第24話 植物園③
二限目の講義中、私はサクラと二人で講義を受けている。
「結局私、アウトレットの時からアザミのいつものコーデしか見てないんだけど」
話しかけられたから、サクラの方を見るとサクラは口を尖らせていた。
「あの時も大学では着ないって言ったよ」
私の返事が予想できていたのか、私の返事を聞くとサクラはすぐに提案してきた。
「じゃあ次の日曜日二人で遊びに行こうよ!」
サクラは相変わらず二人でのお出かけに誘ってくれる。これじゃ一週間も会わなかった意味が全然なかったな。
「いいよ、どこ行く?」
「アウトレットの時に動物園の話になったでしょ?それで私、植物園の方には行ったことないなーと思って」
「植物園いいね、行こうよ」
「アザミはどの格好してきてくれるかなー」
サクラはワクワクしている様子をしていた。すごく期待してくれるじゃん。私は、当日自分がおしゃれをしている姿を想像するだけで恥ずかしい…
土曜日、私は自分の部屋の鏡の前に立っていた。あー、どれを着ていけばいいの?自分で鏡を確認してもわかんない!決められない…全部恥ずかしいけど強いて選ぶとしたらこのカジュアル系?でもこれだとあまりいつもと変わり映えがないかな?いやいや、十分私にとっては過ぎたおしゃれだし恥ずかしいけど…だからってこのギャルコーデは無理!それならこのロックな感じなのは逆にいけるかも?いや、やっぱりこのデニムスカートは短すぎて恥ずかしい。じゃあこのゴスロリっていうのかな…私にはこんなお姫様みたいな可愛い格好似合うわけない。やっぱり選べないよ!…どうせならサクラにびっくりしてほしい。
私は待ち合わせ場所の植物園の最寄りの駅でサクラを待っていた。落ち着かない。サクラに変って思われないかな。
「アザミお待た…」
サクラは駅に着くと私の格好を凝視していた。反応のないサクラに対して、私はサクラに意見を求めた。
「…おはよう。今日の私の服装…どうかな?」
サクラは目を輝かせて私に近づいた。
「めっちゃ可愛い!え、これ前買ったやつじゃないよね!」
サクラが喜んでくれているのがわかった。
「うん、サクラにびっくりしてほしくて。アウトレットの時に買った服は全部一回見てもらってたから」
昨日思い切ってお洋服をショッピングモールに買いに行ってよかった。結局自分じゃ決められなくて電話でフウカちゃんとケイコちゃんに相談したけど。サクラと二人の時はスカートを履きたかったから、青い花柄がプリントされたロングスカートを履いてきた。トップスは…デコルテまで見えているオフショルの白ニット。…やっぱり恥ずかしい。
「アザミすごい似合ってるよ!可愛い!これ自分で買ってきたの?」
「うん、でもフウカちゃんとケイコちゃんに相談はしたけど」
するとサクラは少し悲しそうな顔を見せた。
「えー、フウカとケイコに先に見せちゃったの?」
表情が曇ったサクラを見て私は慌てて返事をした。
「ち…違うよ!二人には電話で相談したから、確かにフウカちゃんは肩を見せようってアドバイスをくれて、ケイコちゃんはお花の柄のスカートが可愛いんじゃないってアドバイスをくれたけど、この格好はサクラに初めて見せたよ!」
「よかった。こんなに可愛いアザミは私が一番に見ないと」
サクラは明るい表情に戻っていた。サクラは二人の時だけって言っていたから冗談であんな顔をしたんだと思うけど。まさかサクラがこんなに喜んでくれるなんて思わなかった。本当はケイコちゃんとフウカちゃんに確認してもらいたかったけど、恥ずかしさが勝って見せなくてよかった。
「アザミ、植物園に行こっ!」
「うん!」
私たちは駅から既に十分程歩いていた。普通の道なら何ともないけど、ずっと上り坂だったから疲れてしまった。
「…結構歩くね」
サクラも疲れているのか、しんどそうな言葉が漏れていた。私はスマホのマップアプリを確認した。
「マップで確認してみたら駅から15分くらい歩くって」
「アザミそれ言わないでー。余計しんどくなるー」
「ごめん…でもずーっと上り坂…」
「それも言わないでー」
サクラは疲れた顔をしながら歩いていた。ジャージで来ればよかった…こんなに上り坂を歩いことないんだけど…私ずっと帰宅部だったし。
「あー、やっと見えてきたー」
サクラが疲れた口調で話した。
「サクラ…植物園はこっちみたいだよ」
「行こうかー…えぇ…」
案内に従って歩いていると、サクラが目に見えるくらい落胆していた。でもそうだよね…なんで植物園に行く方はこんなに長い階段を登らないといけないの。これ何段あるの。
「サクラ、登ろうか…」
「…はーい」
私たちは観念して階段を登り始めた。
階段一段一段が低いことが逆にきつい。一段の幅もバラバラだし。全然進んだ気がしない。前が向けなくてずっと下を見ちゃってる。下を向いていると階段の隣に50と書かれた養生テープが貼られていた。50?待って、まさか…
「ここで50段目ならこの階段200段以上あるじゃん!」
サクラもテープに気付いたのか、勢いよく突っ込んだ。
「サクラ…それ言わないで…」
「もうきつーい。アザミ手繋いでー」
サクラは私に右手を差し出した。だからすぐ簡単にそういうこと言う。あー、もう。私は自分の左手でサクラの右手を握った。
「ほら、サクラ」
「ありがとー」
サクラは階段を登りきるまでずっと私の手を繋いでいた。
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