第9話 親友VS従妹

 長野滞在中のお盆の翌週。

 お盆期間の長野は天気も良い日が多く、昨日まで猛暑が続いたが、今日はそれほどでもなく、天気も今一つだ。

 そして、我が家では、旧盆期間の喧騒が嘘だったかのように、両親はすっかり平日モードである。

 母さんは家にいることもあるが、会社から何かと呼び出され、また、会議だとかで会社にいることも多い。

 親父は相変わらずの仕事人間だ。

 姉貴はお盆のところで夏休みだったため、すでに戻ってしまっている。

 でも、連日車の運転を特訓してもらったので、まだ初心者マークを付けているが、運転もだいぶ自信がついた。

 まあ、母さんが、俺が運転できると知って、容赦なく買い物を指示してくるようになったのはちょっと面倒だが、居候状態だからこのくらいは普通だろう。

 ただ、こういった状況下なら、俺は一人でいることも多いし、みどりの襲撃を受けそうなものだが、夏休み中も進学補習とかで学校に行くことが多いらしく、俺を構っている暇はないようだ。ほっと一息。

 折角なので、少しのんびりと過ごさせてもらおうか、と思っていたら、

 スマホ鳴動。

 美鈴だ。しかも電話。何だろう。

「もしもし?」

「隆太、元気にしてる?」

 いきなり元気な美鈴の声。やっぱり美鈴はこうでないとね。

「おう、ヒマだけどね。」

「贅沢に時間使ってるね。ちょっと会えない?」

 なんだってえ?ちょっと勘弁してくださいよ。東京に行ってまたこっち戻ってくるって、結構大変だぞ。

「今何処にいるの?俺は長野に帰省中だけど。」

「大学で教えてくれてたじゃん、知ってるよそれは。私は今、軽井沢。」

 そういうことですか。でも、同じ県内だけど、結構遠いんだよね。

 そもそも、何で?

「1人でこっちに来たの?」

「高校の時の友達とで3人で来てるんだ。」

「そうなんだ、さすがにその中に飛び込むのは、気が重いなあ。」

 とりあえず、サークルの「友達」の3人のことは、忘れる。あれは、ももか先輩という俺を異様に気に入っている先輩の存在があるからこその話だ。

 それに、会ったことのない女子とどうコミュニケーションとればいいのかもわからないし、やっぱ遠いし。

「いいじゃない、サークルではいつも女子たちとつるんでるくせに。」

 うわ、しっかり把握されてた。言い返せない。でも、美鈴がこんな無理を言ってくるってことは、友達との関係で引けなくなったのかもしれないし、これはやむを得ないのかな。

「わかったよ。いつまでいるの?」

「明後日までだから、明日来てくれる?」

「了解。」

「楽しみにしてるね!」

 と通話が終了した。

 うん、行くなら前向きにいかないとね。俺も楽しみになってきた。

 折角だから、しなの鉄道で行って見るか。前から乗りたかったんだよね、時間もあるし。

 俺は、何となく明るい気持ちになったためか、珍しく実家の掃除を始めた。

 とはいえ、掃除は母さんがマメにやってるようで、綺麗なお家だなあって思った。


 今日は、母さんは社員さんたちと一緒にランチということだ。俺と二人だと、間が持たないと思ったのかもしれない。ただ、ありがたいことに、母さんは弁当を作ってくれていた。

 母さん、おいしいです。ありがとう。と素直に感謝する。

 そして、俺はそのお弁当を食べ終わって、一息つこうとしたところ、来客があった。

 もう午後1時をとっくに過ぎている。

 母さんには、

「うちは、訪ねてくる人も結構いるから、ちゃんとした格好でいること。」

 と言われていたので、応対しても大丈夫。

 ということで、行って見ると

「隆ちゃん、こんにちは。」

 来客は、可愛い女子高生でした。

「あれ、みどりちゃん、こんにちは。」

 と、俺が応えるや否や、

「お邪魔しまーす」

 と、私服ながら、進学補習とかだろうか、学校帰りらしく、少し重そうなカバンをもったみどりが勝手に上がり込んだ。

 おお、靴をちゃんと反対側にそろえて、きちんと躾けられてるなあ、うんうん、成長したんだなあ、でも、通ってる高校は制服とかないのかな・・・とかぼーっとしてしまったが、そうじゃねえよ、おいまて、と言いかけるも、みどりは、当然のことを普通にしてるんですよって感じで廊下を進んで行く。

