耳の中に『耳卵』ができることがある世界。耳卵からは人間に似た『似人』が産まれ、どんどん大きくなって知能も高くなる。
だが、似人に人権は認められていない。
主人公は、当初は決められた通りに、孵った似人を全て引き渡すことに抵抗はなかった。
しかし、何気ない行動によって聞こえた「音」をきっかけに、似人の扱いに疑問を持っていく……。
似人の正体が何であるのか、はっきりとはしない。
人間に似た、人間に都合のいい存在なのだろうか。
だが人間に、似人の全てを奪う権限などあるのだろうか。
不思議な生き物と、それをどうするべきか悩む主人公。
「二人」がどうなるのかは……あなたが確かめてほしい。
耳の中に卵ができるホラー…と思いきや、未来の現実世界で問題になるかもしれない出来事とリンクした、社会派ストーリーです。
将来、私たちが生きる世界ではロボット技術が進み、アンドロイドと呼ばれるような、限りなく人に近い存在と生活を共にするようになるかもしれません。
そんなとき私たちは、私たちに近い存在を同じ人間と扱えるでしょうか?生まれ方も育ち方も違う、けれど見た目は人と変わらない存在を、人として接することができるでしょうか…?
やがて人類が直面するであろう課題を突きつけられるような物語です。
とても素晴らしい作品を読ませていただきました。