第12話 報われない「猿」の咆哮

ラブコメ部門

日間一位取りました。読んでくれてる皆さん。ありがとうございます\( *´ω`* )/


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グラウンドが「精液と愛液」の芳醇な残り香に包まれ、女子生徒たちがドミノ倒しのように絶頂・失神してから数十分後。


事態を重く見た(というか、自分も限界だった)間宮先生によって、元凶である直人は「特別休憩室」という名の保健室の奥にある完全個室へと隔離されていた。


(……はぁ。やってしまった。せっかくのカッコいい50メートル走が、あんな締まらない終わり方になるなんて。俺の純潔、いつになったら『本番』で捧げられるんだよ……)


直人はベッドに横たわり、賢者タイム独特の虚無感に浸っていた。

だが、その平穏はすぐに破られる。


ガチャリ、と扉が開き、現れたのは委員長の西園寺かぐやだった。

彼女はまだ体育の授業のまま、あの「紺色のブルマ」を履いている。しかし、その瞳には嫉妬と、それを上回るほどの「飢え」が渦巻いていた。


「直人様……。グラウンドでのあのような破廉恥な事故……。男性である直人様はさぞお心を痛めておられる事でしょう。責任をとって、私がしっかりと直人様を『ケア』させていただきますわ」


「あ、かぐやさん。……ごめんね、みんなを驚かせちゃって」


直人が申し訳なさそうに微笑むと、かぐやは「っ……!」と息を呑み、吸い寄せられるようにベッドサイドへ膝をついた。


(……やべえ。かぐやさんのブルマ姿をこんな至近距離で……。しかも、さっき放出したばかりなのに、彼女のメスの匂いを嗅いだだけで、俺の愚息が目を覚ましやがった!)


直人の中の「猿」も、檻を叩いて叫び出す。


「直人様……明日美さんの匂いに当てられて、あんなに『神の雫』を出すなんて……。私、悲しくて、でも……羨ましくて……ッ」


かぐやは直人の手を自分の頬に寄せ、そのまま彼のシャツのボタンを震える指で解き始めた。


「私の匂いで、上書きさせてください……直人様……っ」


(委員長が乱れてる!しかもこの密室、誰も来ないな。今日こそ……今日こそ本番だ。乗るしかないこのビッグウェーブに!)


かぐやは直人内心などつゆ知らず、直人の首筋に顔を埋め、「すー……はー……」と深く深く、彼の匂いを吸い込む。

そして、彼女自身の柔らかい胸を直人の腕に押し付け、耳元を熱い舌で湿らせた。


「ひゃうんっ……直人様、ここ……すごく脈打ってますわ……」


直人は、かぐやの必死で愛らしい誘惑に、小悪魔的な笑みを浮かべた。

彼女を傷つけたくない。でも、彼女の喜ぶ顔(と、エロい反応)が見たい。


「……かぐやさん。そんなに俺を独占したいの?」


直人は彼女の腰を引き寄せ、自分のバキバキに復活した「御神木」を、彼女のブルマ越しに押し当てた。


「ほら、君のせいで、またこんなに元気になっちゃったよ。……どうしてくれるの?」


「あ、ああぁッ……!! 直人様の……御神木様が……私のお腹に……っ!!」


かぐやの顔が、一瞬で情欲に染まる。彼女のブルマの股の部分は、直人の熱に中てられて、みるみるうちに色の濃い「湖」を作っていく。

直人はそのまま、彼女の耳たぶを甘噛みし、脳を震わせるような低音で囁いた。


「……かぐやさん。俺に、君の『初めて』を……くれないか?」


(キターー!! 完璧な流れ! 今日こそ俺は、この世界で本物の『男』になるんだウホォーー!!)


直人の中の「猿」が、狂喜乱舞して檻を叩き壊さんばかりに暴れている。


「……っ! はい……。わたくしが、直人様を……『男』にして差し上げます……」


かぐやは震える手で、自らのブルマの裾に指をかけた。

真っ白な太もも、そしてその奥に潜む「聖域」が、直人の目の前で露わになろうとしていた。


(……よし。かぐやさんは本気だ。俺も、彼女なら……一緒に楽しみながら、最高の形で童貞を卒業できる!)


直人は彼女の腰を優しく抱き寄せ、押し倒すようにベッドに沈めた。

至近距離で見つめ合う二人。かぐやの甘い吐息と、ブルマの奥から漂う「準備万端な匂い」が直人の脳を焼く。

直人が、バキバキに昂った「国家資源」を解放しようと、ハーフパンツに手をかけた、その瞬間だった。


『――警告。対象の心拍数、および体温が規定値を突破。緊急冷却モードを起動します』


「……えっ?」


突然、天井から無機質な機械音声が響き渡った。

この世界は、希少な男性を過保護なまでに守る社会。この特別休憩室には、男性の「興奮しすぎによるショック死」を防ぐための、最新鋭の「生体保護モニタリングシステム」が完備されていたのだ。


プシュゥゥゥーーーーッ!!!!


「ひゃあああッ!?」


「うおっ!? 冷たっ!!」


次の瞬間、天井のノズルから、キンキンに冷えた「鎮静用高濃度マイナスイオン・ミスト」が、消火活動のような勢いで二人に降り注いだ。



「……っくしゅん! ……な、なに、これ……」

数秒後。ミストが止まった時、ベッドの上には、頭から足の先までびしょ濡れになり、すっかり冷え切った直人とかぐやの姿があった。


あまりの冷たさに、直人の「御神木」は瞬時にフニャフニャの「もやし」へと退化し、かぐやもまた、あまりの衝撃に情欲が完全にどこかへ吹き飛んでしまっていた。


『男性個体のバイタルを確認。正常値に復帰しました。ご安心ください』


機械音声が、これ以上ないほど誇らしげに告げる。


「……あ、あの……直人様……。その、なんだか、すごく寒くなってしまいましたわね……」


「……そうだね、かぐやさん。風邪を引いたらいけないし、今日は……ここまでにしようか」


直人は震える手で、かぐやの肩にバスタオルをかけてあげた。

お人好しで優しい直人の対応。かぐやは「……はい。お気遣い、ありがとうございます……」と、申し訳なさそうに部屋を去っていった。


(…………チーーーン(合掌))


直人の中の「猿」は、真っ白な灰となって、檻の隅っこで崩れ落ちていた。

暴発すらさせてもらえず、科学の力によって強制的に賢者にされた悲しみ。


(……この世界の『過保護』、マジで勘弁してくれよ……。いつになったら、俺の童貞は卒業できるんだ……)


直人はびしょ濡れのシーツの上で、遠い目をして独りごちるのだった。

彼の世界征服(ハーレム計画)の最大の敵は、恋敵でも悪役でもなく、「国家の過保護」なのかもしれなかった。

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