第9話 「交錯する誤解」


(咲夜視点パート)


三月末のトリオ会合(龍崎、咲夜、利人)にて咲夜はこんなことを言い出した


咲夜「いやーーー!今度のエイプリルフール、SSSのやつら特別身内向けイベントやるらしいですよ!しかも、優真ももちろんスタッフとして参加する・・・・・執事は女装、メイドは男装という特別イベント!いやー、まさか生きてる間に優真や夕立、さらには星矢の女装まで見れる日がくるなんてねーーww」


利人「」


龍崎「」


咲夜「ま!!その日は完全身内向けチケット制で完売済み。俺は用心棒としてフリーパスなんすけどね~~~~!!!!wwwww」


龍崎「・・・てめぇ、俺の目の前でそんな煽り方して、怒鳴りもせずに堪えてやってんの、その器のでかさを死ぬまで感謝しろよ・・・?(裏流の圧)」


利人「・・・本日の会合費用、咲夜君に全部持ってもらいましょうか・・・(静かな圧)」


龍崎「ドンペリ入れるぞ」


利人「では、私はロマネコンティを」


咲夜「す!み!ま!せ!ん!でしたァァァ!!!!(本気焦り)勘弁してくださいって!!4年前までとは違うんですよ!?今の!俺の!何でも屋咲夜としての年収!!その落差、知ってるでしょう!!??」


利人・龍崎「知りません/知らねぇよ(無慈悲)」


——————


(ゲン視点パート)



———4月1日。


今日は店はエイプリルフールイベントとして一日限定の交換喫茶だ。


執事組は女装してメイド喫茶をやり、メイド組は男装して執事喫茶を担当する


———憂鬱でしかない。


幸い午前中のみのイベントだが、俺もやる羽目になった。優真はノリノリだ。というか店内全員がノリノリだ。



俺は最初言ったんだ。


『トップも含め全員がやればそれは暗黙の強制になる。女装男装は個人の意志を最大限に尊重すべきだ。だから俺は女装はしない。下のものがしない選択を取りやすいように』




と。いかにももっともらしい理由をつけて。



なのに、なぜ日野さんが中心になって『ゲンくん女装見たい!』で店内が一致団結するんだ

『全員快く承諾しました!逆に浮きますので店長もぜひ女装を!!』



なんて言われたら断れなかった。



今日お客さんとして咲夜さんも来るかもしれないのに!!!



そして優真はこれから朝から出掛けていく



知り合いのメイクアップアーティストに女装してもらうらしい


なんでそんなに気合を入れているんだ!!!




違う!俺は女装した優真が好きなんじゃなくて今のカッコイイ優真が好きなんだ!!!



はぁ、憂鬱でしかない


優真のやつ、パリピ仲間も呼ぶとか言っている。もちろん俺の知り合いも多い。

あいつは正気か?



「おーいゲンー」



もうエイプリルフールなんてこの世から無くなってくれていい


「マジで!?エイプリルフール午前中なの!?じゃあゲンに嘘つけんの今しかねーじゃん!えーとえーと。」


とにかく今日を乗り切ろう


「おい聞いてんのかー!ゲンー!」


「ん、あ、あぁ、なんだ?今仕事のことを」




『こないださ、俺 の 兄 ち ゃ ん っ て 人 が会い に 来 てく れ た ん だ ぜ !!!』




「……………は????」




頭が真っ白になった。


なんで。なんであいつが?そんなわけ、ない。俺が、あいつを———



「しかもよー、俺が実は資産家なんだってよ!すっげー名家の生まれらしいぜ!!」


背中から冷や汗が流れる。は、なに、何が起きてる



「親父もぜひ俺に会いたいって言ってくれてるらしいんだ!!!」


膝から崩れ落ちそうになる。なんで?あいつは確実にもう、


「っておい、大丈夫か!ゲン!!落ち着け!!」


気づいたらその場にへたり混んでいた


「ゲン!わりぃ!今の嘘!エイプリルフール!!そんな驚くなよ!つかこんなんすぐわかんだろ!なんでだよ、むしろ喜んでくれると思ったのに」



———嘘?エイプリルフール?




「ふざけるな!!!

それを本気で俺が喜ぶと思ったのか?」




思わず胸ぐらを掴んでいた




俺がこいつの兄と親父を殺したことまでは知らないはずだ。



でも誰かを殺した、それは知っているはずだ。



なのに、なのになのになのに!!!