 まあ、いいか。下手に逆らうと面倒だし。

 みどりは、勝手に奥に入って行き、俺が片付け損ねていた弁当容器を見て言った。

「あ、伯母さんにお弁当作ってもらったんだ、いいなあ。でも、ちゃんと片付けないとだめじゃない。」

 といいつつ、みどりは弁当箱を流しの方にもっていく。

「ありがとう、あとはいいよ。今母さんに作ってもらった弁当を食べ終わったところだったんだ。みどりちゃんは?お昼はどうしたの?」

「友達と食べたけど、隆ちゃんが一人だって知ってたら、一緒に食べてあげたのに。」

 悔しそうな顔のみどりタンも可愛いなあ・・・じゃないぞ、謹んで遠慮する。

「今日、母さんは会社で食べるらしいからね。たまたまだよ。」

 また、押しかけられても困るし。

「明後日からは、学校に行かなければいけないし、来週からは新学期始まっちゃうし、あーあ、残念。」

 なにこれ、マジで残念がってる顔も可愛いんですけど。

 でも、俺のために一緒に食べる、というより、自分のために俺と一緒に食べるだよな、やっぱり。

「今日は学校は午前だけだったの?」

「うん。でも結構宿題残ってるから、今日明日はそれやらないと。」

「そうなんだ。」

「ねえ、隆ちゃん、明日勉強教えてくれない?」

 何かヤバい予感。そもそも君、俺の高校時代より優秀だよね?

「いや、明日は出かけるんだ、ごめんね。」

「そうなんだ・・・。じゃあ、一緒に連れてってよ。」

 と、暗い顔から瞬時に明るい顔になったみどりが迫る。

 でも、勉強するんじゃないのか?宿題は?

「だめだよ、友達と会うので。軽井沢に友達と一緒に来ているらしい。」

「そっか、男の人の中に入るのはちょっとね。」

「あ、いや、そうだよな。」

 との俺の言葉を聞いたみどりの目がキラリンと光った、気がした。

「隆ちゃん、友達って、もしかして、女子?」

「な、何でそう思うんだよ。」

 動揺を隠せない俺。

 何でわかるんだろう、俺のこと。どいつもこいつも。女の子恐るべし。

「そうなんだ・・・、ん?そうですか。なら、私も一緒に行く!」

「待て待て、何でその発想になる?」

「いいじゃない、隆ちゃんのお友達って興味あるし、決まり!」

「勝手に決めるなよ。向こうの都合だってあるだろうし。」

「じゃあ、隆ちゃんのお友達が良ければOKだよね。」

「勉強はどうするんだよ、受験生でしょ?えと、結構宿題も残ってるんじゃないの?」

「大丈夫だもん。宿題は絶対に今日中に片付けるし。終わらなくても徹夜して終わらせるから!それに、受験勉強にはメリハリが大事なの!!」

 みどりのすげえ気迫に押される俺。

「まあ、そうだけど・・」

「電話して!!!」

 多段階で強力に押してきやがる。こうなると逆らわないほうがよさそうな流れ。

 美鈴に確認するしかないか。いや、親戚の子が来たので、キャンセル、の方向にしても良いかもしれない。

「わかったよ。」

 後ほどメールでいいんじゃね?とは思ったものの、逆らうと超面倒なことになることは明白だったので、俺はしぶしぶスマホを取り出して、電話帳を探って、電話をかける。

「美鈴さんっていうんだ・・」

 ・・覗き込まないでくれ。


 電話がつながると、美鈴はすぐに言った。

「隆太何?キャンセルはダメだからね。」

 いきなり何でしょうか。あはは、また見破られたのかな。オプションが消えてしまった。

 なので、話すことは少し修正。

「そうじゃなくて、美鈴に相談があって。」

「なに?」

「いやさ、その、従妹がさ、一緒に軽井沢行きたいっていうので、連れてっていいかなあ。」

「イトコ?いいんじゃない、あ、まさか小さい子じゃないよね?」

「高校生。」

「どんな子?」

「どんな子っていうか・・・」

 どう説明したらいいかなあと、俺はみどりをチラ見した、その時。

「ねえねえ隆ちゃん!」

 おい、電話中だぞって、お前わざと言ったな?

