第5話 ギルドでの勘違い報告
ゴールドリッジの冒険者ギルドの扉を押し開けると、
室内は朝の光に照らされ、木の床がきらりと光る。
エリオは泥だらけの体を気にしつつ、短剣を握り
しめ、胸を張る。「よし…俺、無事に魔物を討伐
してきた…!でも、まだまだ弱いんだ…」勘違い
全開で意気込みだけは立派だ。
ギルド内の雑踏をかき分け、案内嬢のエルシアの
前に立つ。青い瞳が穏やかに彼を見下ろす。
「エリオくん、戻ったのね。任務はどうだった?」
エリオは深呼吸し、胸の皮当てを叩きながら答える。
「えっと…ほ、ほんの少し…勝てました…でもまだ
弱いです…」全力で弱さを強調する。
エルシアは首をかしげ、微笑む。「少し…って、
どのくらい?魔物は全部討伐できたの?」
エリオは胸を張り、頭を真っ直ぐに上げる。「全部
です!全て俺の力で倒しました!まだまだ弱いけど
戦いました!」勘違いの自信で、言葉が勢い余る。
周囲の冒険者たちがちらりと振り返る。
泥だらけで枝や葉っぱまみれの少年が、真剣な顔で
話しているのだから、どう見ても滑稽だ。
だが、本人は全く気付いていない。「俺の戦いは、
誰にも負けてない…」胸の中で叫ぶ。
エルシアは静かにノートを取り出す。「なるほど…
では、報酬としてこの経験値と少額のゴールドを
受け取って。森の魔物討伐は、初心者向けの任務
だったからね」
エリオは耳を疑う。「あ、あれ…初心者向け…?」
小声でつぶやくが、顔は誇らしげだ。
彼は、全力で倒したと思い込んでいるが、実際は
ほとんど偶然の連続だった。川に落ち、枝に絡まり、
魔物は勝手に逃げていっただけだ。それでも本人は
「俺、すごい…少しは成長したんだ…!」と信じる。
ギルド長レオダンが近くに来る。「エリオ、戻ったか。
魔物討伐の結果は?」
エリオは胸を張って報告する。「全力で戦いました!
全て俺の力です!」勘違い全開で、大声で言い張る。
レオダンは目を細め、微かに笑う。「ふむ…なるほど
偶然ではあるが、君の行動力は認めよう」
その瞬間、エリオは心の中で勝利のガッツポーズ。
「偶然でも、俺の実力だ!やっぱり俺は強いんだ!」
勘違いはさらに加速し、エルシアは微笑みながら
見守る。周囲の冒険者たちは苦笑いだ。
エリオは報酬を受け取りながら、何度も荷物を
確認する。剣の鞘、胸当て、靴、ヘルメット…
全て無事。本人は「やっぱり準備も完璧だった…!」
と勘違いし、胸を張る。
ギルドの奥では、他の冒険者たちが次の依頼を
受けている。エリオはそこに視線を向け、心の中で
「俺も次はもっと強くなる…必ず!」と誓う。
勘違いと自信に満ちた少年の決意だ。
突然、ギルド内の床に小石が転がる。
エリオは「敵の罠か!?」と勘違いし、短剣を構える。
もちろん、誰もいない。ただの小石だった。
それでも本人は「俺は油断しない…これが戦士の心意気だ!」
胸を張り、再び報告を締めくくる。
エルシアは優しく微笑む。「エリオくん、無事に
戻ってきてくれてよかったわ。次はもっと大きな
任務ね」
エリオは心の中で「もっと大きな任務…俺、弱い
けど頑張れる…!」と、勘違い自信全開で
拳を握りしめる。
初めてのギルド報告は、泥だらけ、勘違いだらけ
のまま終わった。だが、本人は完全に満足していた。
「よし…次はもっと強くなる…!」
ドタバタの連続の中で、少年の冒険者としての
自覚と勘違いの自信は、しっかり芽吹いたのだった。
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