《イノシシはワープ能力を持っている》

 あなたがこの日誌を開いた時、私はもうこの世にはいないかもしれない。


 何を言ってるんだと思われるかもしれないが、まあ一度落ち着いて、私の考え出した説を聞いてくれ。


 近年、街中にいきなりイノシシが現れる事件が頻発している。本来山の中に住んでいるはずのイノシシ達が、なぜ街中に現れるのか。山から街まで、一体どのようにして移動しているのか。


 よく言われる説は、例えば川沿いなど街に着くまでの小さな自然地帯を経由して、誰にも見つからずに辿り着いた、というものだ。


 しかし、なぜそこまでして慎重に辿り着いた街中で、奴らは急に爆走を決めてしまうのか。キチゲを解放したいのか。


 どうも私には、上記の説が現実的とは思えない。私は新たに、より納得感のある説を唱えたい。


 それが表題だ。つまりイノシシ達は実はワープ能力を持っているというものだ。これまでの事例から判断して、そうとしか考えられない。


 というわけで私は、山にイノシシを探しに行くことにした。奴らの隠している能力を暴いてサーカスで見せ物にするためだ。


 これは非常に危険が伴う調査だ。ワープ能力を秘匿したいイノシシ達の手によって、私は暗殺されるかもしれないのだから。なので、今この日誌を開いているあなた、万が一私が帰らなかったら、この内容を世間に公表してほしい。


 重い役割を押し付ける形になって申し訳ないが、イノシシ達の陰謀を一人でも多くの国民に認知してほしいのだ。


 新しい事が分かり次第、また追記する予定だ。以上。



※日誌はここで終わっている。

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