第15話 元・駐車場管理会社社員の告白(匿名を条件に行ったインタビュー)

ああ、あの車の旦那さんね。可哀想に。


奥さん重度の熱中症で、脳に障害が残ったらしいね。会の施設に入っているよ。回復は見込めないらしいけどね。


子供は…まあ、そういうことだ。


旦那さんは車を処分しようとしたが、私が止めたんだよ。

いや止めざるを得なかった。


「産声の会」の教義では、一度捧げられた供物は動かしてはならない。


我々の未来のためなんだよ。


あの十三区画の下には、昭和の終わりに選ばれた子供たちが眠っている。


当時、世間を騒がせた連続幼女誘拐殺人事件があっただろう?


警察は一人の男を逮捕したが、あれは氷山の一角だ。


報道されなかった行方不明児たちは、選ばれたのさ。


生きたまま「箱」に入れられ、十日間「孵化」を待った子供達だ。


次の世界を明るく照らす、灯火となるためにね。


今でも日本は平和だろう?孵化したのさ。

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