私は神になりたい

攻撃

第1章

ある日、イグアナドンがバビブベボビームを発射し、私は生まれた。こういった経緯から私は自分のことを特別な存在だと思うようになり、それを証明するために私は旅に出ることにした。

旅に出てから一か月後、私は被災地に食料のカレーを運んでいる最中だった。川のそばを歩いているとやせ細ったウナギが泳いでいた。私はかわいそうに思ってカレーを川に流してやった。川は汚染され、ウナギは死んだ。私はこの世の中の不条理を学んだ。

旅に出てから三か月後、私は人生の大先生といっても過言ではないとある警官に出会った。そのきっかけは私が被災者に追われているところを交番にかくまってくれたことだった。私は後日交番にお礼に行った。彼はポケットからティッシュを取り出し、それを食べ、吐いた。口の中がきれいになった、そう彼は言った。私は彼が只者ではないことに気付き、師と仰ぐようになった 。

旅に出てから五か月後、私と警官はとあるフランス料理店の潜入捜査に向かった。どうもその店は役所に登録されていないらしく、実態を調べる必要があったのだ。メニュー表を見てみると、「洗濯ババアの洗剤コース」、「気まぐれシェフの丸焦げコース」、「スラム街の雑菌コース」などであった。二人は嫌な予感がし、辺りを見回した。すると、あるものは洗濯板をナイフとフォークで切り分けようとしており、あるものは泣きながら炭の炭火焼きを食べ、またある者はこれはフランス料理だと自分に言い聞かせていた。警官はオムライスの形をした岩(つまりただの岩)を食べながら、現行犯逮捕しよう、と言った。

私と警官はウェイトレスや料理人やコックや店員を倒しながら奥に進み、店長のもとへたどり着いた。一件落着かと思われたその時、店長はイグアナドンと合体し、ブリブリバンに進化してしまった。警官はいつになく真剣な表情で、君はおとりになりなさい、私は奴の心臓を打ち抜く、と言った。私はブリブリバンの前に立ちふさがり、注意を引く。警官はどうしているかと後ろを振り返ると、彼は背中を向けて全力疾走していた。私はその時幼少期の記憶を思い出した。

私は幼少期のころ、神社に行ったことがある。その神社は便器で埋め尽くされており、社殿にたどり着くことができなかった。私は思い切り賽銭を投げたが、空しく便器に流されてしまった。何だったんだあの神社。

戦いの最中だったことに気付き、ふと我に返る。その時、あの警官が走ってきた。私は思わず目が潤んだ。ああ、何か考えがあってあのようなことをしたのか。彼は何かを拾い上げた。それは彼の財布であった。そしてまた背中を向けて走り出した。私は終始真顔であった。ブリブリバンはどこか遠くへ行ってしまったようだった。

一方そのころ、ブリブリバンはピロピロポンを発射し、町を破壊していた。自分だけでは倒せそうもないので、警官を追いかけることにした。

旅に出てから五か月と三日後、市民プールに逃げ込んだ警官を流れるプールに追い込んだ。警官は流れるプールに足を取られ観念したが、次の瞬間、流れるプールにプールが流れてきて、二人は吹き飛ばされた。

電気屋まで飛ばされた私たちはブリブリバンの情報を集めるためテレビを見た。そこで見たのは衝撃的な光景であった。国民が「町を壊すな」、「STOPブリブリバン」、「増税反対」というプラカードを掲げ、デモ行進をし、国会はブリブリバン禁止法を制定し、首相はブリブリバンに対し、「極めて遺憾」と発言している、というもので、二人は民主主義の偉大さを実感した。その後、デモ隊は踏みつぶされ、国会はへし折られ、首相官邸は逆さまになった。民主主義はもはや時代遅れであることを二人は実感した。

さらに深刻なのは、内閣が崩壊したことにより、自衛隊が動けなくなってしまったことである。せめて米軍基地が撤去されていなければよかったのだが。しかし民間人であれば合法的に戦えるはずなので、兵器をもらいに、自衛隊の基地に向かうことにした。

私は巨大ロボット「ニクマンジーZ」のパイロットに抜擢され、右手に東京スカイツリー、左手にエッフェル塔を装備し、ピロピロポンに対峙した。しかし、奴の放ったブリブリバンの直撃で、ニクマンジーZはジェンガのように崩れてしまった。私は警官と一緒に逃げるほかなかった。

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