第16話

 *《47階層》*


 おとといから始めて、もうここまで来てしまった。階層が多いとはいえ、魔物は全然強くない。これがB級か。


 あと、前のダンジョンと違って、途中でよく他の冒険者と会う。その度驚かれるけど、無視してたら意外と気にならなかった。早く終わらせる為には、そんなの気にしてる場合じゃない。


 しかも、ここ10階層は誰一人として会わなかった。やっぱり下の階層に行くほど人は少ないもんなんだな。


 正直、やっぱり人と話すのは慣れないし、必要な会話以外は煩わしくなってしまった。人と会わないのは、少し助かる。



 ん?あれ、人が戦ってる音がする・・・


「ふぅ、ふぅ」


 俺は、できるだけ人と会いたくないからか、咄嗟に角に隠れた。

 この人、強い、、魔物がどんどん倒されていく。あれは、魔法か?


 見たことないけど、、たぶん氷魔法だよな。敵がどんどん氷漬けになって、そのまま吹き飛ばされてる...。


 男の人っぽい、か?顔がよく見えない。


 考えてるうちに、戦闘が終わった様だ。ただ、何か様子がおかしい。先に進まない...。


 うわっ、こっちに来た。まずい、隠れなーー


  「君、ずっと僕のこと見てるけど、どうかしたのかい?」


 ば、バレた...。


「いやぁ、ちょっと戦ってるところに入るのは、あんまりよくないかなぁ、と思って」

「そうか...でも、このままだと、たぶん君は魔物と戦う事なく最下層まで行ってしまうだろう。それじゃ、君は魔石を手に入れることができない」


 いやまあ、別にそれでもいいけどな。全然。そこ気にしてないからな、俺。


「そこで提案だ。これから、俺と一緒に来ないか。正直、一人じゃ効率が悪くてな、パーティーがいないと中々時間かかるんだよ」


 パーティー、か。パーティーを作るつもりはなかったけど、確かに時間は短縮できそうだ。うーん・・・


「このダンジョンだけなら、まあ」

「ほんと?!うれしいなぁ、感謝するよ。僕はラント、よろしく」

「レインです。よろしくお願いします」






 *《48階層》*

「ふーん、ホーンラビットか」


 角はえた兎?ちっちゃくてかわいいな。


「これ、強いんですか?」

「ああ、強敵だ」


 強敵?これが、、、?


「ひ、ひゃぁぁぁ」


 めっちゃいる、いやめっちゃいるわ、兎。100匹くらいいるぞ、、


「ほれ、早くやるぞ」

「は、はいぃ」


 とりあえず、やるしかないか。ここじゃ超回復なんて見せられないし、、


 ラントは剣を取り出した。突然剣は変化して氷に纏われた。


「何ですか、それ」

「これ?氷剣、アルフォードだよ。まあ見てて」


 一太刀剣を振るうと、兎はみるみる凍ってゆく。


 斬った相手を凍らせることができるのか?この要領だと俺、要らなそうだけど、、うわっ

 後ろから、さらに大量の兎が向かってくる。


「僕もやらないと」


 でも、どんな攻撃が良いのか、全くわからん。


「『ライトソード』『ファイア・ブレード』『グロリアス・アロー』『ライト・バレット』」


 とりあえず、色んな魔法を使ってみよう。何が効くか分からないんだ。


 弓を引き、一斉に攻撃を仕掛ける。



「・・・へっ?」

「・・・・・」


 全部、吹き飛んじゃった、、


 ライト・バレットは、広範囲に光の弾を撃つ攻撃魔法。


 光の刃は兎一匹倒したくらいじゃ止まることを知らず、ライト・バレットと共に後ろにいる兎どもを殲滅。凍っている兎は、矢の爆発ですべて消滅。結果、そこには大量の魔石だけが残った。


 ちょっと、これは使いすぎだったか?よくわかんないんだから、しょうがないだろ・・・


「は、はぁぁぁぁ?!何、今の?魔法の同時詠唱、しかも4つ!?」

「よし、片付きましたね、先へ急ぎましょう」

「・・・・・」

「何ですか?早く先に行きましょうよ」

「あ、ああ」


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