第7話 甘美なる「報酬」

高級感あふれる本革の匂いと、静かなエンジン音。


漆黒のリムジンは、夕闇の街を滑るように進んでいた。外の世界から完全に遮断された後部座席は、直人と、彼を左右から挟むように座る西園寺かぐや、そして麗香だけの密室だ。


直人は、深く柔らかなシートに身を沈めながら、昼休みにスマホで調べたこの世界の「常識」を反芻していた。


(……改めて考えると、本当にすごい世界だよな)


この世界では、男女が直接肌を合わせる結婚や恋愛は、おとぎ話に近い。

大多数の女性は精子バンクを利用し、一人で子供を産み育てるのが当たり前。男性と実際に「本番」を行えるのは、一生に一度あるかないかの奇跡であり、全女性が渇望する究極の幸運なのだ。


ネットの記事にはこう書かれていた。

『本物の男性との性交渉は、自慰とは比較にならない快楽をもたらす。男性の発するフェロモンは女性の感度を異常なまでに跳ね上げ、その愛撫一つで、女性は抗う術なく絶頂へと導かれる』


(しかも、男とエッチして身籠ると、男の子が生まれる確率が統計的に上がるらしい。家柄を上げ、国から手厚い保護を受けるための、まさに『宝の種』……。重婚も推奨、俺が手を出すのは『不祥事』じゃなくて『慈悲』扱い。……最高かよ)


さらに、直人は自分の股間に視線を落とし、内心でほくそ笑んだ。

この世界の男性は元々のスペックが低く、平均的なサイズは9センチ程度。だが、前の世界から来た直人は、高校生にして優に16センチを超えている。


(……この世界の女の人たち、俺が本気出したら壊れちゃうんじゃないか?)


直人は、隣でまだ戦闘の興奮と緊張が解けない様子の二人に視線を向けた。


「……かぐやさん、麗香。さっきは守ってくれてありがとう。二人とも、本当に……かっこよかったよ」


直人はそう言うと、これ以上ないほど優しい手つきで、かぐやの艶やかなネイビーブルーの髪と、麗香の金髪のウェーブヘアを交互に撫でた。


「ひゃうんっ……!? い、いえ……当然の、務めですわ……っ」


「……あ、あたしだって、アンタのためなら、これくらい……っ」


二人の喉から、掠れた甘い吐息が漏れる。

直人はまず、委員長、かぐやに向き直った。


「かぐやさん。本当に助かったよ」


直人は優しく微笑むと、そっと彼女の背中に手を回した。直人は偶然を装ってかぐやの制服越しに、ブラジャーのホックへと指を引っ掛け

――パチン。


軽い手応えとともにホックを外す。

元の世界で、彼女ができた時のために、スマートに片手で外す練習をしていた成果が発揮された瞬間だった。


直人は「あ、ごめん」と口では言いながらも、そのまま制服の下から手を突っ込み、ブラウスの下で解放されたかぐやの柔らかな膨らみを直接、手のひらで包み込んだ。


「あッ……!? な、直人様……っ! そこは、直に……ああぁッ!!」


男性の肌が、直接胸に触れる。その衝撃にかぐやは声を枯らしてのけ反った。直人は追い打ちをかけるように、彼女の耳元に顔を寄せる。


「……ねえ、かぐやさん。ここ、すごく熱いよ?」


直人の低い声が、超至近距離でかぐやの鼓膜を「犯す」ように深く響く。直人はそのまま彼女の耳たぶを優しく甘噛みし、じっくりと湿った舌で耳の裏を舐め上げた。


「あ、あ、ああああッ!!」


理性が消し飛ぶ音。胸への直接的な愛撫。直人のフェロモンと、耳への執拗な攻撃。かぐやは身体を弓なりに激しく痙攣させ、そのままシートに沈み込むように絶頂した。



「……ちょ、ちょっと! かぐやばっかり、ずるいじゃん……。あたしだって、頑張ったんだよ……?」


それを見ていた麗香が、嫉妬と欲求不満で顔を真っ赤に染め、直人の腕にしがみついてきた。

その時、リムジンが強いブレーキをかける。


「おわっ!?」


直人はバランスを崩した勢いで、麗香をソファーに押し倒すような形になった。


「あ……直人……」


「……麗香にもちゃんと改めてお礼を言おうと思ってたのに…。待てができない悪い子には、お仕置きが必要かな?」


直人は麗香を見下ろし、確信犯的な笑みを浮かべた。彼は麗香の耳元に唇をぴったりと寄せ、脳を直接震わせるような声音で囁く。


「……おねだりしたご褒美に、ちょっとだけ『いいこと』してあげるよ」


直人は麗香の耳を甘噛みし、熱い吐息を吹きかけながら、空いた手で彼女の太ももの際どいラインをじわじわとなぞり始めた。


「ひゃ、やだ……そんなところ……っ、あぁッ!!」


スカートの裾から入り込んだ直人の手は、内腿の最も敏感な部分のすぐ近くを愛撫する。直人は童貞だが、この世界の女性の「異常な感度」にとって、拙い直人の手つきでも、それは致死量の毒だ。


「あ、すごい。麗香、ショーツがもうビショビショだよ……」


「や、やだ……直人、直人ぉッ!!」


耳を執拗に攻められ、太ももの付け根を弄られた麗香は、耐えきれず大きく腰を跳ねさせた。彼女からも、かぐやに負けないほど濃密な、甘く重たい「メスの匂い」が溢れ出す。麗香は激しい痙攣の果てに、力の抜けた身体で直人の下に伏した。



「……ふぅ。二人とも、本当に可愛いな」


直人は、愛液の匂いと熱気が充満したリムジンの中で、満足げに二人を見下ろした。

二人とも、もはや座っていることすらままならず、直人に縋り付いたまま、トロンとした瞳で彼を見上げている。

だが、直人自身も、もはや限界だった。

制服のズボンの下。16センチの「国家資源」は、かつてないほどバキバキに勃ち上がり、暴力的なまでに脈打っている。


(……やべえ。こんな可愛いイき顔を見せられて、ただで済むわけねーだろ。この世界の女は感度が高すぎる……俺が少し触るだけで、これかよ)


リムジンが目的地である西園寺邸の重厚な門をくぐる。

車が止まり、ドアが開くまでのわずかな静寂。


(……今夜は、誰一人寝かせてやらないからな)


直人は、ぐったりと愛おしそうに自分に縋り付く二人の身体を抱き直し、これから始まる「夜の部」への期待に、暗い欲望の炎を燃やした。



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