スピンオフ1話 天使とのデートと忍び寄る大食いな魔の手(前編)

(柚原主人公)


男、柚原、恥を忍んで一世一代のお願いをしに来ている


柚原「日野さん、俺!!!大切な人を守りたいんです!!!」


日野「ごめん、私、柚原くんの気持ちに答えられないと思うんだ」



———何か違う方向に解釈された



日野「やっぱり柚原くんは優真くんとお似合いだと思うの。あ、東條さんでもありよりのあり」



———何か明後日の方向に解釈されている



柚原「日野さん………?なにか勘違いしてませんか?」


日野さん「柚原くんにノーマルは似合わない」


柚原「勘違いしてますね?俺、彼女出来たんですよ」


日野さん「ごめん解釈違い」


柚原「現実を見て!?」


日野「はー、解釈違い地雷なんだけど、なに?」


柚原「は、はぁ。彼女が出来たんで、何かあっても守れる男になりたいんすよ。それで日野さんに護身術教わりたいなって。


なんでも、紫暮の使用人たちはみんな護衛としての戦闘力も鍛えられてるっていうじゃないですか、だから日野さんに、」



日野「え、なんで?東條さんやゲンくんに聞いた方がいいじゃない、男の子なんだから」


柚原「自分には無理ですよ!女性流の戦い方の方が性にあってます!」


日野「使えるものはなんでも使う卑劣戦法?」


柚原「いや言い方」


日野「そもそもちゃんと学ぶなら咲夜さんのほうが」


柚原「勘弁してください、あの人怖いんです」


日野「大丈夫だよ、一見、狂犬ドーベルマンに見えるけど、本当は狂犬病にかかったドーベルマンだから」


柚原「もっと悪化してますよ!?」


日野「そもそも間違ってるよ、基本は戦いなんてしないにこしたことはない、強いひとほど実戦からは避けるものなんだよ」


柚原「それは強いから避けられるという選択肢があるのであって、そもそも弱かったら避けようないですよ。絡まれたら、戦って勝つ以外にどうやって身を守るんすか」


日野「んーーーー、言ってもわかんないかー。まぁ、年頃の男の子特有の願望みたいなものなのかねそこ」


柚原「えー、どういう意味ですか」


日野「どっちかってーと、優真くんから学ぶとこありそうだね」


柚原「優真ーーーー?あいつ店長や東條さんと比べたら全然大して喧嘩強くないじゃないですか!それとも実は強さ隠し持ってるとか?だとしても病気もあるし戦えないでしょう!」


日野「彼女を守るのに必要なのは力の強さじゃなくて、ここの強さだよ」


日野さんは自分の胸をツンとつついた



———どういう意味なんだろう



加代「ねぇ、パスタ食べたいから店寄らない?」


柚原「いいね、行こう」


今日はオフの日、愛する彼女とデート


俺の彼女世界一かっわいーー!!!


全人類見てくれ!この肩の、あざとくない程度にある小さなフリル!!露出はほどほど、だけどふんわり香るフローラルの香り。



今日は髪も巻いたんだな、あーーかわいい俺の天使。


結局この可愛い天使を守る方法は教えてくれなかった。

優真に聞けって、何をどう聞いたらいいんだ?



加代「どうしたの?お店、入ろ?」


柚原「あぁ、ごめん、ちょっと考え事していて。」


繁華街にある有名パスタ屋。

オシャレすぎて男一人で入るには抵抗があるこのお店。客層はほとんどが女性だ。


うちの店でも今月はパスタに力を入れていて、週替わりでメニューが更新される。


彼女、そのことわかってたからこそ、パスタが食べたいなんて言って研究用に俺をここに連れできてくれたんだってことくらいわかる。


本当によくできた彼女だ。


柚原「ん、うま」


加代「うん。オリーブオイルの香りが素敵!」


バジルソースとオリーブオイルが大人の味を醸し出している。

うん、これを参考にしたら新しいメニューのひとつふたつ生まれそうだ。

完食してジュースを頼み、


柚原「ごめんね、ちょっと席外すね」


加代「うん。いってらっしゃい。飲み物来たら待ってるね」


柚原「はは、先に飲んでてよ」



——————だって、俺にはやることがある



柚原「なにしてるんですか。日野さん」


日野「ワターシ、ヒノって人じゃあーりません」


柚原「バレバレです。なにを!!してるんですか!さっきからコソコソと!ついてきて!」


この店に入る前から視線は感じていた。

変装してるつもりなんだろうけど、ばっればれ。


日野「ほら、メイド部門では来月パスタに力入れよっかなーっておもって」


柚原「メイド部門の来月はオムライスでしたよね」


目が泳いでる


柚原「さすがにオフの日に、人のデートストーキングするのは趣味最悪ですよ!」


日野「ごめんってばー、でもたまたま見かけたから、ついでにパスタも味わおうと思ったのは本当だよ?」


柚原「もー、なにがついでに、ですか」


日野「可愛い彼女さんだね、あの子なら解釈違いでも許せる」


柚原「わかります!?!?」


日野「食い付きやばいしちょろ過ぎない?」


柚原「あとでじーーーっくり惚気聞いてくれるなら許します」


日野「あらかわいい」


柚原「じゃ!俺彼女待たせてるんで!これ以上のストーキングは辞めてくださいね!」


日野「はいはーい」


手のひらひらひらさせてパスタを頬張っている

ていうかこの人何皿食べる気なんだ?小柄なのに結構食べる人なんだな……


柚原「ごめん、ただいま」


加代「ううん、いいよ」



ブーッブー



———ライン?



日野『言い忘れてたけど、財布にゴム入れたらダメだからね、傷ついたりして使いもんにならなくなるし見られたら引かれるよ』


柚原「!!!!!!!???????///////////////////」


キッと日野さんの方を睨みつける


なんで知ってるんだよ!!!


加代「どうしたの?」


柚原「なんでも、、、ない」



ブーッブー



日野『ほら、落ち着かないと彼女が不安になるよ?深呼吸、深呼吸』


柚原「あーー!もう!!!!」


加代「!!??仕事かな?大変だねオフなのに」



職場の人だから仕事といえば仕事かもしれないけどこれが仕事なんて俺は認めたくない



柚原「ま、まぁ、ね、うん。今月大変だし。ご、ごめんね」


加代「いいの、そういうところ好きになったんだし」



———マジうちの彼女天使



ブーッブー



日野『よかったね』



———いいかげんやめてくれませんかね!?



柚原「そ、そろそろ出ようか」


加代「うん!」


柚原「ここは出させてよ」


加代「えっ、でも」


柚原「いいんだ、その代わりまたここ連れてきてくれる?ひとりじゃ来れないしさ」


加代「お易い御用だよ!(ニッコリ)……えへへ、次のデートのお約束、だね」


柚原「へへ」



やっばい幸せ絶頂最高人生ありがとう

このタイミングで出れば日野さんもついてこれないはず、



日野「お会計お願いします」



———ぜったい悪意あるだろあの人!!!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る