「げ、ゲン?なんでだよ……俺に兄弟いちゃそんなに嫌かよ。俺に会いたいって言ってくれる親父いちゃダメかよ…………。



………エイプリルフールくらい夢見させろよ!!!」



優真に突き飛ばされる



「何が、何が夢だよ!!!!」



それは悪夢なんだよ。お前にとってもな。



「………もう行く」


「おい、朝飯まだだろ」


「いらね」


優真はそのまま飛び出して行った


くそ、くそ!!!くそが、!!!!、


喜べると思うか!?心臓握りつぶされる思いをしたぞ!!!




なのに、


なのに、


この喧嘩で優真の発作が起きないか心配してしまっている自分がいる。


ベランダから優真の姿を視認する。


怒っている。発作は起きていないようだ。



…………くそっ。

本当に今日は最悪の日になりそうだ。


——————


<<これより以降、柚原視点にてお送りします>>



(柚原視点パート)


——前夜——



柚原「と、いうわけで、明日はぜーーーーったいに店来ちゃダメだからね!?」


彼女に強く言って電話を切る

流石に彼女には見られたくない。

でも正直ノリノリ気分のところがある。




明日は!!明日はなんと!!




エイプリルフール!!!



全員男装女装で交換喫茶!!!



東條さん、美しいんだろうなぁ、夕立店長はどうなるんだろ。優真は絶対綺麗だと思う。日野さん明日1日だけで俺の指名数越えられたら凹む自信がある



なんにせよお祭り気分だ。


ちょっと楽しい。


ーーーだが彼女には見られたくない!!!!


明日は色んな人の珍しい姿が見えるから早く寝よーっと!!



——————翌朝。

いつもより2時間早く起床!


早めに店についてしまった。よーしピッカピカにするぞーー!!!


