スピンオフ三話 「~17年前~紫暮壱馬(6才)の育児日記」
(咲夜視点)
咲夜「本日も、トリオ会合を始めさせていただきます」
龍崎「まず、ひとついいか?」
咲夜「だめと言っても許可せざるを得ませんよねぇ!?今回のケース!!」
龍崎「ったりまえだろがぁぁぁ!!!
(激怒)んだ、あの壱馬のボンズは!!極道舐めてんのか!群三もだ!!あのバカ親バカがよぉ!!!」
利人「本当に、本当に、兄と甥がすみません………」
咲夜「何をどう考えても、本日の議題はこれですよね、【紫暮壱馬、6才の人間的教育方針】」
龍崎「おかしいだろ!?極道にカタギの人間的教育方針の会議の場に座らせてんじゃねぇよ!!」
利人「とはいえ、彼の度重なる愚行の被害者は、あなたです。龍崎さん」
龍崎「わーってるよ!だからクレームつけてんだよ!なんなんだ?あ??」
龍崎「【幼稚園で『ユータ』ってガキが壱馬のモデルカーを壊した。龍崎組、相手を徹底的に潰せ】だぁ!?はあああああ!?!?!?」
咲夜「ほんっとうに、ほんとうに、もう……(肩を震わせている)」
利人「兄は……ここまで愚かでしたか(むせている)」
龍崎「笑い事じゃねぇんだよ!!(台パン)カタギのガキのユータが、カタギのガキの紫暮壱馬のモデルカーを幼稚園内でブチ壊したのは、紫暮壱馬が舐められてる証拠だぁ!?紫暮に歯向かうなと思い知らせろぉ!?………んなことに!!!裏組織使うなぁぁぁぁ!!!(台パン)」
利人「もちろん、龍崎さんのご返答は……」
龍崎「即却下に決まってんだろ!!!」
咲夜「ですよねー(棒読み)」
龍崎「んなもん請け負う裏組織あったら、逆に見てみてぇわ!?」
咲夜「なお、壱馬さまの証言から推測するに、口論になった際、ヒートアップした壱馬さまご自身が踏んづけた可能性が高いとみております」
龍崎「(悶絶)」
利人「(頭痛)」
咲夜「壱馬さまがおっしゃられるには、泣きながら、『ユータがわるい、だから、パパやっつけて!いっそ、そのモデルカーと同じ車種でユータんちに突撃して!』とのことです」
龍崎「バカいってんじゃねぇよガキの分際で」
利人「失礼。私の記憶によると、なんですが……。咲夜くん、たしか今の彼のお気に入りを考えて推測すると、もしやそのモデルカーの車種というのは……」
咲夜「パトカーです」
龍崎「極道にパトカー使ってカタギんち突っ込めとかふざけてんのかぁぁぁぁ!!!!(絶叫)」
利人「頭が頭痛してきましたね」
咲夜「俺はとっくに腹が腹痛です」
龍崎「叫び過ぎでオレは喉が咽痛だよ!!!」
咲夜「ひとまず、壱馬さまには代わりのモデルカーを差し上げようと考えております。群三さまには、『ここで懐の大きさを見せたほうが紫暮にとっても有益かと』と助言予定です」
龍崎「しごできすぎんだろ」
利人「お任せします」
———
咲夜「本日も、トリオ会合を」
龍崎「ひとこといいか」
咲夜「発言を許可します」
龍崎「壱馬のガキ!!なにやらかしてくれてんだ!?あ!?!?」
利人「さすがに今回のことは私も龍崎さんには頭を下げなければならぬと考えております……」
龍崎「いや、紫暮にとってもだいぶやべぇだろ!?なんだ?」
龍崎「【壱馬「おれはつよくてえらいんだぞ!だから街でタバコ吸ってる高校生のにいちゃんに
『しぐれのにんげんとしてめーずる!たばこはやめなさいっ!さもなくばりゅうざきぐみのほーふくがあるぞ!』
って叱ったんだ!(どやぁ)パパ、おれ、これなら、しぐれ継ぐ資格、あるよね!?」】
あほかあああ!!!!??俺の!名を!カタギへの脅迫に使うなぁぁぁぁ!!!!」
咲夜「胃痛薬が欲しくなってきましたね」
利人「私には頭痛薬を頼みます」
龍崎「俺にトローチよこしやがれ!」
咲夜「群三さまからの龍崎組へのご依頼は、【聞いてた住人から通報があったらしいからそっちで処理しろ】とのことです」
龍崎「バカなのか?なあ、バカなのか?いや、バカだったなあのたぬきはよ」
利人「スキャンダルになりかねませんね、直ちに対策を打たねば……」
咲夜「ちなむと、お相手のお兄さん方は、高校2年のラグビー部。体格は俺の倍ありますね」
龍崎「下手すりゃ壱馬のほうがボコられんじゃねぇか!」
