第二章

私と警官はとある村に逃げこんだ。村の入り口は村の自治防衛軍(日本が無政府状態のため作られた)に阻まれたが、事情を説明し中に入れてもらった。村長は二人村の新しい一員として歓迎し、流しそうめんパーティーを開いた。食べるのは私たち二人だけのようだ。きっとなんかの儀式のようなものだろう。村長が上からそうめんを流すが、私たち二人はそうめんが大嫌いなので、手を付けず、そうめんはべちゃり、とゴミ箱に落ちた。村長は怪訝な顔をして、もう一回、もう一回、とそうめんを流した。ゴミ箱はいっぱいになった。警官が言った。あなたの人生はこのそうめんのようだ、と。私たちは村長率いるトラクター部隊に追い回され、次の地へと向かうのだった。

私たちは少し大きな都市に到着した。もともといた警察が治安維持をしており、あの村のような物騒な感じはしない。二人は安らぎを求めて美術館に行った。その中に思わず目を引くような絵があった。「神奈川県沖浪裏」と題されたその絵は、立方体の富士山と、ゴミが大量に流れる濁流と、画面四分の一を占める巨大隕石と同じく画面四分の一を占める満月で構成されていた。(私と共に行動している)警官はこの絵を黒く塗りつぶし、「のり弁」という題名に変えた。私は嫌な予感がし、窓を覗くと、美術館は警察に包囲されていた。もうバレてしまったのか。私たちは美術館から脱出することを決めた。

私たちは美術館から脱出するため、一階の裏口に向かったが、すでに警察がうようよおり、レストランに隠れることにした。すると、立派な電子レンジが見つかった。私はゆで卵を六個ほど作り出し、電子レンジに放り込んで、適当にボタンを押した。案の定電子レンジは二秒で爆発し、辺りは火の海になった。警察は慌ててお土産屋からとってきた水をかけるが、誤って焼酎をかけてしまい、火はますます強くなる。警察は放火犯がいる、と警察を呼び、消防車も呼んだが、たまたまその消防署も火事であった。私たちはその混乱に乗じて逃げ出すも、勘のいい警察もいるようで、遠くから私たちを追ってくるのが見える。そこで、私たちは寺の中に逃げ込んだ。

寺の中ではお坊さんが俳句を詠みあっていた。私たちも俳句を詠み、この場にかくまってもらおうと思った。私は「もちくった のどにつまって しんじゃった」、警官は「転んだら 骨を折るなり 法隆寺」、追ってきた警察は「たこ焼きが パソコン激突 大爆発」とそれぞれ歌を詠んだ。三人ともマシンガンを持ったアフロの僧兵に追い回され、新たな地へと向かった。

三人は国立公園まで逃げたが、先ほどまで追ってきていた警察はマシンガンで傷つき、もう動けなくなってしまった。警官は砂場を見つけると、これを漢方薬の代わりにしよう、と言って、砂をその警察に飲ませてやった。警察はじわじわ死んだ。私は彼を砂場に埋め、公園の奥のほうを見ると、たくさんの仮設住宅が立ち並び、にぎやかであった。私たち二人はそこへ向かうことにした。

仮設住宅に住んでいる者は皆失業者のようで、森から薪や食料をとることで何とか生活しているようである。一方慣れない商売で失敗している者もいた。とある若者が皆の前で、今からスプーン曲げをする、成功したら食料を分けてくれ、と言い、うおおおおおと雄叫びを上げながら力ずくでスプーンを曲げ始めたため、その場にいたものは皆いなくなった。また、ある老夫婦が「鼻毛スパゲッティ」を作って売っていたが、誰もその店には近寄らなかった。また、愛玩用ペットの「ゲロネズミ」を売り歩く者もいたが、ペリカンの大群に襲われ、ゲロネズミは全滅してしまった。助けてあげたい気持ちもやまやまだが、こんなところにいたら頭がおかしくなりそうなので、先に進むことにした。

私たちは古い街にたどり着いた。そこには住めそうな空き家があった。ようやく安らぎの地へたどり着いたと思った私たちは家の中へ入っていった。玄関には金魚鉢が置いてあったが、中の金魚は死んでいた。警官は生きているように動き回らせようと金魚にモーターをくっつけたが、金魚がただ壁に押し付けられるだけであった。私は気付いた。この家には窓がない。そこで、警官は壁に大穴をあけ、換気しようとした。ところが、これによって家の総重量が軽くなり、私たちが寝静まっている間に家は盗まれてしまった。私たちは雲一つない青空の下で目を覚ました。警官はどうやら家は盗まれてしまったようだ、と言った。その時、私の幼少期の記憶がよみがえった。

私は幼いころ、教会に行ったことがある。牧師が「石を投げなさい。人が死ぬでしょう。物が壊れるでしょう。そしてあなたは弁償するでしょう。」という聖書の一説を紹介した。教徒は感激し、牧師や教会に向かって石を投げた。牧師は死に、教会は跡形もなくなった。教徒はむせび泣き、弁償を誓った。なんなんだこの教会。

私がふと我に返ると、ブリブリバンがそう遠くないところに現れた。ブリブリバンは回覧板を食べてパワーアップし、ギニョギニョビームを発射した。警官も負けじと回覧板を食べた。吐いた。当たり前だ。人々は混乱し、逃げ惑う。そこに臭いにおいが漂う。誰だよこんなときにおならしたやつ。人々が諦めかけた時、一人の男が立ち上がった。心臓病で死んだ。さらに悪いことに、ペットショップの猛獣コーナーから猛獣が脱走し、人々はライオンやらジャガーやらでかいハマグリやらとブリブリバンに挟み撃ちにされる格好になった。

だが私はまだ諦めていなかった。私は人々を指揮し、組体操の「ピラミッド」をさせた。これにより、巨大な生物に見せかけることに成功し、猛獣は逃げて行った。ブリブリバンも一瞬驚いたが、すぐに攻撃態勢に入る。しかし、「ピラミッド」は第二形態に進化して、ビチョビチョマンになった。ビチョビチョマンはヨガのポーズをし、鼻からヘロヘロビームを発射したが、弾速が遅すぎて、当たる前にピロピロポンの直撃を食らい、体勢を崩す。ビチョビチョマンはバレエのポーズをし、防御を固めるも、相手の必殺技のピロピロポンの直撃を食らい、頭が地面に埋まってしまった。私は希望を捨てず、ビチョビチョマンを応援し続けた。ビチョビチョマンは再び立ち上がり、体育座りになってブリブリバンめがけてすっ飛んでいった。私たちはそれを見て帰る支度をした。ブリブリバンはそれを難なくかわし、ギニョギニョビームを放った。ビチョビチョマンはその直撃を受け、木っ端みじんになった。私たちは今後の作戦を練るため、その場から立ち去った。

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