第14話 カフェ④
「アザミ食べよー」
「うん、いただきます」
「いただきます!」
私はクリームチーズの方のパンケーキを食べた。
「美味しい!」
私とサクラはハモった。本当に美味しい。やっぱりパンケーキはふわふわだ。そして上にはキャラメルを焼いてあるものかな?これがパリパリしててふわふわのパンケーキに合ってる。そして何よりクリームチーズが濃厚。それにこのアイス、バニラだと思ったらヨーグルトのアイスでこれもいいアクセントになってる。
「それでは現場のアザミさーん。感想をお願いしまーす」
私がパンケーキを味わっていると急にサクラに食リポを振られた。
「えぇ!?えーっと…ふわふわ!パンケーキがふわふわです!そしてパリパリで…その上に乗ってて…あと!クリームチーズが濃厚で…アイスはヨーグルトで…」
急な振りに驚いた私は自分で分かるくらい全く言葉になっていない感想を言った。
「アザミ食リポ下手くそー」
サクラが笑っていた。雑に振られた私は思わずサクラに突っ込んでしまった。
「サクラが急に振るからでしょ!」
「アザミなら上手に食リポしてくれると思って」
相変わらず笑っているサクラに少し仕返しがしたくなった私はサクラに食リポを振ってみた。
「もー、では現場のサクラさん。パンケーキはいかがですか?」
「えっ!そのー、まず緑!上から下まで緑!あ、ふわふわ!それから…」
まさか自分も振られるとは思わなかったのか、サクラは明らかに動揺しながら食リポをした。
「サクラも下手くそー」
「うるさい!映えてて美味しい、でいいの!」
「サクラから雑に振ってきたくせにー」
サクラが恥ずかしそうな顔をしている。サクラのこんな顔は初めて見たけど、普通に可愛い。私がサクラの顔を見ているとサクラは自分のフォークを私の食べていたクリームチーズのパンケーキに刺した。
「もう普通に食べよ。アザミそっち食べさせて、私のも食べていいから」
「う…うん」
私は不意に伸びてきたサクラのフォークを見つめた。サクラが食べたものを私が…いやいや、最初からシェアしようって言ったでしょ。私もサクラの方にある抹茶のパンケーキに視線を向けた。サクラが食べていた抹茶の方のパンケーキも分厚いパンケーキが三段ある。そして抹茶がたっぷり。パンケーキには抹茶のソースがたっぷりかかっているし、お皿にはたっぷり抹茶のパウダーがぎっしりで緑一色になってる。私は自分のフォークを抹茶のパンケーキに刺した。パンケーキはもちろんふわふわだ。実際に食べてみると味は抹茶感が強くて美味しい。サクラの顔を見ると幸せそうな顔をしていた。
「こっちのパンケーキもチーズがたっぷりで美味しい!うわっ、ヨーグルトのアイスも美味しい」
サクラが美味しそうにクリームチーズのパンケーキも食べ進める。
「抹茶のパンケーキも美味しいね」
サクラは食べながらうんうんと頷いていた。今とっても幸せだ。サクラとカフェに来て一緒にパンケーキを食べてるなんて。
「ここ前から気になってたんだけど、カイトとはこういう場所これなかったからさー」
サクラは何気なく言っていたが、私はその言葉が頭にこびりついた。…幸せな時間が台無し。サクラからあの男の話題。いい加減にしてよ。もうサクラの特別でも何でもないんだから早くサクラの中から出ていってよ。いつまで居座ってるの。…分かってる。私は嫉妬してるだけ。自分がサクラの特別になれないからって、サクラの特別になれた人に当たっているだけ。本当に駄目だな私。今いない人のことを考えても仕方ないのに。私は考えたくもないサクラの恋人だった人の事を頭から追い出すためにサクラに話しかけた。
「サクラは普段からこういうおしゃれなお店に行ってるの?」
「いやー、そうでもないよ」
「嘘だー、サクラ謙遜してるでしょ」
「本当だって!ここだってたまたまSNSで知っただけだし」
「そうだったんだ」
「でもおしゃれなカフェを探すのは好きかも」
「他にも知ってるの?」
「まだまだ行ってみたいところはあるよ」
私はついサクラと一緒にお出かけができるかもしれないと自分から提案していた。
「…じゃあ、よかったらまた誘ってよ」
「もちろんだよ!」
サクラは当たり前のように言ってくれた。嬉しい。本当にまた誘ってくれたらもっと嬉しいな。私って欲張りだな。私は自分の本心から目を背けるようにサクラに話しかけた。
「その時までに食リポ極めるから」
「言ったなー。次は期待してるよ、アザミさーん」
サクラが思い出したように笑いながら返した。自分も下手くそだったくせに。
「サクラも下手くそだったけどね」
「私も練習しときます」
サクラはぎゅっと口を閉じてしまった。その表情も可愛いと感じながら私はパンケーキを食べた。
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