「あれ、今女の子の声が、もしかして、その子?」

「まあそう。」

「ふうん、そうなんだ・・・。まあ、隆太は断れそうもないよね・・」

 すみません美鈴さん、お察しの通りです。よくご存じで。

「いいよ、私の友達にも話しておくから。でも、隆太・・いや、いいよ、うん。連れておいで。」

 まあ、美鈴も断りにくいよな。

 そのとき、俺のスマホをみどりが奪う。

「なっ」

「もしもし、初めまして。隆ちゃんの従妹の吉岡みどりと言います。無理なお願いしてすみません。私、隆ちゃんと一緒にお邪魔してもいいですか?」

「あら、こちらこそ初めまして。私は野中美鈴です。いいよ、大歓迎。」

「ありがとうございます!」

 スマホを返すみどり。

「何だって?」

「歓迎してくれるって。」

 全くもう。

「あー美鈴、ごめん。」

「いいよ、随分と慕われてるみたいだねえ。」

 何でしょうか、ジト目で睨まれているような気が。

「何というか。」

「じゃあ、みんなでランチしようよ。11時に新幹線軽井沢駅の改札前集合。」

「了解。」

 ということで、通話は終了した。

「11時に軽井沢駅集合だって。なら、こっちを10時過ぎの新幹線で大丈夫かな。」

 みどりと一緒だと、新幹線のほうがよさそうと判断した。

 一方、みどりは、少し考えてから言った。

「あのさ、隆ちゃん、少し早めに行きたいんだけど、ダメかな?」

 うわぁ、その上目遣いでお願いするの、反則だよ。その雰囲気で言われちゃうと、断れないんだよ。・・・だって、可愛いんだもん。仕方ないなあ。

「まあ・・いいよ、でも勉強は大丈夫なのか?」

「さっき息抜きは必要だからって言ったよね!宿題は寝ないでやるから問題ないの!!」

 いや、問題だと・・うわ、そんなに怒らなくたって・・・。

「わかった、わかったから。でも、叔母さんには話しておかないとな。」

「私からいうからいいよ。」

「そういうわけにはいかない。今日はお家にいるの?」

「・・うん。」

 攻められると素直になるあたりも可愛いんだよな・・・じゃなくて。

「なら、電話してみる。」

 俺は、家の電話を使って、叔母に電話した。

「叔母さん、あの、明日なんですけど、みどりちゃんと軽井沢に行ってもいいでしょうか。」

「まあ、急な話ねえ。あ、もしかして、みどり、そちらにお邪魔してるの?」

「はい。」

「全くあの子は。私はいいけど、あ、ちょっとかわってもらえる?」

 里恵叔母さん、なんとなく状況を把握したみたいだ。そりゃそうでしょ、俺が積極的にみどりを誘うとかありえないし。

「みどりちゃん、叔母さんが話したいって。」

 みどりは、しぶしぶ俺の渡した受話器を受け取った。

「おかあさん、いいでしょ?・・・それは大丈夫。・・・それも今日やるから。・・・うん・・・わかった。」

 と会話終了し、受話器を俺に返すみどり。叔母さんがなに話したかは聞こえなかったけど、俺にとっては良い話とは思えないからいいや。でも、その笑顔、OKもらえたみたいだね。

 俺は叔母さんとの会話を再開する。

「みどりちゃん、勉強もあるのに、いいのかなあと。」

「いいのよ。ダメっていたりしたら、勉強止めるとか言い出しかねないからね。うん、明日はよろしくね。あ、良ければ2人でお泊りしてきてもいいわよ。知り合いがやってる宿手配してあげる。とってもムードのあるスイートルームよ。」

 叔母さん、恐ろしいこと言いだした。

 あのー、お母様?お嬢さん、明後日は学校に行くって言ってましたけど。

 でも、そんな事態になってしまったら、みどりは学校サボってでも俺と一緒にいるとか言いかねないな、あの勢いだから。

「い、いえ、ちゃんとその日のうちにお送りしますから。ご心配なく。お手配も無用で。」

「残念ねえ。」

 この人・・・マジだ。

「すみません、突然電話して。」

「いいのよ、隆太君。そうだ、こっちにはいつまでいるの?」

「決めてませんけど。8月いっぱいぐらいかなって思ってます。」

「そう、じゃ、またね。休みのうちに、うちにもいらっしゃい。」

「ありがとうございます。失礼します。」

 ふー。何で俺が緊張しなければいけないんだろう。

 一方のみどりは、

「わーい、隆ちゃんとお出かけだ。朝一番の新幹線で行こう!」

 とかはしゃいでいたが、俺が疲労に輪をかけた状態になることは目に見えていたので、何とかみどりを説得し、結局1時間くらい前に着く新幹線ということで、納得してもらった。

 しかし、徹夜で宿題済ませて、朝一番でって、受験生の発想じゃないだろ?体調崩したらどうするんだよ、全くもう。


 そして、当日。

 俺は、長野駅で待ち合わせにしたかったのだが、みどりは家に迎えに来いとのことで、押し切られていた。

 しょうがねーなー、と思いつつ、吉岡家に向かう俺。

 だって、可愛くお願いされたんだもん。しかたないでしょ?

