第14話

 「ん?何だ、急に」


 突然、青い炎は一気に消え去り、部屋全体が光りだす。


 部屋の中心には、光っている何かがあった。


「何だ、、これが、ダンジョンをクリアした時にもらえるって言う宝なのか?」


 近づいて見てみる。そこには、小さな箱があった。


 ただ、その歪みらしきものはない。正直、歪みが無かったら他に興味はないんだけどな。一応貰っとくかな。


「何だこれ、鉄の塊?」


 全く何か分からない。用途も分からないし、本当に何これ?


「とりあえず、早く帰ろう」


 そう言って持ち出すと、突然それは光り出した。


(うぉっ、光った?)


 そして、形を変え、短剣となっていた。


「あれ、形が、変わった?これって・・」


 もしかして、想像した形になる、みたいな感じじゃないか?


 もしやと思い、弓を想像してみる。

 すると再び、短剣は光りだした。


「やっぱり、形が変わった」


 いつのまにか、それはしなやかな曲線を描く、弓へと変貌していた。


 これはつまり、俺が考えた武器の形になる、って事か?これはいい。ダンジョンの攻略を効率化してくれるはずだ。


 早く魔王のところに行くために必要になる、かも。


 ・・・てか、結局時空の歪みは無かった訳だよな。確かに進展はあった。けど、やっぱうまく行かないものだな。



 希望を一つ失い、足取り重く、俺はダンジョンを後にした。



 *《冒険者ギルド》*

「すみませーん」

「はい、ご用件はなんでしょうか」

「すみません、ダンジョンの魔物の報酬、受け取りに来ました」

「ダンジョン?ダンジョンって、そこのやつですか?」

「はい、そうですけど」


 お姉さんは驚いたような顔でこっちを見つめてくる。


 何だ、そんなの当たり前じゃないか?何でそんなに驚いてる?


「あそこは、この前A級に昇格した、危険なダンジョンで」

「A級?」


 何、A級って?そんな格付けみたいなのがあったの?


 意外と難しいダンジョンだったって事か、そう思うと、あの人達も意外と強い人達だったのかな、、。


 てかA級って、何なんだ?やっぱり気になるなぁ、魔物の強さとか、か?確かにあの悪魔はめんどくさかったけど、そんなに強くはなかったぞ?


「と、とりあえず、見せてもらえますか、それ」


 お姉さんは戸惑いつつも俺に聞いてくる。


「わかりました」



 机に倒した魔物の魔石を全て出した。


「こ、これ全部、ですか!?」

「はい」


 再び驚いた様子でこっちを見てくる。


「嘘ですよね、こ、こんな量」


 何だこの驚きよう、ちょっと面倒くさいな。時間が惜しいんだ、早くしないと。


「とりあえず、早く報酬、もらえますか」


 できるだけ冷淡な声で話した。これ以上時間をかけてもしょうがない。

 それに、これがどんな物でも、歪みが無かった時点で俺にはどうでもいいからね。まあお金は欲しいけど。


「わかりました、でも、この量は少し時間がかかるので、あちらの椅子に座ってお待ちください」


 時間がかかる?そんなに報酬が高いのか、、


 言われるがまま、椅子にすわった。





「ーーーすみません、査定が終了しました。合わせて34万ティアになります」

「さ、34万!?」


 何だその馬鹿げた金額は!宿代で4500ティアだぞ、、


 ・・・もうお金には困りそうにないな。


「ありがとうございました」


 俺はそそくさとギルドをでて、宿へと戻った。




 *〈宿〉*

 ダンジョンに何も無かった事がわかったわけだが、、とりあえず、出発の準備でもしますか。


 ここにいても、もう何もないからな。


「よっ、、ああ、この短剣、もう使わないかもな」


 今日拾ったこれ、強すぎる、よな。この短剣いらなくなっちゃったし、どうしよう・・・まあ、いつか使うかもしれないしな、取っとこ〜


 持っている荷物はほとんど無く、すぐに準備は終わってしまった。


「今は、4時か。出発するならギリギリだな...いや、もう出発しよう」


 俺はこんなところにいる場合じゃない。早く、一刻も早く魔王に会わなければ。スピードが命!俺の命は、こんなとこで悠長に待ってても無くならない!早く行かなきゃ。




 ▽





 とりあえず、門の外まで来てみた。夕焼けが眩しいが、何も見当たらない・・・


 まあ、門番の人にでも聞いてみるか。


「すみませーん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

「はい、何でしょう」


 門番って、もっとごつい鎧みたいなの着てるイメージだったけど、結構ラフな格好だな、、話しかけやすくて、いい、のか?


「違う町に行きたいんですが、馬車とかってどこにあるんですか」

「馬車ですか?それなら、この反対側の門の前に、馬車乗り場がありますよ」

「反対側っ?!」


 これはまずい。このままだと、今日中に出発できなくなる。宿はもうチェックアウトしちゃったし、このままじゃ野宿に・・・





「はぁ、はぁ、はぁ」


 何とかついた。町の中を駆け抜けて来たからな、このままじゃただの変人だな。後で有名になってたり...

 まあどうでもいい、早く出発しよう。


 目の前には、5台の馬車が止まっている。


「すみません、この馬車って乗れますか」

「いいけど、お前どこに行きたいんだ?」


 どこに行きたい、か。確かに考えてなかったな。


「どこでもいいから、早く違う町に行きたいんです」

「若気の至りってやつか、、、まあいい、乗れよ。一律1000ティア、払えるか」


 丁度収入がはいった俺には、そんなのはした金だな。


「はい、どうぞ」

「確かに。ほれ、早く乗れ。もう出発するぞ」


 荷台に乗ると、中には6人くらいの人がいた。みんな役職はバラバラみたいだな。見るからに冒険者な人も1人、座っていた。


「出発しまーす」


 馬車は動き出し、ガタガタと揺れ始める。・・意外と心地いい。なんか疲れたし、寝ちゃいそうだな。ーーーー


 

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