第13話

 次の日、俺は再びダンジョンに来ていた。


 昨日は23階層の途中で帰ってきちゃったけど、どこからスタートするんだろう。セーブポイント的なのもなかったし、、また一からやり直しなんて事になったら目も当てられない。


 そんな心配を胸に、冒険者証を宝具にかざす。



 ーーーーーーーーーーーー

 '聖の魔層'


 階層   23/46



 -1-

 -2-

 -3-

 -4-

 -5-

 ・

 ・ 

 ・

 ・

 -23-

 -24- 記録なし

 -25- 記録なし

 ・

 ・

 ・

 ーーーーーーーーーーーー


 23層までは表示がない。って言うことは、23階層から始められるのか。よかったぁぁ。


 この番号を押せばいいのか?


 俺が押すと、また表示が出てきた。


 ーーーーーーーーーーーー


<23階層>へテレポートします。よろしいですか


 'はい'       'いいえ'


 ーーーーーーーーーーーー


 俺がはいを押した瞬間、俺の視界は白い光に包まれた。


「うわっ、」


 俺は光に飲み込まれ、いつのまにか9階層の入り口に立っていた。


「テレポートは一瞬でよくわからなかったが、やっぱり理屈抜きですごいな、魔法ってやつは」


 そんじゃ、どんどん進めますか。




 ▽



 *《43階層》*

 今日は少し昨日より来るのが遅かったけど、人が全然いない。もうそろそろ最下層まで着いちゃうけど・・・


 ここまで来る途中の魔物は、大体魔法で一瞬で片付いてしまった。そのせいで、魔物が強くなっているのかもわからない。


 そんな思考を遮るように、目の前に魔物が現れた。


「おっ、見たことない魔物だ」


 これは、、、何だ?前世でも見た事がない。強いていえば、ゴーレムみたいではあるが、金属じゃ無いし、何よりデカすぎる。

 これ、本当に攻撃は通るのか?


 刹那、ゴーレム(仮)は巨体に似合わぬ無音の動作で腕を振り下ろした。


「っっっ、がはっっ!!」


 いくら攻撃を受けるつもりだったとはいえ、全く反応できなかった。俺の体は、後ろの壁まで吹き飛ばされる。ダンジョンに骨の砕ける嫌な音が響く。

 ただーーーーー


「やっぱ治っちゃうかぁ、、」


 これまでで一番強い攻撃だったかもしれない。それでも、致命傷にも見えた傷は、心臓の鼓動とともにどんどん回復してゆく。


「もう、いいよ」


 短剣を取り出し、ゴーレム(仮)を斬りつける。


「あれ、これあんまり効いてない?」


 斬っても斬っても、傷はつくけど手応えがまるでない。ゴーレム(仮)は、一歩も動いていない。絶対に攻撃は当たっているはず。短剣だからか?


 再び拳が振り下ろされるーー



「うがっっぐぁ」


 . . . また飛ばされてしまった。物理耐性が高いって感じか、、、めんどくせぇ。それなら魔法はどうだ。


 「『ライトブレード』」


(ちょうど、やってみたい事があったんだよな)


「そして、、『ファイア・ソード』!」


 その時、10本の光の剣が燃え盛る炎をまとった。

 やっぱり、魔法の剣にもファイア・ソードは使えるのか。


 ファイア・ソードは、普通剣に炎をまとわせ、切るものを焼き尽くす魔法だ。魔法と魔法を組み合わせれた、これは強いんじゃないか。



 剣たちはまとめてゴーレムへと向かっていく。ゴーレムは避けずに、剣は全て命中。


 剣は突き刺さり、ゴーレムは・・・一瞬にして灰となって消え去ってしまった。


(.....これは、強いな・・・)


てか、こいつら燃えるのかよ。よかったぁ、ゴーレムっぽいけどゴーレムじゃなくて。


 そういえば、気になっていた事がある。これって、自分にも使えるのかな?

 残った魔石を回収して、次は作り出した剣で俺を斬るイメージをしてみた。



 ......あれ、剣がびくともしない。自分には攻撃出来ないのか?はぁ、お前でもダメなんか。


 と・も・か・く、魔法かは重ねがけ出来るし、何個も一気に使う事が出来る事はわかった。




 さらに進むと、さらにデカいゴーレムが2体。


 「『ライトブレード』」

 「『ファイア・ソード』」


 さっさと終わらせようーーーーー



 *《45階層》*


 ・・・いない、魔物がいない。ほんと何が起こってるんだ、、もしかして、誰かがもう通った後なんじゃないか?それか、魔物が共食いしたとか、、って、それはないか。


 でも、人が通った形跡もなさそうだ。不気味な雰囲気のわりに、壁や床は石造りでしっかりしている。それに、めっちゃきれい。誰が手入れでもしてるみたいだ。



 そうして、どんどん進んで行く。




 .....着いてしまった。階段を下ると、これまでとはまるで雰囲気が違う、まがまがしい模様の扉があった。


 これ、絶対ラスボス的なやつだ...。ただ、そんな事はどうでもいい。

「魔王」のところへ繋がる歪み、それがあるのだろうか。


 少しの期待を胸に、レインは扉を開けた。




 *《46階層》*


「ここは. . . 」


 何だ、ここは?真っ暗じゃないか。これまでと違って、全く前が見えない...俺にはちょうどいいのかもしれないけど。


 そんな暗闇の中に、レインはどんどん歩みを進める。


 キィィィ、、、ドォォドン



(あれ、扉が閉まってーーー)



 一瞬にして、部屋に青い炎のたいまつが灯った。


 何だ、いったい何が起こってるんだ?