 まあ、徒歩圏ともいえる距離だからな。みどりが学校帰りにうちに寄れるくらいの距離だから、手間とか時間は気にならない。

 まあ、俺の実家は、みどりの学校帰りにわざわざ寄る気になるような位置でもないとは思うけど、そこを考えるのはやめておこう。


 吉岡家に行くと、叔父さん、叔母さん、みどりが出てきた。

 みどり、間違いなく徹夜はしてない感じだ。成績優秀らしいし、宿題はさっさと片付けたのだろう。

 とりあえず、吉岡ファミリーに挨拶する俺。

「おはようございます。」

「おはよう、隆太君、今日はみどりをよろしくな。」

「はい。」

「じゃあ、私は仕事に行くから。またうちに遊びに来いよ、昔みたいに。」

「ありがとうございます、いってらっしゃい。」

 叔父さんは手を上げて応えると、行ってしまった。

 さすが社長、出勤時間はフレックスか。

 いや、8時台だし、職場は近いってことだし、通常通りということか。

 とか考えていると、

「お父さん、みどりが心配なのかもね。」

 と、叔母さんがぼそっと言った。

「何言ってるの?隆ちゃんだから安心だよ。」

「だから心配してるのかもね。隆太君の機嫌を損ねるようなことをしでかすんじゃないかって。」

 それ、叔母さんの変な冗談のせいの気がしますが。シャレになってないやつ。ん?え?なにそれ、叔父さんも了承済みなんですか?叔母さんの婿養子GETプロジェクト。

「まあお父さんは大丈夫だし。隆太君、今日はよろしくね。でも、よかったの?」

 何が大丈夫なのかはスルーするにしても、はて、でも、よかったのって何?これも嫌な予感がするぞ・・・。

「何がですか?問題ないと思いますけど。友達も歓迎してくれていますし。」

「そうじゃなくて、宿手配しなかったのだけれど。」

 やっぱそっちかよ、ほんとにマジだったんだな、叔母さん。

「ちょっとお母さん、やめてよ。」

 娘はもう少しまともだったようだ。

「先に決められるのは嫌だけど、流れでその場で決まるのがいいな。」

 ・・・まともじゃなかった。

「そうね、行ってらっしゃい。」

 そうね、じゃないです。お嬢さんは嫁入り前ですよ?娘を送り出す前の母娘の会話として、おかしくね?

 一応、冗談好きの母娘ということにしておきますが。

「あはは・・、行ってきます。」

「行ってきます!」

 異様なほど元気なみどりである。


 歩き始めて、ふと気が付くと、みどりちゃん、その服、可愛い。小さい花柄模様のワンピース、ってやつですか。

 髪は風でさらさらと、トップにはリボン。可愛すぎる。

「隆ちゃん、どうしたの?」

「いや、今日の服、可愛いなあ、髪もリボンも可愛いし、似合ってるって思って。」

「・・ありがと。」

 ちょっと照れ臭かったらしい。

 みどりは、攻めてくるときはおいおいって思わされるけど、受け身になると年相応って感じで、可愛いんだよね、うんうん。かーいーかーいー。てへ。


 吉岡家から長野駅は割と近い。

 歩けなくはないけど、みどりと一緒ということもあって、電車に乗っていく。

 本数は少ないってことだったから、事前に時間を調べて行動している。けど、何だろう、地下鉄みたいだ。車両も見たことある気がするし、ちょっと不思議な感じ。

 そして、終点の長野駅で乗り換えだ。新幹線のチケットを買って、新幹線を待つ。

「ねえ、隆ちゃん」

「どうした?」

「あのさ」

 もじもじと言いにくそうなみどり。

「みどりちゃん、もしかして具合悪いの?」

 さっきまであんなに元気だったのに。

「違う・・今日はさ、その、みどり「ちゃん」ってやめてくれないかな?」

「え?」

 そして、意を決したように言った。

「今日は、私のこと、「みどり」って呼んで。」

「まあ、みどりちゃんがそういうなら、いいんだけど。何でまた?」

「だって、子ども扱いされてるみたいだし。それに、隆ちゃん、あの人のこと「美鈴」って呼んでた。」

 う、頬を膨らませているみどりも可愛い。

 でも、「あの人」って、なんか嫌な予感がする。

「わかったよ。みどり。美鈴は友達だから、彼女じゃないんでそこは間違うなよ。」

「わかってるもん。大丈夫ですよーだ。でも、「みどり」かあ、えへへ。」

 まあ、とりあえず、喜んでいるみたいだし、いいか。可愛いし。


 新幹線はやっぱ早い。

 長野から軽井沢は30分だった。

 再び元気を取り戻したみどりと会話で盛り上がっていたってこともあるけど、あっという間だった。

 着いたのは10時。待ち合わせまであと一時間。

 外は、雨が時々パラパラ降ってくる感じで、半そでだとちょっと涼しい感じだが、みどりのパワーはそんなことでは削がれないだろうな。

「さてと、みどり、どっか行くとこ決めてるのか?」

「決めてないけど、あっちの駅前のお店とか見て回りたい。」

「わかった。」

「ねえ、隆ちゃん・・」

 今度は、何でしょうか。こうなったら、何でもいいぞ。

「手つなぎたい・・いや、やっぱり恥ずかしい。でも、私が腕つかむくらいなら、いいよね。?」

 なんか恋人っぽくね?とはいえ、その頼み方されると、答え一択じゃないか。

「いいよ。今日はみどりの思うようにしていいぞ。」

 言ってから、ちょっとヤバいかな、と思ったが、みどりは真面目な子だと信じているので、大丈夫だ。決して、みどりが可愛いから、俺の思慮が浅くなっているわけではないんだぞ。

