第15話 特別個室での秘め事

白目を剥き、床にへたり込んだままピクピクと震えている鬼龍院大臣。燃えるような赤髪のアップスタイルが乱れ、眼鏡がズレたその顔には、先ほどまでの「鉄の女帝」の面影など微塵もなかった。


「だ、大臣! しっかりしてください……っ! 直人様、奥に『特別個室』がありますの。そこで彼女を休ませてあげましょう」


椿学園長が震える声で提案する。彼女自身も直人の放った濃厚なフェロモンに中てられ、足元がおぼつかない。爆乳がスーツの隙間からはみ出し、呼吸は荒い。


「わかりました。僕が運びますね」


直人はお人好しな笑みを浮かべ、ぐったりとした大臣を軽々と「お姫様抱っこ」で持ち上げた。35歳の成熟した女性の身体は驚くほど柔らかく、密着した胸の弾力が直人の腕にダイレクトに伝わる。


( 大臣の身体、めちゃくちゃ柔らかいな! 抱っこした瞬間に伝わるこの肉感……最高だ!!)


直人の中の「猿」が満足げに喉を鳴らす中、一行は学園長室の奥にある、最高級の調度品が揃った完全防音の「特別個室」へと大臣を運び込んだ。



大臣を広いベッドに横たえた直後。バタン、と重厚な扉が閉まると同時に、部屋の空気が一変した。


「……もう、限界ですわ」

「……そうです。私たち、ずっとお預けを食らっていたんですから」

「直人様ぁ……ももかも、もう我慢できませんんぅ……」


椿、そして護衛の蓮とももかの三人が、獲物を狙う肉食獣のような瞳で直人を囲む。


「え、えっ? みんな、どうしたの――うわっ!?」


次の瞬間、三人が一斉に直人に飛びついた。

椿が直人の頬に、蓮が耳元に、ももかが首筋に。熱い唇が雨のように降らされ、甘い吐息が直人の理性を削っていく。


「ちょっと、みんな力強っ……!? うお、シャツが……ッ!」


ブチブチッ! と景気のいい音を立てて、直人の制服のボタンが弾け飛んだ。三人の乙女たちの、男性を渇望する「底力」は凄まじい。直人はあっという間に上半身を剥き出しにされ、ふかふかのソファーへと押し倒された。


(うおおお! この世界の女の子、力強すぎだろ! でも最高だ! 脱がされ放題だ(意味不明))


さらに彼女たちは、自分たちのスカートの奥に手を突っ込むと、愛液でびしょびしょに濡れ、光にキラキラと反射する糸を引くショーツを次々と脱ぎ捨てた。


「直人様……見てください、私たち……こんなになっちゃってるんです……っ」


直人の目の前に並ぶ、三者三様の「濡れそぼった聖域」。そこから溢れ出した蜜が糸を引き、絨毯の上にポタポタと滴り落ちている。


(今度こそ勝った! 圧倒的勝利だ! もう邪魔する大臣はいない! 突き進め! 今度こそ童貞卒業だ!!)


直人の中の「猿」が勝利の咆哮を上げ、護衛の蓮が直人のズボンのベルトに手をかけた、そのまさにその時だった。


『――緊急通報。大臣の随行員が校門に到着しました。天条院学園長、および守護班は直ちにロビーへ。繰り返します、あと3分で到着します』


部屋に設置された緊急インターホンから、非情なアナウンスが鳴り響いた。


「っ……!?またですの!?

くっ、いけませんわ! 文科省の連中に、大臣のこの姿を見られるわけには……っ!」


椿が悲鳴を上げ、我に返った。蓮とももかも、プロの護衛としての本能が強制的に呼び戻され、顔を青ざめさせる。


「直人様、申し訳ありません! 大臣を整えなくては! 蓮、ももか、急ぎますよ!」


「わ、わかってますぅ……っ! でも、せっかく処女捨てられると思ったのにぃ……っ!」


三人は、脱ぎ捨てたパンツを拾う余裕すらなく、乱れた服を必死に整えながら、泣きそうな顔で大臣を抱えて嵐のように部屋を飛び出していった。

ガチャン、と虚しく閉まる扉。


「……はぁ。またこれかよ。……もう、どうしろっていうんだよ…。」


一人残された直人は、ソファーの上で呆然としていた。バキバキに昂り、ズボンを突き破らんばかりの「愚息」が行き場を失って悲しみに震えている。


直人は心の中で血の涙を流したが、ふと足元に目をやった。そこには、彼女たちが脱ぎ捨てたばかりの、まだ温もりの残る三枚のショーツが転がっていた。


「……っ。……まだ、終わりじゃない。俺には、これがある……!」


直人は諦めきれない執念でそのショーツを確保した。蓮のクールな黒、ももかのピンクのフリル、そして学園長の高級感あふれるレース。どれもが直人のフェロモンに当てられた「最高の香油(蜜)」でずっしりと重い。


「……すー……はー……。うわ、すご……3人の匂いが混ざり合って、めちゃくちゃエロい……」


直人は三枚のショーツを顔に押し当て、その濃厚な、むせ返るようなメスの匂いを肺いっぱいに吸い込みながら、己の「御神木」を握りしめた


「……っ、ああぁ……っ! 明日は、明日こそは……ッ!!」


数分後。特別個室の静寂を破り、ドクドクと力強い音とともに、直人の「国家資源」が勢いよく放たれた。この世界で2度目の孤独な儀式。しかし圧倒的な暴発。


学園長室にある特別個室は、明日1日は誰も入れない(栗の花の匂いが凄すぎて)禁忌の場所と化したのだった。

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