二廻目 騎士団に興味はありますか?
グラウンドラスの鎮静化に成功した僕とユイは、一旦最初の街に戻り、報酬を受け取ることにした。
「ねえおじさん。そんなにお金があるのに報酬もらう必要ある?」
「もらえるものはもらったほうがいいだろう。」
そんな会話をしていると女騎士らしき人物がこちらに近づいてきた。
「き、騎士様、えっと、この子......グラちゃんはやさしいので切ったりしないでください。」
「心配は無用だ。お前達の話はもうこの町では有名だからな。」
「私の名前は『クロエ』騎士だ。」
この銀髪をなびかせている騎士、その体格の良さと大剣を片手で扱っていることからかなりのレベルに達している相当の実力者であることが窺える。只者ではない。
「そこの小娘、名をなんと言う。」
「えっと『ユイ』です。」
「ユイ、我ら《エスクード騎士団》に入る気はないか?」
「今回のグラウンドラスの件において高く評価されている。おまえにとっても素晴らしい話ではないか?」
そうか、この子の夢、そして一族の夢はあくまで最強の剣士になること。その点で見れば僕がしていることはこの子に強い装備やアクセサリーをつけて戦わせているだけ。そんなの僕の自己満足じゃないか。この子の本当の剣の実力を上げるならば......
「......行っておいで、ユイ。」
「私、行ってくる。」
「......本当に行っちゃうよ?」
「......。」
「クリスっ......なんで?」
「ユイにとってはそれが最強の剣士になるために必要な道だと思った。」
「私の気持ちは? 私の為とか言っておいてそれもクリスが勝手にそう思ってるだけ。私がまだクリスと冒険したいと思ってたら?」
ユイの言う通りだ。この今の発言も、完全に僕のエゴだ。この子の気持ちを考えずただ自分が勝手にこの子の幸せを決めつけてるだけだ。
「私、入りません!」
「そうか、無理やり加入させるつもりはない。気が向いたらいつでも来るが良い。」
そう言ってクロエさんはさっていってしまった。
「もう、クリスのバカ......」
「ごめん。」
「本当は行ってほしくないなら最初から素直にそう言えばいいのよ。」
そう言ったユイは少し哀しそうに眉尻を下げて言った。
「え?」
「......だってクリス、泣いてるじゃない。」
そう言われて初めて、頰に生暖かい感触が伝っていることに気がついた。
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