「隆ちゃん、大好き!」

 とか言いながら、腕を絡ませてくるみどり。

 いや、後悔はしないぞ。ちょっとドキドキしてるけど。

 周りの、若い子は微笑ましいねえっていいたげな視線も恥ずかしいけど。

 いや、傘1本なので、この天気では、この状態が普通なんです。


 それでも俺は、所詮従兄妹同士だからか、腕をつかまれて歩いていることにもすぐに慣れてしまった。そういえば、中高生の頃は、手つないで遊園地で遊んだこともあったし。今思うとよくそんなことできたなあ、だけど、妹同然ってことだったから当然と思ってた。

 それにしても、みどりは、本当に楽しそうだ。

 やっぱ、高校生の女の子なんだなあ、と改めて思う。

 それに、腕をつかまれてはいるけど、密着という感じでもなくて、なんというか、「いろいろ当たってる」感はない。そのあたりに、みどりの品の良さを感じる。

 いや、そもそも迫ってくるようなことしてただろ?って言うかもしれないけどさ、あれは誰も見てない家だったし。

 いい子に育ってくれたなあ・・・なんて、親戚のおじちゃんみたいだな、俺。

 そんなことを思ってたりもしたのだが、ふと気が付くと、駅周辺のお店を見て回っているだけで時間はどんどん過ぎて行き、時計は、10時50分を少し回ったところを指している。

「みどり、そろそろ行かないと。」

「そーだね、隆ちゃん。」

 2人で駅に戻っていく。


 駅の改札に向かっていると、反対側から美鈴たちが歩いてくるのがわかった。

 みどりがつかんでいる手の反対の手で、美鈴に手を振ってみる。

 美鈴も気が付いたみたいで、手を振り返して・・・

 っと、何?

 みどりが手をホールドして、少し密着してきた、というか、他人が見たら、密着した恋人同士に見えそうな感じになった。

 もしかして、みどり、緊張してるのかな。

 ちょっと歩きにくいが、そのままの体制で、俺たちは美鈴たち3人組と向き合う。

 女子たちは髪の長さがみんな違う。ミディアム、セミロング、ショートときた。

 でも、髪の色は、基本黒い。このあたりは、いつもの俺の周り感というのか、何というのかいつも通り感があって、ちょっとほっとする。別に髪の毛の色だけで判断したりはしないんだけど。ちなみに、男の友人は、四井と木村がブラウン系に染めている。

「美鈴、久しぶり。」

「隆太も元気そうで何より。みどりちゃんは電話で話したけど、初めましてだね。野中美鈴です、よろしくね。」

 ミディアムというか、ショートボブが伸びた感じの美鈴の髪を久しぶりに拝んだ。

「吉岡みどりです。高3です。今日は突然なのに隆ちゃんと一緒に来ることを許してもらって、ありがとうございます。」

 みどり、密着から少し控えめにはなったが、相変わらず俺の腕を離すことはないままで、お辞儀しつつ、言うことはちゃんとしてる。

「わあ、可愛いー。高校生カップルみたいだね、みどりちゃんと、えと、高階君、私は美鈴の高校時代の友人で、中町なかまち沙友里さゆりです。よろしくね。それで、これが・・・」

 中町さん、レイヤーが入ったセミロング、そのさらさら感がいいな。うん、かーいーかーいー。てへ。

「ちょっと、これって何。私もこの2人の高校時代からの友人で、沼口ぬまぐち雅代まさよです。よろしく。」

 ショートヘアのしっかりした雰囲気の子だ。3人の中で一番落ち着いてる感がある。

 しかし、高校生カップルって、俺、そんなに若いかなあ?可愛い、は、みどりに対してだと思うけど。

 何だか、美鈴が俺に何か話したいみたいなんだけど、みどりが間に入っていて、話せないんですけどって顔してる。

 あ、みどりと美鈴の目が合った。

 微笑みあってはいるけど、なんだろう、バチバチ感が半端ねえ・・・。ていうか、美鈴が押されてる・・・?

