであり、戦闘機は紙飛行機であり、地雷はレゴブロックであり、ミサイルはペットボトルロケットである!これに従うと、自衛隊はただおもちゃで遊んでいるだけであり、軍隊ではない!よって九条には違反しない!」映画が退屈すぎて私たちはとっくに寝ていた。「大日本帝国版核兵器~その名は竹槍」も観てみた。「竹は種をまくと勝手に育ちます。戦争の末期には竹林が兵器の生産拠点として重点的に空襲されましたが、それでも竹林はなかなか減りませんでした。」映画の途中で私たちは退出した。

私たちはおもちゃ売り場に行った。「バビバビ人形」が売られていた。中には腐っているのもあった。3999円で売られていたそれはイオニアス・ブリブリブスに酷似しており、無駄なことに着せ替えも出来るらしい。近くを見ると「あの人形怖い」と言って泣き叫ぶ子供を親が必死にあやしていた。「怖くないよ~着せ替えしたらきっとかわいくなるからね~」と言って商品を勝手に箱から出し、手始めに人形についている銀行強盗のような覆面を外した。見ると鼻が二つ、口が三つの化け物だった。何と命知らずなメーカーだろう。子供はそれを見てひっくり返ってしまった。

適当にデパート内をふらついていると、住宅相談所があった。この混乱で資材や人手がかなり不足している中どう家を融通するつもりだろう、と気になったのでとりあえず話だけでも聞いてみようと思った。セールスマンは「空き缶で作った家」を紹介してきた。駅から徒歩三分。銀色に輝いているという。一応内装も聞いてみた。家には隙間がたくさんあるため換気は常に行われ、ベッドは缶で作っているため固く、トイレは粉々に砕けており、ドアは常時開放式(つまりドアがない)だという。また、前の入居者はこの家が金属製からか熱伝導がすごく、スマホが溶けてしまい、怒って売ってしまったらしい。彼はもとより買ってもらえると信じていないようで、話し終わるとどこかに行ってしまった。

私たちは何となく生鮮食品売り場に行った。入り口には大きな横断幕があり、「ベジタリアンになろう」と書かれていた。畜産業が壊滅したようだ。店の中には育ちやすいジャガイモや、家庭菜園レベルの野菜や果物、キノコ、木の実、金魚、潮干狩りのつつましい貝 類、肉はカラスや雀、犬や猫などのペット、飲料水は黒いミネラルウォーターという有様で、品質が不安であった。そこに、「生産者の顔が見える野菜コーナー」があったので、そこで買い物をすることにした。商品棚には「ニラ」という商品名の雑草が売っていた。生産者の顔写真を見てみるとそれはライオンであった。警官は全ての「生産者の顔」を自分の顔写真に置き換えた。

最後に、私たちは電気屋でテレビを見ることにした。その内容は、日本の民主化が完了するまで経済制裁を発動し、日本との貿易をしないという内容だった。日本の資源がますます不足してしまう、と思った矢先、中継が流れてきた。数万人の群衆がデパートに殺到しているようだった。まずい、このデパートだ。私たちは今5階にいるが、そこまで到達されると厄介だ。そこに、閉店の音楽が流れてきて、「よいこは おうちに かえりましょう」と店員が放送で呼びかけていたが、群衆は激高してしまい、逆効果だった。警官は「私に任せなさい」と言った。

私たちはデパートの制御室にたどり着いた。警官は駐車場の車と売り物のドローンとプラレールとトラクターと戦車を遠隔操作し、群衆に突っ込ませた。私は群衆が5階に逃げてこないよう、エレベーターを停止し、エスカレーターを高速で逆回転させ、階段には直接灯油をまいて、放火した。そして防犯カメラの映像を眺めた。その光景は今まで見たどんな映画よりも面白かった。中継を見るとリポーターも巻き込まれているようだった。デパート内の騒ぎが収まり、これにイオニアス・ブリブリブスは喜んだ。そして私たちを「事件解決の英雄」として称え、指名手配を取り消したばかりか、勲章を授けたのであった。こうして私たちは政府の高官になった。

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2026年1月10日 20:00

私は神になりたい 攻撃 @tamuraenjyo

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