咲夜「群三さまには『龍崎組ではなく自分に対応させてほしい』との志願を出したうえで、関係者の皆さまには即座に菓子折りと商品券を。
壱馬さまには
【上に立つものは如何に人を使うかが重要でございます。どうか、ご自身で直接ご注意なさるのではなく、近くの側近にお言葉をおかけくださいませ】
と助言済みです」
龍崎「しごできすぎんだろぉ!?」
利人「咲夜くん、キミというひとは…本当に頼もしい限りです……」
———
咲夜「本日も、」
龍崎「言わせろ」
咲夜「どうぞ」
龍崎「群三と壱馬のガキ、ふたりまとめてもう沈めていいか?」
咲夜「心情的にはGO!!ですが、現実的はNO!!ですね」
龍崎「わかってる。わかってるけどよ。なんなんだよ!!」
龍崎「【群三「龍崎、壱馬の私立小学校受験のための成績が足りん!試験問題パクってこい!」】命知らずよなぁ!おたくの本家当主様とそのご子息様はよう!?」
利人「申し訳……申し訳………。兄と甥が本当に申し訳ありません………」
咲夜「胃薬、倉庫単位で発注してよろしいでしょうか」
利人「頭痛薬も倉庫単位で頼みます」
龍崎「トローチも倉庫単位で寄越せ」
利人「そもそも、事態が把握しかねます。代々、紫暮の人間は決まった学校に入学さる伝統があるはずでしょう。もちろん、公平性のために一般受験枠での挑戦ではありますが、幼少からその対策は叩き込まれますので、成績が足りないなどそんなこと起こりうるはずが」
龍崎「さすが、紫暮史上最高得点で合格しただけはあるな、利人坊っちゃんよ」
利人「目立ちたくないので加減するつもりだったのですが、毎度毎度出題内容が凝ってるので大変楽しすぎて、つい……」
咲夜「ちなむと、利人さまがこの時期の模試で全教科ほぼ98%の得点を取ってたところに対し、」
龍崎「聞いてた以上にやべぇなおい」
利人「過去の栄光にすがるつもりはありません」
咲夜「現在の壱馬さまの成績は、平均して12%となっております」
龍崎「そらたしかにシャレにならんなぁ!?」
利人「……どう足掻いても合格圏外もいいとこですね……」
咲夜「そのため、状況を危惧した群三さまが、試験問題略奪という依頼を龍崎組に投げたという経緯ですね」
龍崎「解決方法バグりすぎてんだろ。裏の人間に倫理問われてんじゃねぇよ」
利人「咲夜くん、なにか手段は……」
咲夜「僭越ですが俺が専属の教育係を拝命させていただくこととなりました。群三さまには、【自分に任せていただくほうが、龍崎組に依頼するより費用面で抑えられます】と承諾を得ております」
龍崎「おまえってやつは、おまえってやつはよぉ……!!!」
利人「咲夜くん……。なぜ、あなたほどの方が兄に振り回されなければならないのかが理不尽の極みですね……」
龍崎「マジでよぉ、もうちょいまともな後継者候補はいねぇのか?」
利人「おりません」
龍崎「はーぁ、もうちょっと人格天使の後継者候補、いたら良かったのにな、紫暮も」
咲夜「失礼ですが、群三さまの血を引くお子さまでそれを望むのは埋蔵金掘り当てるより望みが薄いかと」
利人「群三兄さんは私の実兄ですが全面同意です。兄の血を引きつつ、人格天使など、そんな神業教育がなせる人材がいたら拝みたいところですよ」
龍崎「…紫暮の未来、大丈夫なのかよ……」
———
「こち!ばば!こち!」
「ありがとうねぇ、座れるとこ、こっちだよっておしえてくれたのかい?」
「本当に、ご近所ってだけで、頼りっぱなしで、すみません」
「いいんだよ、<未奈ちゃん>、むしろたったひとりでがんばってるというのに、これくらいしかしてやれなくてごめんねぇ」
「公園付き添いのお手伝いしていただけるだけで、充分です」
「ばば!きれいきれい、ちた」
「おや、ベンチ、ばばが座れるようにって、そのかわいいおててでふきふきしてくれたのかい。やさしいねぇ」
「にひひー!」
「どれ。じゃあ、こんどは、そのおててもきれいきれいにしようかねぇ。はい、ばばに、おてて、みせてくれるかい?
<優真ちゃん>」
〈スピンオフ、紫暮壱馬(6才)の育児日記、完〉
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