第3話 真夏の蝉時雨と豪雨の夜の守り
七月の真夏、豪雨が突然訪れた。放課後、豆大の雨粒が地面に叩きつける中、柚希は空地のひまわりを心配して飛び出そうとした。その瞬間、理奈が彼女にレインコートを掛け、「一緒に行こう」と言った。
校庭の隅には、陽太がプラスチックシートを扛ぎ、豪雨の中でひまわりを守ろうとしていた。三人は雨に打たれながら、シートをカツラの木に縛りつけ、ひまわりの茎を杭に固定した。雨が衣服をずぶ濡れにし、指先が凍えるほど冷たくなったが、誰も文句を言わなかった。
ひまわりが無事に守られた時、三人は樟の木の下に寄りかかり、息を切らしながら笑った。雨粒が頬を伝い落ち、泥だらけの姿は狼狈だったが、笑顔は真夏の太陽よりも輝いていた。
帰り道、三人は一つの傘の下に寄り添って歩いた。陽太の肩は雨に濡れていたが、「雨が止んだら、ひまわりは必ず咲く」と笑った。理奈は眼鏡の水滴を拭き、「開花は九月になるだろう」と少し躍起になって言った。柚希は二人の横を歩き、心の中は暖かく満たされた。この豪雨の夜、三人の絆はさらに深まった。
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