 『・・・ふっ、よくぞここまで来たな、小僧』

「ん?何だこの声、いったいどこから・・・」


 その時、人みたいな見た目の怪物が突然目の前に現れた。


「お前は・・・人なのか?」

 『人ではない。悪魔だ』


 悪魔?確かに言われてみれば...


 立っている男は、変な服で手は黒くて爪が長く、全体的にごついけど、顔は結構なイケメンじゃないか?

 俺の思っている悪魔とは、少し違うような.....


「それじゃ、お前がラスボスってわけだな」

 『らすぼす?はて、俺が覚えた人間の言葉にはそんなものなかったが、、まあ良い、私はこのダンジョンの管理者、悪魔カノアである。この俺を倒せるものなら倒して見せよ』

「まあ、そうさせてもらおうかな」


(さて、一体どんな攻撃が来るのか・・・)


 『ふっ、構えが甘いわ』


 その瞬間、風が俺を吹き抜ける。


「な、にが・・」

 『ふむ、ここまで来たのならもう少し強いと思ったが、期待外れだったか』


 後ろから、悪魔の腕が俺の胸を突き刺していた。


 『さて、それでは心臓をーーーー


 バキィィィィン、、


 ただ、心臓に触れようとした刹那、その腕は光とともにはじき返された。


 『は、はあ?何をした、お前!?』

「やっぱ、お前もダメなのか」


 動きがとてつもなく速かった。目で追えなかった。でも、それでもだめだったのか....


 『自動回復?そうか、それなら、、、


 悪魔カノアは再び戦闘態勢に入る。


 、、回復が追い付かないほど、早く攻撃するまでのことだ』


 視界から悪魔が消えた。瞬間、俺の胸に風穴があいた。


 『はははっ、これなら回復も・・・』


 しかし、その腕は再びはじき返される。


 『なぜ、なぜ攻撃が通用しない?!お前は確かに攻撃を食らったはずだ!』

「そういう体質なんでね。まあ、お前はもう必要なくなった」


「『ライトソード』 『ファイア・ブレード』」


 生成した剣は瞬く間に悪魔に向かって飛んでゆく。


 『ふっ、俺に魔法は効かないぞ』


 魔法は悪魔に向かって飛んでいく。そして、悪魔に直撃した。


 『う゛ぉぁいっでぇ!?・・・いや、効かないな」


 いや嘘つけ。今あからさまに痛ってぇ!って言ってびっくりしてただろ。


 でも、傷はついているとはいえ、表面に切り傷がある程度。確かに、魔法への耐性は高そうだな。


「しょうがない、こうなったら手数で勝負といこう。『ライトソード』『ライトソード』『ライトソード』!」

 『えっちょっ、ちょっと待て、何でそんな一気に魔法がーーーー


「いぃっけぇぇ!」


 全ての攻撃が悪魔に直撃した、はずだ。土煙でよく見えない...


『いぎゃぁ゛ぁがぁ』


 効いてるっぽいな。さっさと終わらせよう。


「『グロリアス・アロー』」

 『くっっ、くそぉっ、何でお前はそんなに・・』


 光輝く弓と矢が現れ、俺は弓を引いた。


 『漆黒にのまれて塵となれ、『ブラック・ホール』』


 悪魔がそう唱えると、目の前に黒い球体が現れた。それは、どんどん膨らんでいく・・


 『物理攻撃が効かないのなら、魔法はどうだ。それはな、俺の魔法の中でも一番強い、触れたものすべてを飲み込む最厄の魔法なんだぜぇ』


 ブラックホールが俺に触れた瞬間、辺りが白く光った.. そして、それは一瞬にして爆ぜてしまった。


 『なっ?!』

「えっ、なんで?!」


 一緒に驚いてしまった・・・でも、何でだ?魔法が一瞬にしてはじけ飛んだぞ・・・?


 『な、なんでだ、お前何をした!?なぜおまえはそんなに強い?そんなことが、あっていいものか!』


「ま、とりあえずいいや」


 俺は、引いた弓をそのまま射る。


 『こ、こんな、ところでぇ』


 悪魔は逃げたが、矢は方向を変え、悪魔を突き刺す。その矢は光り、爆発して悪魔を光で包み込んだ。


 ちゅどーーーん


「これって、追跡機能まであったんだ、、、てか、塵一つ残ってないじゃないか?!」


 魔石まで消し飛んでしまった、これじゃあ報酬がもらえないじゃないか。使う魔法は、ちゃんと選ばないとなぁ・・・

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