 最後に俺が、

「高階隆太です。美鈴の・・いでで」

 ちょっとみどり、痛いんですけど。

「高階君の情報は事前に美鈴から聞いてるから安心して。」

 と、中町さんが微笑まし気味に俺たちを見ながら言った。

「紹介が終わったところで、ちょっと早いけど、ランチの場所探しに行こうか。」

 と、続ける中町さん。

「そうね、そうしよう、みどりちゃんもいい?」

「はい。」

「雅代もいいよね?」

 と、美鈴が沼口さんに問う。

「いいよ。」

「なら決まりだね、じゃあ、行こうか。」

 あのー、俺の意見は問わないのでしょうか。まあいいけど。

「隆ちゃんと私の意志は一緒だから言わなくていいの。」

 と、耳元でささやくみどり。何で俺の胸の内がわかるんだ?それにくすぐったいから耳元はやめてほしい。


 結局ランチのお店に入ったのは、それから30分以上経ってからだった。

 そう、若い女の子が4人もいるわけで、

「ちょっとここ見て行こうよ」

 みたいな感じで、俺もみどりに引きずられるようにお店に入って行く。

 あいにくの天気だけど、傘が必要ない場所が多いのがありがたい。

 そんな冷静な俺だったけど、みどりは、中町さんと気が合うのか、あれがさ、これがさ、どうとかこうとか、それなに、きゃーきゃー、みたいに2人で話している。

 そうすると、必然的に美鈴と沼口さんが一緒になって回っているのだが、これもまた、控えめながら、あれいいこれいい状態で、まあ楽しそうなこと。

 中町さん、結構フレンドリーな女の子で、

「これいいよねー、隆太君はどう思う?」

 とか、いつのまにか俺をファーストネーム呼びになってる。

「隆ちゃんと私は好み同じだから、良いに決まってるよね、ね、隆ちゃぁん」

 みたいな感じで、俺を離さないままの状態で言うものだから、違うだろって思っても否定できる状況ではない。

 それを見た中町さん、生暖かい目で俺たちを見るの、やめてくれますか。今の状況、俺、実は、結構恥ずかしいんです。特に、中町さんみたいに可愛くて素敵な人に微笑みと共に見られるのは。はい。


 そんな感じで、俺はようやくレストランにたどり着いた感がある。

 12時にはなっていないので、満席まで行っていないが、俺たちのあとにも何組かが入って、たちまち満席になってしまった。

 みどりは、俺の腕を離さずに、席に座ったため、俺は押し込まれるように座った。

 席の並びは、奥から、俺とみどり、対面は、奥から、中町さん、沼口さん、そして美鈴という並びだった。

 女の子たちは盛り上がっていて、スマホで写真の取り合いとかもしてたが、まあ、俺も不愛想な顔して逆らっても後が怖いし、ということで、一応、ノッてるって顔で混ぜていただきましたよ。これはやむを得ないことですよね?必要最小限の対応ですよね?仕方ないですよね?

「ねえ、みどりちゃん、隆太君を離してあげて。お料理食べにくいと思うから。みどりちゃんもその体勢だと食べられないよ?」

 との中町さんの言葉に、みどりは、中町さんを見て、そして美鈴をちらと伺い、その後素直に手を離した。中町さん、ホントにありがとー!

 俺は、心の中で中町さんに感謝の気持ちを伝えるべく、アイコンタクトを試みる。あ、すげー、中町さん、一瞬の微笑みを返してくれた!可愛い!コミュ力半端ねー!かーいーかーいー!!

「大丈夫だよ、私たち隆太君を連れて行ったりしないから。」

 と、優しい顔で微笑みつつ言うのは沼口さんだ。彼女も俺を隆太君と呼称している。そっか、美鈴、事前に俺のこと話したんだな。どうせ、あることないこと吹き込みやがっただろうけど。

 そんな感じで、食事中もわいがや状態だったが、みどりから解放された感もあって、余裕の食事の俺だった。

 ふと前を見ると、中町さんの袖が料理に触れそう・・・教えてあげなきゃ、と思ったとき、中町さんと目が合った。

「?」って顔の中町さん。

 俺は、視線を下に向けた。

 中町さんは、瞬時に把握したみたいで、腕を上げ、そして俺に微笑んだ。

 感謝の意と捉えた俺は、どういたしまして、の思いとともに微笑みを返した。

 なんか、言葉はいらない気がしたんだよ。

 そんなこともあったが、その後は、中町さんと沼口さんが、みどりをうまく話題の中心にもっていってくれて、美鈴もその中に入れるようにうまく話してくれたおかげで、みどりも美鈴と普通に話すようになってくれてよかった。