東條「柚原。早いな」


柚原「あ!東條さん!女装はこれからですか!」


東條「なにゆえ女装して運転しないとならないんだ、これからだよ」


柚原「楽しみです!」


東條「お前のそういう素直なところは評価している………(頭抱え」


日野「おはようございますー」


柚原「あぁ!日野さん!もう既に男装なんですね!!」


日野「イキイキしてるねー!かっこいいでしょ、ふふん。柚原くんの指名、全部奪ってあげるね?」


柚原「それはマジで勘弁してください!!」


日野「私はメイク担当でもあるからね、ささ、行きましょ東條さん!!」


東條「う、うむ」


東條さんが連れられていく


東條「ちょっと待て、こ、こんなのするのか」


日野「当然ですよー!東條さんは美しさ出してなんぼです!」


東條「待っ、待ってくれ、あ、ビューラー!?」


日野「はいー。ちょっと目軽くつぶっててくださいね」


東條「お、おい、これは誰だ!」


日野「東條さんですー!!」



———なにがうまれようとしているんだ


日野「東條さんのメイク終わりましたー!」



そして見てみると、



柚原「うっわ。。。。。///////////////////」



やべぇ、見惚れた。



東條「こ、これは、俺は、だれ」


柚原「東條さん、お気を確かに」


日野「綺麗ですよ、あと今日は【わたし】って言ってください!」


東條「わたし、き、きれい?」


柚原「どこかの妖怪になってますよ」


東條「すごく恥ずかしいのだが」


日野「慣れです!」


柚原「慣れでしょうねー!」


日野「次。柚原くんいくよ!」


柚原「どんとこいです!!」


———

柚原「チークですか?」


日野「柚原くんはかわいらしさとピュアさを前面に出したくてねー」


柚原「わわ、リップ」


日野「軽い色つきのだよ」


柚原「ポニテすか!」


日野「いけるいける!かわいい!!」


東條「………………驚いたな」


柚原「私。。。かわいい???」


東條「さっきの言葉そっくり返すぞ」


柚原「自分にこんなに女装が合うとは思いませんでした」


日野「新しい扉開いちゃったかなー?」


柚原「今日限定です!」



そう話していると扉が開く



あれ、店長?ちょっと顔色悪いような




日野「店長ー、逃げ出すかと思ってましたよ?」


ゲン「それはしません。店に穴開けたくないので」


柚原「店長。調子悪いのでは?休まなくて大丈夫です?顔色悪いですよ?」


ゲン「なんでもない。」


日野「じゃあ、女装行っちゃいましょうかー!!!」


柚原「痛くされないんで安心していいですよ!!!」


東條「今日半日の我慢だ、耐えよう。夕立」


ゲン「……………はい」



あまり声が聞こえてこないな。

やっぱりちょっと調子悪いんじゃ。

大抵こういう時って優真と喧嘩した後なんだよなぁ。。。


日野「完了ーーー!!!」


柚原「あ」


東條「ほう」


ゲン「………………褒めたら減給する」


柚原「理不尽!?」



どうしよう、一瞬店長にときめいた自分がいる。


落ち着け、俺。深呼吸。深呼吸。



日野「元がいいからね!いい仕上がりになったと思うよー!!」


ゲン「…………………」



東條「夕立、いまのこれで減給はさすがに承諾しかねるからな」



店長が黙りこくったままうつむいて震えている!!これはきっと照れているんだな!!



————



カラン。来店の鐘がなる。おっと、他にもスタッフが


————そこには、一人の美しい女性が立っていた。


「」

「」

「」



わぁ。。。すごく綺麗な方。新人のメイドさん?あれ、でも今日新人来る予定なんかあったっけ?




優真「いや、俺だけど?」




「」

「」

「」



あ、店長がフリーズしてる。

てかみんなフリーズしてる。



え???これ優真???



ゲン「…………………は?」



そういえば優真だけは知り合いのメイクアップアーティストにお願いするって言ってたっけ。

流石は超有名のパリピ。盛り上がることに関しては全力だ。



優真「私、綺麗?」



くるっと一回転、決めポーズまでしてきて、思わずみんな頷く




ゲン「あ、あぁ、まぁ似合ってるんじゃないか?」


優真「お、おう」


柚原「その喋り方なんとかならないのか、優真。脳がバグる」


日野「今日はメイド扮装組は喋り方も女性用だよー」


優真「あー、あーーーー、カラオケで鍛えた高音でけふんけふん、」


優真「こんなもので宜しいでしょうかだんな様(ニッコリ)(裏声」


あ、店長またフリーズした


ゲン「優真…………お前はやっぱり今日休め」


優真「は?なんだよそれ。朝のことまだ根に持ってんのか?公私混同すんなよ」


ゲン「いや、決してそういう訳では無い」


東條「今日は五十嵐がいないと成立しないイベントもあるんだぞ夕立」


ゲン「………………………………………………」


ーー何が気に触ったんだろ????

すげー可愛いのに。



咲夜「おう!来てやったぞ!」


東條「帰れ」


咲夜「ぷっ!!!!!星矢!?星矢か!?うわーーーーwwwwwwwwwwww」


東條「帰れ」


咲夜「ひゃーーーー!!夕立もかわいいなーーー!!!」


ゲン「………………お帰りください💢」


咲夜「お!柚原!?完全女子じゃん!!」


柚原「行ってらっしゃませだんな様❤」


咲夜「日野ちゃーん!!かっこよすぎ!」


日野「お褒めに預かり光栄ですが現在まだお帰りの準備が整っておりません❤」


優真「咲夜さん咲夜さん!俺は!?可愛くね!?」


咲夜「はーーー!?優真!?見違えたなおい!!」


優真「でっしょー!!今日これで踊るんすよ!」


咲夜「スカートチラとかしねーの!?優真!!」



ゲン「お か え り く だ さ い」



店長の、殺意と怒気のはらんだ声。

店内が一瞬ビクッとする



咲夜「ぎゃははは!!夕立ちゃんかーわい!!」



だが咲夜さんにはノーダメージだった。



店長、めっちゃブチ切れてる!!ブチ切れてる!!!!



店長に追い出されるように咲夜さん帰って行く。



営業時間中にまた来るからなーー!!!って叫んでる



東條さん、店長、胃が痛そう………



ゲン「柚原…………」


柚原「は、はい!!!」


ゲン「今日俺が逮捕されたら店のことは任せた」


柚原「縁起でもないこと言わないでください!?何するおつもりですか!?!?」


ゲン「スタッフに手を出すやつがいたら理性保てるかわからない」


柚原「店長オオオオオ!?!?!?」


東條「出禁者増えなきゃいいな……」


日野「そのために今日は常連や知り合いのみのチケット制だから多分大丈夫じゃないかな……たぶん」




ひぃ、波乱の予感!!ここは俺がしっかりしなきゃっすね!

執事喫茶SSS!交換イベ!間もなく開店です!!!









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