第4話 幼馴染再確認。

今日は決戦の日。


「まだ時間があるな」


俺は集合時間の30分前に集合場所に来ていた。


あとはなんとか仲のいいふりを佐藤さんとすればいいだけ。


ふふ、覚悟しろよメインヒロイン様!


「おはよう!早いんだね!」


羽馬さんが1番に来た。


「30分前行動が習慣付いているから」


「ふふ、なんだか昔の人みたい」


そ、そうなのか?


おっさんだから若いもんの考えがわからん。


「羽馬さんこそ早いじゃん」


「私はなんと言うか性分だから」


「へえー意外だな」


「そ、そうかな」


「ああ、なんだか遅れて来てごっめーんとかしてそうだなって」


「武藤君の中の私ってもしかしなくてもかなり残念な人?」


「いや、と言うよりそれを許してもらえるような愛嬌ある人って感じ」


メインヒロイン様だしな。


「私愛嬌あるかな?」


「うん?言われてみたら明るくて元気なイメージだけど愛嬌はないかも?」


なんだかチグハグなイメージなんだよな。


「でしょ?だからそんなことしないからね?」


「お、おお。そうだな」


「あ、誠もう来てる!」


そんなことを話していると佐藤さんが来た。


「おお、萌も来たか」


「え!?2人って名前で呼び合ってるの!?」


桜木がするであろうと思われた反応を先に羽馬さんがしてくる。


「ああ、俺たち実は少し仲良くてな」


「そうなんだよねー!」


「そ、そうなんだ」


なぜか少ししゅんとする羽馬さん。


「どうかしたの?羽馬さん?」


佐藤さんも変に思い心配していた。


「なんでもないよ。大丈夫」


なんでもなくない奴のセリフだな。


まあ、本人がそう言ってるんだしいいか。


それを聞いて佐藤さんも仕方なく引き下がる。


「おお、みんな来てるな!」


そう言って桜木が来た。


「ほんとに北見もいる!?」


「おお、いるぞ」


お化けを見た。みたいな反応だった。


「当たり前でしょ!誠は私の友達なんだから」


「誠!?なんで名前で呼んでるんだ萌!?」


「なんでって私たちそれなりに仲がいいからね。ね、誠」


「おお、そうだな萌」


「北見まで名前呼び・・・・・・」


みるからにショックを受けている桜木。


作戦は成功。


「ほら案内するんでしょ?行くよ。智哉」


「あ、ああ」


2人が先に歩き出す。


「羽馬さんも行こうか」


「う、うん」


こうして三人での街案内がスタートした。


まず向かうのは大きなショピングモール。


ここらは田舎で大体大きな買い物はここにみんなきている。


「ここなら大概のものは揃ってるから」


「ほんとだね!」


「でも確か羽馬さんって都会出身だからつまらないでしょ?」


「全然そんなことないよ!新鮮で楽しいよ!」


本当に楽しそうである。


「こら!智哉も何か紹介しなさいよ!」


「あ、ああ。そうだな俺は」


そう言ってお気に入りのスポーツ店を紹介していた。なんでも部活の助っ人に入るくらいスポーツは好きなんだとか。ただ、部活は自由がなくなるからいやらしい。


「羽馬さんはスポーツ好き?」


「うーん。私スポーツ苦手なの。ごめんね」


「いいんだよ!気にしないで!」


慌ててフォローに入っている桜木。


「誠はどこ紹介するの?」


うーん。そうだな。あまりお勧めしたくはないが仕方ない。


「俺はここだな」


そう言って来たのは喫茶店だった。


「ここはコーヒーが美味しいだよ」


「へえー誠は趣味が渋いね。かっこいい」


「そ、そうか?おじさん臭くないか?」


「そこがいいんじゃん。ね、羽馬さん」


「うん!いいと思う!」


おっさんだから若者に褒められると喜んでしまうな。


「でも、私コーヒー無理なんだよね」


羽馬さんが申し訳なさそうに言う。


「カフェオレも?」


「カフェオレは飲んだことないかな。一度飲んだブラックが不味くて苦手意識出たから」


「なら、飲んでみよう。カフェオレなら甘いから」


「賛成!私カフェオレ好き!」


「お、俺はブラック飲めるぞ!」


「強がらなくていいよ。智哉はブラック飲めないでしょ?」


「ふん!飲める!」


「子供なんだから」


「まあ、こう言うのは慣れだからなそのうち美味しいと思えるかもしれないしいいんじゃないか?」


「誠がそう言うならいいけど」


「なんか面白くない」


「うん?何がなの?智哉?」


ニヤニヤして聞く佐藤さん。確信犯だな。


「なんで幼馴染の俺より北見の言うことを信じるんだよ」


見事な嫉妬だな。


よし。ここだな。


「逆だな」


「逆?」


「ああ、桜木のことをよく知ってるから止めてくれてるんだよ。だってそんなことで桜木のことを嫌いになんてならないしカッコ悪いなんて思わないからな」


「そ、そうなのか?」


「あ、当たり前じゃん。私たちずっと一緒にいるんだからそんなので嫌いになんてならないしカッコ悪いなんて思わないよ」


「そ、そうか」


桜木は顔を赤くして照れていた。


まあ、佐藤さんも顔は赤いのだが。


「ふふ、2人は本当に仲がいいんだね?」


「そうだな」


「ま、まあずっと一緒だったからな」


「そ、そうね」


2人して顔を赤くして下を向く。


「まあ、とにかく中に入ろう」


そうしていい感じになったところで喫茶店に入った。


中に入り俺たちはテーブル席に座る。


「わあ、レトロな感じがオシャレだね!」


羽馬さんは感動していた。


「ああ、いいだろ?」


俺の自慢のお店だ。


「なんか落ち着くな」


桜木も気に入ったみたいだ。


「誠は趣味がいいね!」


「お、俺はダメか?」


「ふふ、そんなことないから。智哉は智哉でいいんだよ?」


「よ、よかった」


なかなかいい感じになっているな。よしよし。

 

俺たちはそれぞれカフェオレ3つとブレンドコーヒーを頼んだ。


しばらくして運ばれて来た。


「おお、オシャレだな」


「うん!すごくいい匂いだしいい感じ!」


そうして2人は一口飲む。


「「美味しい!」」


「ふふ、そうだろ」


自慢の店だからな。


「ほんと?苦くない?」


「うん!苦くないよ。甘いから飲んでみて!」


「わ、わかった」


羽馬さんは恐る恐る一口飲む。


「!?」


「美味しいだろ?」


「うん!甘くて美味しい!」


さすがメインヒロイン。笑顔が眩しい。


こうしてゆっくりとした時間を過ごした四人だった。






















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