 中町さん、沼口さん、本当にありがとう。

 ランチ終了後、もう雨は降っておらず、曇天ながら明るくなった感じだった。

 そうなると、女の子の集団のお店巡りパワーはさらに加速する。

 ただ、みどりは相変わらず俺にくっついてはいたが、手を離すこともあり、美鈴と会話することも多くなった。

 ある店では、

「美鈴さん、これ隆ちゃんに似合うと思いませんか?」

「みどりちゃん、それいいわねえ、ちょっと隆太、これ試着してみてよ。」

 みたいな感じで、お約束の着せ替え人形となった俺である。

 さらに、いくつかは買わされたことは、ご想像のとおりだ。

 中町さんとも結構話した。今日会ったばかりだけど、既に前からの友達だったみたい。

 そんな楽しい時間だったが、終わりも近づいてくる。

 みどりは、

「長野では、私が隆ちゃんに尽くすので、東京では美鈴さんにお願いします!」

 とか、わけわからんことを言う始末だったが、美鈴は意図をちゃんと汲み取って、

「そうね、東京では私が隆太をフォローするから、長野ではみどりちゃんが隆太を助けてあげてね。」

 と、大人の対応だった。

 しかし、最大の功労者は、中町さんと沼口さんだな。諸々アドレス交換したから、あとでよくお礼言っておこう。


 夕方、俺たちは、美鈴たち3人に見送られて、新幹線の改札から、ホームに向かった。

 振り返ると、なんだろう、後輩のカップルを先輩たちが送っているかのような雰囲気じゃないか。すげー恥ずかしい。

 でも、一応、振り返って手を振った。

 みどりも、名残惜しそうに大きく手を振っていた。


 帰りの新幹線が駅を出るとすぐ、みどりは話し始めた。

「隆ちゃん、今日はありがとう。良い気分転換になった。」

「そうか、それならよかった。」

「私、美鈴さんに悪いことしちゃったかな。」

 さすがに自覚してたか。

「大丈夫だよ、最後の方は仲良くなってたじゃないか。」

「そうだけどさ、美鈴さんにはやっぱりかなわないかな、私。」

「大学2年生の女子だからね。みどりも大学生になれば、追いつけるよ。」

「それに、沙友里さんだって・・・いいや。今日は、ありがとうね、もう「みどり」はいいよ。やっぱ、隆ちゃんには「みどりちゃん」って呼んでもらいたい。そうだよ、私は隆ちゃんの従妹だもん、ずっと。」

 俺は、中町さんの名前が出てきたことが少し引っかかったが、それでも、みどりが本当に楽しく過ごせたようだったのが、ほっとしたし、嬉しかった。やっぱ、実質妹なんですよ、この子は。


 そのあと、みどりは、自分の志望について話を始めた。

 東京の大学に関しては、俺がいるから、というよりも、東京に出てみたいというのがまず先にあったみたいだ。

 そして、どうせなら俺と遜色ないところにと思って、うちの大学の情報工学科に行きたいと考えるようになったらしい。

 しかし、勉強を進めたら、模試の成績が結構上位になってしまい、私立最難関どころか、国立も最難関を十分狙える、のような結果が、たまたま(本人が、そう表現したんだ)夏休み前に出てしまって、もともと高校の成績も相当な上位をキープしてきたこともあったから、引っ込みがつかなくなったとのこと。叔父さん、叔母さん、先生方も期待してるのがわかって、結構重圧になっているみたいだった。

 俺は、もちろんみどりには言わなかったけど、今後、現役生で伸びる奴は結構伸びるから、みどりのように中途半端な志望だと、最後の頑張りで負けてしまうような気がした。

 俺は、みどりに偉そうに言えるような人間ではないけれど、これだけは伝えておこうかなと思って、

「みどりちゃんだったら、先生方の期待に応えられるような結果を出しうると思う。でもね、他人のため、って結構頑張れないんだ。やっぱりね、自分のため、でないとね。それからね、背伸びはしすぎてはいけないって俺は思ってるんだ。俺はね、第1志望の国立には落ちてしまったけど、今の大学のコースで本当に良かったと思ってる。背伸びをして入っても、周りに合わせるには、背伸びを続けるしかない。もちろん、絶対そこに行きたいっていうなら、別なんだけど、俺の場合は、そこまでの志望ではなかった。偏差値とか、合格可能性とかで考えて、うまくいけば、合格できるかなというような志望動機だった。

 俺の大学はね、オープンキャンパスとか、学祭とかにも行って見て、一番合ってるのかなって思えたんだ。結局、A判定が出ないままで、そこに入れたのは、そういった思いも結構大きかった気がする。

 みどりちゃんだったら、多分、どこでも頑張れるとは思う。でもね、4年間、勉強だけじゃなくてね、いろんな人と出会って、いろんなことを考えて、いろんなことをやってみて欲しいんだ。そのためにはね、俺は、身の丈というのかな、もちろん、卑下する必要はないけど、そういったことも考えた方がいいのかなって思う。

 このあたりは、否定する人もいると思うけど、俺はね、ある程度の余裕があった方がいいと思うんだ。

 俺自身もね、大学に入って、勉強も結構頑張って、単位もよい成績で多く取れているけど、サークルとか同じコースとかの友人たちにも恵まれて、そいつらとも楽しく過ごさせもらってるんだ。

