第4話 別れ4
彼は向かいの席に座ると、私のカップをチラリと見て、同じようにドリンクバーをオーダーした。
「とりあえず何か飲み物持ってくる?」
私の問いかけには答えず、誠二は首を左右に振った。
そして、私をじっと見つめている。
何かうまい言葉でも探しているんだろうか。
「美優…ごめん。俺、今度は何があっても…どんな相談があっても誘いにはついて行かない」
なんだ。
大した言葉じゃなかった。
私は誠司の顔を見る事なく、カモミールティーを一口飲む。
そして、もう一口。
「美優…?」
「話はそれだけ?じゃあ、帰りたいんだけど」
「ホントに何もなかったんだよ。信じてくれよ」
「信じない。例え何もなかったとしても約束を破った事には変わりないし、何を信じるの?」
「……。」
「疲れたし、他の女の子の事で、もうイライラするのも、ビクビクするのも私は嫌なの」
「もう絶対にないから」
「そのセリフ何回目?」
「…。」
私はまたハーブティーを一口飲んだ。
少し沈黙が流れた。
店員が「失礼します」と伝票を置いて行く。
私は店員に小さく頭を下げた。
「……指輪、外したんだね?」
誠二は、ボソッと呟いた。
「うん。」
「…もう…無理なの?」
「…うん」
誠二は小さく呟く。
「俺、美優の事、大切だよ…?」
「私は…大切にされてるなんて…思ってなかったから」
私だって大切だった。
「ホントに美優、俺ら無理なの?」
「無理だよ」
私は一息置いて口を開く。
「私はもう誠司を信用出来ないし、誠二もまた同じ事するだろうから…私みたいな足かせ無い方がいいんだよ。」
「…もう…しないよ」
「サヨナラだよ」
「……」
残り一口のハーブティーを飲んだ。
「……俺、フラれたんだな」
「違うよ。私が誠二にフラれたの。ずっと前からフラれてたの。」
「……美優、ごめんな。
ずっと。
……ごめんな」
「……」
また沈黙が広がり
私も下を向いたまま話せなくなった。
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