第5話 意外なこと

(すっごくドキドキしたけど)

(足がガクガクしたけど)

私は、明風坊やに向かって歩き始めました。

(あのね、その超美女に、少し見覚えがあったから)


「明風君、おはよう!」

(明るい声で、ごあいさつした)

(せっかくだから、無理やり作った胸の谷間をブルンとしてあげた)

(カラダで迫るミス高田物産です)


明風坊やは、びっくりした顔です。

「あ、美緒さん?おはようございます」

(おや・・・タドタドしいぞ、さてはお色気作戦成功か?)


超美女が、私を見て、ニコニコしている。

「あれ、柏木美緒さん?」

(あ・・・思い出した)

(去年までのミス高田物産受付嬢、今は会長付秘書の超美女、枝村亜紀さん)

(同じ受付嬢で、やさしくご指導を受けました)


私はうれしかった。

(亜紀さんは、憧れ女性なので)

「はい、柏木です、おはようございます」

「お世話になりました、亜紀さん」

(でも、明風坊やが、また逃げようとしている)

(それを、亜紀さんが腕を掴んで、留めている)


明風坊やが、焦った顔です。

「亜紀ちゃん、もう、いい?」

(え?亜紀ちゃん?名前呼びで、ちゃん付け?)

(どういう関係?)

(・・・まさか、男女の?)


亜紀さん、苦笑いです。

(それも意味不明だ)


そして、明風坊やの頭を、軽くコツン。

「明風、あんたアホ?」

「こんな可愛い子に声かけられて、逃げるって、何なの?」

(え・・・可愛いはうれしいけど)

(亜紀さんの明風坊やへの、マウント感が解せない)


キョトン女となった私に、亜紀さんの「解説」が入った。

「あ、ごめんね、柏木さん」

(美緒ちゃんって、言って欲しいけど、今はその次をお聞きいたします)


「明風は、いとこなの」

(だから、美形か、そういえば、どこか似ている)


「それでね」

(亜紀さん、また、苦笑いだ)


「はい」


(明風坊やが、横を向いた)

(横顔も、すねた感じで可愛い、私もコツンして、ムギュしたい)


「明風は、女性恐怖症、特に柏木さんみたいな美女には、言葉が出なくなるの」

「ガチガチに、バリヤーを張るの」

(ほーーーそうなの?)

(私を美女と認めたんだね、よしよし、いい子だ)


明風坊やが、ここで発言です。

「余計なことを」

(すねてる!可愛い!)

「もう仕事に行くから」

(ちなみに明風坊やは広報部、マスコミ対応だよ)

(でも、また完全、逃げモードかな?)


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