 それはね、ある程度の余裕があるからだと思うんだ。」


 みどりは、俺の長い話をちゃんと聞いてくれた。

 そして、

「ねえ、もしも、私が東京の大学に合格して、そこに行くとしたら、隆ちゃんは私のこと、そばにいて大事にしてくれるかな、その、美鈴さんよりも。」

 俺は即答した。

「うん、約束するよ。美鈴は大事な友達だ。でも、美鈴以上に大事にできるよ。なんて言っても俺の従妹だからね、みどりちゃんは。大事な従妹だから。」

 みどりは、

「そっか。わかった。」

 と言っただけだった。


 新幹線の30分だけでは足りず、駅近のコーヒーショップで俺とみどりは話をしていたのだが、最後に、

「あのね、隆ちゃん」

「何だい?」

「志望大学・・・やっぱり、いいや。」

「そう。」

 その時は何を言いたかったのかはわからなかったが、思い返すと、みどりは、地元の大学を志望することを伝えたかったのかなって思った。


 コーヒーショップを出て、俺もちょっと疲れたし、みどりはもっと疲れただろうと思ったから、俺はタクシーを使ってみどりを家まで送り届けたのだが、

「ちょっと待っててね、あ、逃げちゃだめだよ。」

 と家の中に入って行くみどり。

 そして、叔母さん、予想どおり登場!

「隆太君、今日はありがとね、みどりも楽しかったみたいで。さあ、上がって。」

「いや、叔父さんもお疲れでしょうし、今日は帰ります。」

「そんな気を使わないで。それにあの人、今日遅いんだって。ね、夕食も用意したの。あ、お義姉さんにも言ってあるから、大丈夫よ。」

「わかりました、お邪魔します。」

 ということで、俺は叔母さんの手料理を美味しくいただいた。

 これが半端なくおいしくて、ものすごく手間をかけて作ってくれたことがわかり、恐縮するのみ。

 母さんの料理は、手間をかけずにおいしく、というコンセプトのため、影響を受けた姉貴の料理もそうだし、さらに姉貴の指導を受けた俺もそんな料理しかしない。

 もっとも、母や姉貴の料理は、何でそんなにすぐ、そして、こんなにおいしいの、みたいな感想で、俺の料理などははまだまだだなあって思った。

 さて、お料理も堪能させていただいたし、そろそろお暇しようと思ったら、

「隆太君、お風呂沸いてるよ。それから、みどりの部屋に布団も並べて敷いたから、今日は泊ってね。」

 などと、訳の分からないことを言いだしたので、とりあえず、俺は逃げないとまずい、という結論を得た。

「いや、今日は帰ります。」

「遠慮しなくていいのに。昔は、みどりと一緒にお風呂に入って、みどりの部屋で一緒に寝てたじゃないの」

 一緒にお風呂は、みどりちゃんが幼稚園の時までですっ。まあ、俺が小学生の時までは、みどりの部屋で、布団を並べて寝てたことは認めますけど。

 みどりは、その話を聞いて、

「わあ、懐かしい、見に行きたい」

 と自分の部屋に向かった。

 そのすきを突いたような感じで、叔母さんが封筒を出してきた。

「これ、今日の交通費とか、お買い物の足しにして。随分とお世話になってしまったみたいだし。先に渡そうかなとも思ったのだけれど。」

「そんな、受け取れませんって。」

「いいのよ、あ、こんなことだけで吉岡には来てもらわないから。結納金どーんと積むから大丈夫よ。あ、もちろん月々のお小遣いは別にタップリあるから安心してね。」

 叔母さん、怖いですそれ。安心できません。それに、そうですよね、男が婿養子の場合、奥さんの実家が結納金用意するんでしたよね。叔母さん、ガードマンにジュラルミンのケース持たせて結納金持ってきそうで恐ろしい。

 結局俺は、お泊まりは固辞したものの、2人分の交通費+買い物+食事代をはるかに上回るお小遣いをいただいてしまった。

 まあ、婿養子は別の話らしいし、結構お金使ったから、本当に助かりますけど。


 翌日の夜、美鈴からメッセージが入った。家に戻ったらしい。

 <随分従妹手なずけてるよね>

 <小さいころから懐かれてるだけだし>

 <従妹にも手出すなんてクズだね>

 <手なんて出してねえし。そもそも「にも」って何?>

 <知らないけどどうせそうに決まってるし。>

 <俺は品行方正だっつーの。>

 こんな感じで、すげー拗ねてる感をどんどん醸し出してくる美鈴をメッセージアプリでなだめるのに、俺は数時間を要したのであった。

 そもそも、お前が俺を呼び出したのが一番まずかったんだぞ。

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